実は意味深なワム!の名曲『Last Christmas』
ちょっと前にミュージカル・ドラマの『glee/グリー』をちらっと観る機会があり、主演の2人がめっちゃ切なく歌うのを観て、初めて歌詞に興味を持ったワム!の名曲『Last Christmas』(1984)。
あまりにもクリスマスの定番過ぎて、今までちゃんと歌詞に注意を払ったことがなかったのですが、ワム!のミュージック・ビデオを観てみたところ、すごく物語調になっていました。
クリスマスに再燃する恋
1年前のクリスマスに良い関係になった人と、クリスマスに再会するという物語。それぞれ新しい相手がいて幸せそうですが、お互いの存在に気づいた瞬間、顔色が少し変わります。その後ちらちらと相手を気にする2人。
Tell me, baby,
Do you recognize me?
Well,
It’s been a year,
It doesn’t surprise me
(Merry Christmas)
やがて、男の人(演じているのはワム!のジョージ・マイケルさん)の方がふと気がつきます。自分が去年のクリスマスにあげたブローチを、彼女がまだつけていることに・・・!(ただし向きは逆向き)
I wrapped it up and sent it
With a note saying, “I love you,”
I meant it
きっと、昨年のクリスマスにプレゼントをあげて告白したものの、うまくいかなかったのでしょう。再び彼女に出会って心揺らぐものの、今の彼女の存在を自分に言い聞かせ、なんとか冷静さを保とうとします。
A face on a lover with a fire in his heart.
A man under cover but you tore me apart, ooh-hoo.
Now I’ve found a real love, you’ll never fool me again.
も彼女との思い出は募り、最初は以下のように歌っていたところが・・・
This year
To save me from tears
I’ll give it to someone special.
最後は以下に変更。
Maybe next year I’ll give it to someone
I’ll give it to someone special.
微妙すぎてわかりづらいですが、”this year” がひそかに “next year” になっています。
“Now I’ve found a real love(今は本当の愛を見つけた)” と歌っていたのに、来年はそのハートを誰にあげるんや・・・!
切ない名曲
もしかしたら『Last Christmas』は、自分が本当に好きな人に気付く歌なのかもしれません。ただし、その思いが叶うかどうかはわからないところが、じわっと切ないです。
ちなみに、日本の切ないクリスマス・ソングの代表曲と言えば、我らが達郎さんの『クリスマス・イブ』(1983)。しょっぱなから「きっと君はこない」なんて、切ないにも程があります。
でも、『Last Christmas』も『クリスマス・イブ』も、聴かないとなんだかクリスマスになった気がしないので、今年も切なさを感じつつ、聴きまくりたいと思います。