2015年一般教書演説に関する記事で目にした「Congress」の意味とは?

先週のマーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デーの翌日、仕事の後ジェガーさんに連絡すると、「家の近くのバーにいるから」と言われました。行ってみると、バーの大画面にオバマさんが。

State of the Union 2015

「あれっ、オバマさんやん」
「今一般教書演説中」

バーで大統領の一般教書演説を観るなんて、なんだか不思議な感じです。バーには年配グループから若い人まで集まっていて、みんな真剣。一般教書演説を見ながら、合いの手を入れたりしてはります。

終わってから内容をおさらいするべく、いろいろ記事に目を通していると、Mashable@mashable)の記事が見やすかったので読んでみました。

すると、”Congress” という単語がたくさん出てきました。その中で、出だしが大文字になっている “Congress” と、出だしが小文字になっている “congress” が目につきました。

It’s unclear how many chances any of these proposals have to pass in the Republican-controlled Congress. But a similar information sharing bill, the Cyber Intelligence Sharing and Protection Act (CISPA), has been reintroduced again in congress this month.

via Obama’s State of the Union address: The highlights

ポイント

“congress” は「議会」という意味ですが、最初の文字が大文字で始まると「連邦議会」という意味になります。

Congress | Macmillan Dictionary

Congress: the group of people in the U.S. who are elected to make laws. It consists of the House of Representatives and the Senate

(法律を作るために選ばれたアメリカ国民で、上院〔Senate〕と下院〔House of Representatives〕から成り立っています。”Senate” や “House of Representatives” も、最初の文字は大文字で表記されます。)

つまり、冒頭の文は「これらの提案が共和党優勢の国会にどれだけ通用するかは不明だが、似たような情報共有法案であるサイバー情報共有・保護法案法(CISPA)は今月議会に再提出されている」と書かれていたのでした。

補足

というわけで、カテゴリ別に整理したいと思います。

  1. 税制(TAX)
  2. The president’s tax proposal seeks to raise taxes on the upper class while easing them on those with moderate incomes. His plan comes as economists debate the growing wealth gap in the U.S. and abroad.

    (大統領の税制案は、富裕層の増税を狙う一方で、中間層に対しては緩和する方針だ。経済学者たちが問題にしている、米国内外における経済格差を踏まえていると見られる。)

    via Obama’s State of the Union address: The highlights

    具体的には、富裕層が保有する株式などの資産課税(キャピタルゲイン)を引き上げ、中間層に対しては20万ドルまでは課税しないことを提案。

    また、共働き世帯に対しては500ドルの税額控除の新設、子供を抱える世帯に対しては税額控除額を最大3000ドルに引き上げる措置を打ち出しています。

    これに対して共和党は反発気味。現在米議会は上院・下院ともに共和党が半数以上を占めているので、オバマさん、前途多難です。

  3. サイバー保安(cybersecurity)
  4. In the year of the famous Internet vulnerability Heartbleed, the massive data breaches of Home Depot and J.P. Morgan, and the hack on Sony Pictures, President Obama is hell bent on getting the government involved in improving cybersecurity.

    (インターネットの脆弱性を露にした「ハートブリード」、J.P. モーガンや〔大手住宅リフォーム小売りチェーンの〕ホーム・デポに対するデータ侵害、ソニー・ピクチャーズのハッキング事件などの事例を踏まえ、オバマ大統領は政府がサイバー保安向上に関わる姿勢を断乎として示している。)

    via Obama’s State of the Union address: The highlights

    具体的には、ハッキングされた企業に対して30日以内に顧客に知らせることを義務付けする法案の成立や、企業と政府がサイバー攻撃に関する情報を共有する計画の再提案、サイバー犯罪が起こった時に法執行当局により権限を与えるとともに、ハッキング防止法を見直して罪を重くする考えなどを示しました。

    サイバー情報の共有などに対しては、顧客のプライバシーを懸念する声も上がっています。

  5. 気候変動問題
  6. He spent the most time on the subject in 2013, and last year, he declared that manmade global warming is a reality and is already doing harm to the country.

    (大統領は2013年には気候変動問題に多くの時間を割き、昨年には、人為的な世界温暖化は現実的に起こっていて国にすでに悪影響を与えていると宣言していた。)

    via Obama’s State of the Union address: The highlights

    政府は1月14日、天然ガスやパイプライン施設から放出されるメタンガスを制御する新たな計画を発表。昨年打ち出した温室効果ガス排出量削減策に続く大きな計画となります。

    アメリカ政府は、2014年3月発表の「メタン排出削減戦略」の下、石油・ガス産業からのメタン排出を2025年までに2012年比で40~45%削減する目標を公表した。同国では石油生産が過去30年で最大、天然ガス生産は世界最大となり、エネルギー安全保障と経済的利益に寄与しているが、天然ガスの主成分であるメタンはCO2の25倍の温室効果を持つため、環境への影響も大きい。同国の2012年温室効果ガス排出量の約10%はメタンで、その約30%が石油・天然ガスの生産・輸送・供給において発生する。追加の対策なしでは2025年には同産業からの排出量は25%以上増加するという。このため政府は今後の具体策として、新設・改良された石油・ガス関連施設からのメタンと揮発性有機化合物の排出基準策定、メタンの漏出検出と排出報告の向上、公有地での石油・ガス生産に伴う排気・フレア・漏出の基準改訂、パイプラインの安全性向上とメタン排出削減、輸送ロス削減のための技術開発推進、等を示した。また環境保護庁等との連携による業界の自主的取組拡大も図るという。

    via アメリカ、石油・ガス産業からのメタン排出を2025年までに40-45%削減する目標を公表|環境展望台:国立環境研究所 環境情報メディア

  7. テロ問題
  8. According to prepared remarks, Obama will call on Congress to authorize the use of force against ISIS to “show the world that we are united in this mission.”

    (事前の発言内容によると、オバマ大統領は「世界に団結力を見せつける」ため、ISIS に対して軍事力を行使する権限を与えるよう呼びかけるという。)

    via Obama’s State of the Union address: The highlights

    具体的には、ISIS に対して協定国とミサイル攻撃を進めて弱体化を目指すこと、過激思想に対する策を講じる必要性などについて言及。記事では、ISIS による日本人の人質脅迫事件のことにも触れられていました。

    テロ問題は、今年の演説で最も時間を割かれたトピックの一つとなりました。

  9. 家族休暇制度
  10. American workers have been stuck with the same family leave policy since 1993, when the Family Medical Leave Act went into effect. That bill required companies with 50 or more employees to offer up to 12 weeks of unpaid leave for family medical leave, which includes the birth of a child and caring for a sick relative.

    (1993年の育児介護休業法の執行以来、家族休暇政策は変っていない。同法は、50人以上の従業員を抱える企業では育児介護休暇に対し最大12週の無給休暇を与えると定めたもので、出産や病気を抱えた親戚の介護などもそれに含まれていた。)

    via Obama’s State of the Union address: The highlights

    この法律でカバーされる労働者は全米の59%に当たりますが、2012年の労働省の調べによると、半数近くは財政的理由から休暇を取っていなかったそうです。

    しかも有給休暇を与えられているのは、全労働者のたった12%のみ。無給休暇を取る家族の多くは貯蓄から切り盛りしており、借金に陥ったり、公的支援に頼ったりする家庭も少なくありません。

    昨年オバマ大統領は有給家族休暇を与える政策を支持する意向を示し、今回の一般教書演説に先駆けて、連邦機関に6週間の病気休暇(出産にも適用可)を与える基本合意書を発行。育児介護休業法が提供する有給の病気休暇の拡大についても発表しています。

  11. 教育
  12. The president hopes to enact new taxes on wealthy Americans and large finance companies in exchange for cheaper community college and improved tax credits for child care and education.

    (大統領は、富裕層や大手金融企業に新しい税制を施行することによって、手頃なコミュニティ・カレッジや、育児・教育に対する税額控除の改善を目指している。)

    via Obama’s State of the Union address: The highlights

    具体的な案の目玉となっているのが、最初の2年間の学費を無料にするコミュニティ・カレッジ生を増やすこと。GPA(成績評価の平均点)で2.5以上を維持した学生対象で、正規生だと年間3,800ドルの節約となります。ただし、必要な予算は10年間で600億ドル(約7兆円)と見積もられており、現実化は困難とも見られています。

    ちなみにこの考えはテネシー州の『テネシー・プロミス(Tennessee Promise)』を基にしているそうです。

    雇用者が必要とする技術を持った短大・大卒者を育成する目的のもと、多数の教育政策が実施されています。とりわけ同州知事が重視する教育政策課題のひとつには、2025年迄にテネシー州内における短大以上の学歴保持者を州全体の55%にまで引き上げるという目標(「ドライブトゥー55(“Drive to 55”)」)があり、その達成に向けて複数のプログラムが組まれています。例えば、同計画の一環として、2015年秋より高卒者に2年制コミュニティカレッジや専門学校の授業料の無料化が行われます(通称「テネシー・プロミス」)。

    via Consulate-General of Japan at Nashville

私が個人的に最も注目したのは、家族休暇とコミュニティ・カレッジの無償化案。

特に家族休暇に対しては、日本では出産すると1年くらい有給休暇がもらえるので、私はてっきりアメリカもそんな感じかと思っていたのですが、アメリカは産後2ヶ月程度で職場に復帰するお母さんがとても多いです。でも、有給休暇すらもらえないお母さんもいると知ったのはさらに衝撃。アメリカで働きながら出産して子育てするのは、めっちゃ勇気が入ります・・・!

ちなみにこの日オバマ大統領はけっこうゴキゲンで、ジョークなどを飛ばして余裕を見せてはりました。

前半ではウィンクも。

とはいえ、昨年の一般教書演説から実際に法案化されたものは少なかったようなので、オバマさんまだまだ安心はできません。

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