映画『リリーのすべて』に影響を与えた画家ヴィルヘルム・ハンマースホイ
新年最初に観た映画は『リリーのすべて(The Danish Girl)』でした。
新年最初の映画体験はトム・フーパー監督最新作&エディ・レッドメイン主演の『リリーのすべて(The Danish Girl)』(日本は3月18日公開予定)。わくわく。 pic.twitter.com/vNoTzjN9M3
— Riho (@tsukaueigo) January 3, 2016
『リリーのすべて』は、1920年代に世界で初めて性別適合手術に挑んだデンマーク人の話です。同名の原作(邦題は『世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語』)が元になっています。
イラストレーターの妻ゲルダに女性を描くためのモデルになることを頼まれ、女装をしたことがきっかけで、内なる女性性に目覚めた風景画家のエイナル。リリーという名で表に出るようになるにつれ、エイナルのアイデンティティが覆っていきます。
性別を超えた愛の実話
驚くのは、エイナルの変化をゼルダが支え続けたこと。まだ「トランスジェンダー」という言葉もない頃に、エイナルの変化を真に受け止めることは、相当な努力が必要だったのではないかと思います。
それでも、たとえリリーとしてのアイデンティティがどれだけ強くなっても、ゲルダがエイナルのそばを離れず全てを受け入れ続けたところに、私は性別を超越したとてつもない愛を感じました。
女装すると完全に女性にしか見えないエディ・レッドメインさんはもちろん、ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデルさんも素晴らしい演技です。ちなみにアリシア・ヴィキャンデルさんは『エクス・マキナ』のアンドロイド役の人でもあります。
映画の世界観に影響を与えたヴィルヘルム・ハンマースホイ
この映画はコペンハーゲンで撮影されましたが、トム・フーパー監督は制作にあたって、デンマークを代表する画家の一人ヴィルヘルム・ハンマースホイの作品を参考にしたそうです。
上の映像でもハンマースホイの作品と実際の映像が比較されていますが、確かに世界観が似ています。
トム・フーパーさんの映画は品性を感じさせるので私はとても好きですが、ハンマースホイの世界観はまさにぴったりです。