アメリカで出産1ヶ月後に子連れで一時帰国する方法

3月末に出産し、ゴールデンウィークに無事に一時帰国したのですが、新生児を連れて一時帰国するまでの手続きがけっこう大変だったので、ここにメモを残しておきたいと思います。

 

プロローグ:出産1ヶ月後に一時帰国したいと思った理由

 

私は産休を3ヶ月取っていて、6月末に職場復帰予定です。当初は出産時期に合わせて私の母親に来てもらうつもりでいたのですが、まわりの助言もあり、親に来てもらう代わりに私が一時帰国して、実家でできるだけゆっくりすることにしました。

赤ちゃん自体は、多くの航空会社で生後約1週間から乗られます。ただ、「赤ちゃんへの負担を考えると生後1ヶ月は待った方が良い」という医師のアドバイスに従い、出産1ヶ月後に一時帰国することにしました。

 

必要なのはアメリカのパスポート

 

新生児がアメリカ国外に旅行する場合、必要なのはアメリカのパスポート。これは国外に出るためというより、再びアメリカに戻ってくる時に必ず必要になります。一方、日本のパスポートは今回の入国時には必ずしも必要ではありません。アメリカのパスポートがあれば、まずは “外国人” として入国できるからです。

日本の総領事館にも相談した結果、日本のパスポートは一時帰国後日本で作成することにし、とりあえずはアメリカのパスポートだけ用意して行くことにしました。

 

ステップ1. 出生証明書の取得

 

新生児のアメリカのパスポート取得には、以下3点が必要です。

  1. アプリケーション
  2. 出生証明書
  3. 顔写真

アプリケーションはウェブサイトで記入して用意できるので、それほど手間はかかりません。

顔写真も郵便局(USPS)や FedEx などに行けばすぐ撮ってもらえます。規定さえ守っていれば、自宅で撮った写真でも問題ありません。

問題は、出生証明書(birth certificate)。これは出産時に病院でアプリケーションに登録情報を記入するのですが、病院側はその登録情報を代わりに提出してくれるだけで、発行手続きはしてくれません。したがって、出生証明書を手に入れるためには、自ら発行手続きをしなくてはいけません

私は最初、病院に用紙を提出した段階で安心して、出生証明書が届くのを待っていました。が、2週間後に届いたのはソーシャルセキュリティーナンバー(SSN)のみ。あわてて出生証明書の手続きを管轄する人口動態統計課(Vital Statistics)に行ったところ、情報は無事登録されているということで、なんとかすぐ発行してもらえました。

(シアトル市の Vital Statistics)
(シアトル市の Vital Statistics)

 

ステップ2. 顔写真の撮影

 

さて、出生証明書が手に入ったら、いよいよパスポートの申請です。すでにここまでで2週間経過しているので、大急ぎで手続きしなければ間に合いません。

パスポートの申請はオンラインでもできますが、急ぎの場合は直接事務所に行くことが勧められています(予約可)。ところが、さっそく提出物一式を持って事務所に行ったところ、なんと一度目はお断り。先ほど顔写真について「自宅で撮った写真でも問題ありません」と書きましたが、私が自宅で撮影した写真は、サイズは合っていたものの「頭が大きく写りすぎていた」とのこと!

自分で写真を用意する場合は、規定通りになるようによく注意する必要があるそうです。以下のツールをオススメされました:

手っ取り早く撮り直しするため、私たちは大慌てで FedEx へ。おかげで15ドルくらいかかりましたが、背に腹はかえられません。

(まだ首が座っていないので、床に寝かせて撮影されました)
(まだ首が座っていないので、床に寝かせて撮影されました)

 

ステップ3. パスポート申請

 

そして翌日、再び提出物一式を持ってパスポート申請へ。急ぎの場合、急ぎの理由を証明するものがあれば考慮してもらえると聞いたので、念のため日本行き航空券のEチケットを印刷して持っていったところ、出発に間に合うように発行してもらえることになりました。

パスポート代80ドルに特急料金60ドルを追加し、無事手続き完了。

その後、申請からわずか5日で家にパスポートが届きました!

 

出産後、アメリカのパスポートを取得するまでのタイムライン

 

以上をタイムラインにまとめると、以下のようになります:

出産日 出産証明書の登録情報提出(病院経由)
出産後 航空券手配
出産2週間後 ソーシャルセキュリティーナンバーが届く
出産証明書の発行手続き
パスポート申請用の顔写真とアプリケーション準備
出産証明書を受けとった翌日 パスポート申請(特急料金追加)
パスポート申請から5日後(出発10日前) パスポート入手

 

航空券は出産後すぐ手配

 

新生児の航空券予約には、パスポート番号は必要ありません。ただし生年月日を聞かれるので、産まれてからでないと購入はできません。私が手配した時は、名前と生年月日、性別の3点を聞かれました。

また多くの航空会社では生後6ヶ月くらいまでの赤ちゃん用にバシネット(bassinet)という簡易ベッドを用意してくれるので、私は購入時にそれもオーダー。早い者勝ちなのでどきどきしましたが、無事バシネットも予約できました!

(ジェガー Jr. バシネット利用中)
(ジェガー Jr. バシネット利用中)

 

余裕があれば生後2ヶ月以降の帰国がオススメ

 

こうして無事帰国してきたわけですが、パスポートは普通に申請しても約6週間で作ってもらえるので、安く抑えるなら、生後2ヶ月くらいは一時帰国を待った方が得策だと思います。生後1ヶ月は慣れない育児で体力も精神力も消耗するので、育児と平行して手続きを進めるのも大変。

ただ、私のように産休などの都合で早く一時帰国したい場合でも、十分一時帰国は可能だということが今回わかったので良かったです。

 

エピローグ:頑張って帰国してよかった!

 

生後1ヶ月で飛行機に乗るのは勇気がいりましたが、実家に帰ってきたら両親の喜ぶ顔も見られて、美味しいものもたくさん食べられて、育児ストレスも発散できて、本当に快適です。

私の場合は、親に来てもらうよりも自分が帰国した方が正解でした!