人工知能をテーマにしたSFスリラー『エクス・マキナ』
先週末、ジェガーさんと面白い映画を観てきました。人口知能をテーマにした『エクス・マキナ』という映画です。
意外とあり得そうな設定
主人公のケレブは、巨大サーチエンジン企業で働くプログラマー。ある日コンテストに優勝し、CEO が暮らす山奥で一週間一緒に過ごす権利を得ます。
しかし到着して知らされるのは、彼が「チューリングテスト」の試験官であるということ。「チューリングテスト」と言えばそう、映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』でもはやお馴染み、アラン・チューリングさんの考案したテストです。
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ここでチューリングテストについて振り返ると、一言で言えば「コンピュータが人間と同じような知能を持つかどうかを調べるテスト」です。つまり、人間がコンピュータと向き合った時に、相手がコンピュータであることを忘れてしまうほど違和感を覚えなければ、合格。なんと CEO は、山奥で人工知能を開発していたのでした。
被験者の人工知能はエヴァ(Ava)という女性。人間そっくりの美しい女性で、完全にケレブ君の好みです。
個人的にはこの「人工知能を作ったのが巨大サーチエンジン企業の CEO」という設定がすごく面白いと思いました。企業の名前は『Blue Book』というのですが、もはや Google や Facebook を想起させて仕方ありません。
その CEO が巨大サーチエンジンで巨万の富を築き、そこから何を目指すのかと思えば、「インターネットを通じて集めた人間に関するありとあらゆる情報」を駆使して人工知能を作ることにはまっているというのだから驚きです。
下の映像で『Blue Book』の CEO が語る以下のセリフがけっこう衝撃的でした。
My competitors thought that search engines were a map of what people were thinking, but actually they were a map of how people were thinking.
(競合相手は、検索エンジンは人々が何を考えているかを示す地図だと思っていたが、実は “どう” 考えているかを示す地図だった。)
とんでもない天才だったアラン・チューリングさんがこの世にコンピュータを生み出したように、高度な人工知能もまたとんでもない天才の手によって生まれるのは時間の問題かもしれません。
でも私は、成熟した検索エンジンがそこに行き着くと考えたことがなかったので、Google や Facebook のしていることがだんだん恐ろしく感じられてきてしまいました。
アレックス・ガーランド初監督作品
監督のアレックス・ガーランドさんは、『ビーチ(The Beach)』などのベストセラーを生み出したイギリスの作家。
『28日後…(28 Days Later… )』(2002)や『わたしを離さないで(Never Let Me Go)』(2010)の脚本を手がけていることでも知られていますが、監督するのはこれが初めて。映画を観ると、あまりに世界観が明確で、他人に任せず自らメガホンを取った理由がすごくよくわかります。
ちなみに『Blue Book』は、実際にサイトも開設されています。
Sign up for early access to @searchbluebook – http://t.co/kJVx5x4LhM #ExMachina
https://t.co/zN92jsn3u9
— Ex Machina (@ExMachinaMovie) April 21, 2015
しかも、エヴァのウェブ版も発見。
Ava is ready to meet you. #MeetAva #ExMachina http://t.co/jpTiPyuHa3 pic.twitter.com/4TJTiyTe42
— Ex Machina (@ExMachinaMovie) April 8, 2015
細かいところまで実に手が込んでいます!
個人的に今年一番の予感
今日はアメリカは Earth Day。実は私がジェガーさんに出逢ったのはこの Earth Day だったりします。お祝いに、シアトルに最近できた居酒屋でラーメン食べてきました。はい、2人ともラーメン大好きです。
ツカウエイゴさんの投稿 2015年4月22日水曜日