「両替お断り」は英語で何と言う?

少し前に、Twitter で以下のリンクを教えていただきました。「両替お断り」の誤訳が集められていて、面白いです。

ネイティブは何と言う?

では「両替お断り」をネイティブは普通何と言うかというと、”We do not make change.” と言います。

日本在住のある外国人は、家の近くのコンビニのレジに”WE CANNOT CHANGE.”と書いてあるのを見て笑ってしまったそうです。 お店は「小銭への両替はお断りします」と言いたいのですが、ネイティブにとってこの英文は「私たちは変われません」という意味に取れるそうです。
「変われない」って、すごい頑固な人みたいですね(笑)

上記の英文の何が問題かというと、CHANGEの後にお金という目的語がないことです。ただし、”WE CANNOT CHANGE MONEY.”としたのでは、小銭への両替でなくて外貨両替のようなニュアンスが出てしまうそうです。うーん、難しいですね。小銭への両替を断りたい場合の正しい英語は”WE DO NOT MAKE CHANGE.”。両替が100%不可能というわけではなくて断りたいということなので、CANNOTの代わりにDO NOTを用い、CHANGEは「小銭」という名詞で使っています。

え!?これも和製英語?

実は Twitter で教えていただいた『Street English: 「両替お断り」コレクション』の記事にも “We do not make change, sorry.” の例があり、そこには以下のような解説文がありました。

to make changeの意味はおつりを渡すことなので、外国から来た人の目からみると、このお知らせは「おつりはでません」という意味です。いわゆる、ぴったりした金額を渡さないと、お客さんが損することになります。

changeという言葉は使いかたが多くて、場合によって釣銭、両替銭や小銭まででも意味がします。日本語を勉強している外国人はよく間違えることですが、両替してもらいたいときに「おつりください」といってしまいます。何もお買い物していないのにおつりはあげられないと、店員が困ります。この間違えの原因は英語の場合「釣銭」も「両替銭」もchangeなので、changeとして「おつり」と勉強してきた人は両替銭のことも「おつり」だと勝手に思ってしまうからです。和英役の場合、changeの意味がたくさんあるため、changeのまわりの言葉に気をつけないと別の意味になることがあります。

英語で「両替お願いします」というのは”Can I have change for this?”などと言いますが、写真のmake changeはまた別の意味(おつりを出すこと)なので両替の意味にはなりません。

Street English: 「両替お断り」コレクション

しかし “change” には「釣銭」という意味も「両替銭」という意味も両方あるので、”We do not make change.” は本当は “正解”。逆に、こういう時に「お釣りは出しません」と言う場合は、”We do not give change.” という方が自然です。

change | Macmillan Dictionary

1. the money that you get back when you have paid for something with more money than it costs
2. money in the form of coins, not paper money
3. coins or paper money that you give in exchange for the same amount of money in a larger unit

(1. はいわゆる「お釣り」の意味、2. は「小銭」の意味、そして 3. は「両替」の意味ですね!「20ドル両替してくれませんか?」は “Can you make change for $20?” と言ったりします。)

change | Macmillan Dictionary

日本人的には「お釣り」も「両替銭」も両方 “change” なのはちょっとややこしい気もしますが、Twitter 経由でコメントをいただいたおかげで、私もすごく良い勉強になりました。この場をお借りして改めてお礼申し上げます!


気になることや質問があれば、お気軽にメールTwitterFacebook でコメントください。興味深いものはぜひブログでも取り上げたいと思います!– Riho

こちらもどうぞ