マララ・ユスフザイさんの国連演説に関するニュースで耳にした「commemorate」の意味とは?

パキスタンの女性人権活動家であるマララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さんが、国際連合(@UN)で今月12日、世界中から集まった若者リーダー500人を前に力強い演説を行いました。

Flag of the United Nations

その直前に Newsy の以下の映像を観ていたところ、

Malala Yousafzai, the Pakistani girl shot by the Taliban last year for championing women’s education rights, is set to commemorate her 16th birthday by speaking before the United Nations.

という箇所が気になりました。

ポイント

“commemorate” は「記念する」という意味です。式典のスピーチなどでもよく耳にします。

commemorate | Macmillan Dictionary

commemorate: to show that you remember an important person or event by having a special ceremony, or by creating a special object

(特別式典を催したり、記念品を造ったりすることによって、大切な人や出来事を忘れない意思を示すという意味なんですね!)

「昨年女性の教育権利を主張してタリバンに撃たれたパキスタン出身のマララ・ユスフザイさんが、16歳の誕生日を記念して国連でスピーチを行います」とナレーターは言っていたのでした。

補足

というわけでこの日はマララさんの16歳の誕生日だったのですが、16歳になったばかりとは思えないほど貫録に満ちたスピーチで、私はまるで歴史的瞬間に立ち会っているような気持ちになりました。

マララさんはパキスタンの北部にあるスワート(Swat)地区の生まれで、もともとは医者を目指していました。ところがイスラム保守勢力が拡大し、スワート地区はイスラム過激派組織パキスタン・タリバン運動(TPP)の実効支配下に置かれるように。女性の教育・就労権を否定して学校の爆破などを繰り返すタリバンの行動に対し、マララさんは2009年に匿名でブログ記事を掲載し、女性が教育を受ける権利を主張します。

その後マララさんは欧米メディアで紹介され、賞なども受賞して一躍注目を集めますが、同時にタリバンにも狙われるように。そして昨年10月、通学バスでの下校中にタリバンに額を撃たれるという悲劇に見舞われました。

一時は命の心配もありましたが、奇跡的な回復を遂げ、現在はイギリスで療養しながら教育を受けています。

以下、2009年に制作されたマララさんの短編ドキュメンタリー作品『Class Dismissed: The Death of Female Education』を発見しました。マララさんの故郷であるスワート地区の様子がよくわかります。(※注意:残虐なシーンも含まれているので、気になる方は閲覧しないことをおすすめします。)

この映像でマララさんが最初 “I want to become a doctor. It’s my own dream but my father told me that you have to become a politician. But I don’t like politics.(私は医者になりたい。それが私自身の夢です。でも、お父さんは私は政治家になるべきだと言います。私は政治は好きじゃないのに。)”(12:12)と言っていたのに対し、後半でその考えを改めているところがとても印象的でした。

最初のニュース映像によると、世界で教育を受けていない子どもの数はおよそ5700万人。15歳〜24歳で読み書きできない人はおよそ120万人だそうです。

マララさんはこの秋に初の著作『I Am Malala: The Girl Who Wanted to Go to School』を出版する予定。発売されたら、私も絶対読みたいと思っています。
I Am Malala: The Girl Who Stood Up for Education and Was Shot by the Taliban