「これです」ではない「This is it.」の意味とは?

今シーズンもプレーオフ進出を果たしたシアトルのアメフト・チーム『シアトル・シーホークス(@seahawks)』。先週は準決勝進出をかけた試合を友人宅で観戦していたのですが、見事に快勝し、2年連続スーパーボウル(Super Bowl)進出への希望が見えてきました。

そういえば、昨年のスーパーボウルの試合も同じ友人宅で観戦したな〜と思っていると、試合前にみんなが “This is it!” と言っていたのを思い出しました。

ポイント

“This is it.” は、日本人にとってはややニュアンスの理解が難しいところでもありますが、『英語 with Luke』のルークさんがネイティブ視点でわかりやすく説明されていたので引用します。

基本的に「this is it」には二つの意味があります。それは、毎日ネイティブが耳にする「which is it?」という質問の答えです。そして、自分や自分の友達を励ます時に使う意味もあります。まず、ネイティブが毎日使う「this is it」の意味に焦点を合わせましょう。それは日本語に訳すと単に「これですよ。」という意味です。物を指差している時に、ネイティブはこのフレーズをよく使います。

二番目の意味は「まさにこれ」、「さあ、いよいよだ」や「これはチャンスだ」です。つまり、誰かが最後の戦いや最後のチャレンジに立ち向かう時にこのフレーズはぴったりです。「Here we go!」という英語のフレーズとは色々な共通点があるのです。

via this is it はどういう意味でしょうか? ネイティブが説明します。 | 英語 with Luke

スーパーボウルにおいても、それさえ勝てば優勝なわけで、”This is it.” を使うのにふさわしい場面と言えると思います。実際、”This is it.” と言う人たちの語気はかなり強かったです。

このニュアンスを知っていると、マイケル・ジャクソン(@michaeljackson)さんの映画のタイトル『マイケル・ジャクソン THIS IS IT(Michael Jackson’s This Is It)』(2009)も、すごく腑に落ちます。

補足

先日ジェガーさんと観た映画『フォックスキャッチャーFoxcatcher)』(2月14日日本公開予定)の予告でも、主人公が兄に向かって力強く “This is it.”(0:48)と言っていました。

このセリフのくだりは、日本語の字幕では「これは大チャンスだ」に翻訳されていました。

『フォックスキャッチャー』は、1984年のロサンゼルス・オリンピックで金メダリストとなったレスリング選手のマーク・シュルツ(@MarkSchultzy)さんと、その兄で同じくレスリング金メダリストのデイヴ・シュルツ(Dave Schultz)さんに起こった悲劇を描く、実話を元にした映画です。

悲劇は、ある一本の電話から始まります。電話をかけてきたのは、「デュポン財閥」の御曹司、ジョン・デュポン(John du Pont)でした。

デュポン財閥とは

デュポン社は世界第三位の化学会社で、世界90ヶ国に70,000人の従業員を持つ。アメリカではロックフェラー、メロンに並ぶ三大財閥として知られている。1799年にフランス革命を避けフランスからアメリカに移住したエルテール・イレネ・デュポンが火薬工場としてデュポン社を設立。高品質、徹底した安全管理によって事業は成功し、南北戦争によってデュポン社は巨大な富を得た。第一次世界大戦、第二次世界大戦でも火薬を供給し、20世紀には化学会社に進出。合成ゴムや合成繊維など数々の新素材を開発。調理器具に使われるテフロンもデュポン社の商標である。

via フォックスキャッチャー

映画のタイトルである “フォックスキャッチャー” は、このジョン・デュポンが結成したレスリング・チーム。そこに加わって次のソウル・オリンピック制覇を目指さないかと持ちかけられたマークさんは、破格の年棒を提示され、まさに “This is it.” と思うわけです。ところがそこから、少しずつ歯車が狂っていきます。

監督は、『カポーティ(Capote)』(2005)や『マネーボール(Moneyball)』(2011)を手がけたベネット・ミラー(Bennett Miller)さん。監督自身、もともとレスリングをしていて、州チャンピオンでもあったそうです。以下の Variety 誌のインタビューで語ってはりますが、マークの兄デイヴを演じたマーク・ラファロ(@markruffalo)さんもかつてレスリングをされていたとか。道理で、やたらレスリングの動きがしなやかだったわけです。

『フォックスキャッチャー』は、第67回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で監督賞(Award for Best Director)を受賞。アカデミー賞のノミネートも有望視されています。個人的には、コメディアン俳優としての活動が目立っていたスティーヴ・カレル(@stevecarell)さんのコメディ要素ゼロの演技に鳥肌が立ったので、アカデミー賞主演俳優賞にぜひノミネートしていただきたいです。

一方、この作品に関してはちょっとした問題もありました。本物のマーク・シュルツさんが、Twitter でこの作品に物申したのです。

どうやら、マークさんとジョン・デュポンの間に性的関係があったのではないかと解釈した映画レビューに傷つき、そのような誤解を招く描写をしたミラー監督に立腹した様子。

多くのツイートは現在削除されていますが、以下のリンクから詳細と共に見られます。相当怒ってはります。

マークさんは11月に『Foxcatcher: The True Story of My Brother’s Murder, John du Pont’s Madness, and the Quest for Olympic Gold』という本を出版していますが、この本は映画とは直接関係ありません。

マークさんも、「真相を知りたかったから本を読むように」と自著を推してはります。

その後マークさんは Facebook で怒りのツイートについて反省する姿勢を見せるものの、考えに変わりはないことを改めて明言。

個人的には、どのシーンなのか全く心当たりがありません・・・!

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