マニアックで笑えるグルメ映画『イタリアは呼んでいる』
2014年にアメリカで劇場公開された映画で観て良かった作品の一つ『イタリアは呼んでいる 』。
イギリスの人気コメディアンのスティーヴ・クーガンさんとロブ・ブライドンさんが、男二人で旅行に行き、ただひたすら美味しいものを食べ歩きながら、ひたすら話し続けるというコンセプトの映画です。
『The Trip』(2010)の続編
本作は2010年の『スティーブとロブのグルメトリップ(字幕版) 』の続編で、その時はイギリス各地の一流レストランを回ってはりました。
イギリスのコメディは斬新な切り口のものが多いので私は大好きなのですが、これもその期待を裏切りません。この映画の目新しいところは、コメディでありながらレストラン・ガイドでもあるところ。
2人が訪れるレストランは国内での注目が高まっている店ばかりで、イギリス料理に対するイメージをいろいろと覆してくれます。私が一番行ってみたいと思ったところは2人が3軒目に訪れる『Holbeck Ghyll Country House Hotel』。
19世紀に建てられた建物の雰囲気が趣深いだけでなく、ミシュラン一つ星を獲得した料理も美味しそう。イギリス人の詩人サミュエル・テイラー・コールリッジ(Samuel Taylor Coleridge)も一時期住んでいたそうで、書斎なども残っています。
【2人が訪れたレストラン一覧(全6軒)はこちら】
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Trip_(2010_TV_series)もともと本国イギリスで6回に分けてテレビで放映されていたシリーズを1本の映画にまとめたものなので、食事のシーンはややしつこく感じる部分もありますが、宿泊部屋や移動中などに映る風景もとても素敵で、これはぜひ映画と同じルートで2人が巡ったところを回ってみたい・・・!と思わずにはいられません。
イギリスの文化やエンタメ事情がわかっていないと理解できない部分も多いので、私はもちろん、ジェガーさんも時々笑いが理解しにくいところがあったようですが、スティーヴ・クーガンさんとロブ・ブライドンさんの2人が実際そこまで仲良くないという設定がまた絶妙で(予告参照)、当たり障りのないくだらない会話が延々と続く部分は、イギリスらしいユーモアセンスが光っていて私はめちゃくちゃツボでした。
しょうもない会話もパワーアップ
今回、『イタリアが呼んでいる』ということで、2人が攻めるのはイタリア。北部にあるピエモンテ州を出発し、5泊6日してカプリまで南下していくというコースです。彼らの旅程と、各レストラン詳細は、日本語の公式ページで紹介されています。
『イタリアは呼んでいる』公式サイト 5月1日(金)Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー!
相変わらずの美味しそうな料理と、相変わらずのしょうもない会話の組み合わせが、今回も本当にツボです。彼らの「しょうもない会話」の大半は “impersonation” で占められるのですが、前作よりその数も増えていて、大笑い。特に以下の『ダークナイト ライジング 』(2012)のくだりは、ジェガーさんバカ受けでした。
なにしろ本人たちが本人を演じているので、まるでドキュメンタリー映画のようで、仕事やキャリアの悩みを含めた二人の人間らしさが滲み出ているのもこの映画の好きなところです。
次はぜひ日本で、とびきりの美味しい料理を堪能しながらアホな会話してくれへんかな〜