先日一時帰国した帰り、機内で邦画『白ゆき姫殺人事件(The Snow White Murder Case)』(2014・米国未公開)を観ることができました。
湊かなえ原作
この映画は、OL 殺人事件をベースに、ネット炎上やゴシップ、メディアの加熱報道などが複雑に絡み合ったサスペンスです。
さまざまな人々の証言を元に進んでいく展開が、なんだか小説『告白』に似てると思ったら、なんと『白ゆき姫殺人事件』の原作者も同じ、湊かなえさんでした!
映画と原作の違い
Kindle 版が出ているので、アメリカに戻ってきてからさっそく原作を読んでいるのですが、原作では赤星雄治はワイドショーのディレクターではなく週刊誌の記者という設定に。確かに本だったら「週刊誌」の方が、映画だったら「ワイドショー」の方が合いそうです。本も映画もメディアの体裁がリアルで、ネットが炎上していく様子もすごく現実味があります。
湊さんはこの本を執筆したきっかけについて以下のように語っています。
なんと映画『告白』のヒットによって注目されたことが原点だったんですね〜
そこから殺人事件を連想し、事件をネット炎上させる燃料として女性特有の嫉妬感情に目を付けていらっしゃるところが、湊さん恐れ入ります。
媒体も使い分けられていた
しかも、原作は前半が人々の証言、後半が SNS や週刊誌の記事という構成になっているのですが、それぞれ紙媒体とウェブ媒体で別々に連載されていたものだったそう。斬新で面白すぎます。
個人的には、自分が日常的に SNS で発信しないタイプなので「日常的に発信する人は一体どんな感じで SNS を使ってるんやろう」と前から気になっていたのですが、映画を観ていると赤星雄治は思考回路と SNS が完全にリンクしていて、考えたことがそのまま指先から SNS にアウトプットされていたのでびっくりでした。友人に LINE を送る時ですら考え込んで文字を打つ私には、到底ついていけないスピードです。そうか、こうなっていたのか・・・
先ほどの集英社のインタビューによると、湊かなえさんは普段 Twitter やブログは見ないそうですが、それでこの洞察力には本当参ります。
でもって、女の世界は本当、怖いです・・・
この映画も大好き