コンピュータの生みの親を描いた映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』



先日、ベネディクト・カンバーバッチさん主演映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』で、ついに私もカンバーバッチさんデビューを果たしました。

コンピュータの原点

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツが使用していた「エニグマ(enigma)」と呼ばれる暗号を解読する使命を与えられたイギリスの数学者、アラン・チューニング氏の物語です。原作は、1983年に出版されたアンドリュー・ホッジス著の伝記『Alan Turing: The Enigma: The Book That Inspired the Film The Imitation Game』。

この「エニグマ」は、毎日コードの組み合わせが変わる仕組みになっていて、その日のうちに解読できなければまた一からやり直しということになります。イギリス政府は国内トップの頭脳を持つ学者たちを集めてこの暗号の解読に挑みますが、ほぼ解読は不可能な状態でした。

そこでアラン・チューニングさんが考えたのが、「暗号を解読する機械を発明する」こと。誰にも理解されないまま一人黙々と開発に取り組み、さまざまな反対を押し切ってついにバカでかい機械を作ります。

それが、いわゆる「コンピュータ」の原点と言われています。

アラン・チューリングの素顔

アラン・チューニングさんは天才的頭脳を持つ一方、言葉によるコミュニケーションが不得手で、他人の言葉の裏の意味が読み取れなかったり、率直な物言いをして人を無意識に傷つけてしまったりといったことが頻繁に起こります。現代では「アスペルガー症候群(Asperger syndrome)」だったのではないかと言われています。

また、チューニングさんは開発した機械に「クリストファー(Christopher)」という名前をつけるのですが、その名前は思春期の頃に好きだった男の子の名前から取られています。同性愛が国内でまだ違法だった時代に、彼は同性愛者でもありました。

これだけの複雑な人間性を併せ持つチューニングさんを演じるカンバーバッチさんの演技の、めちゃくちゃ素晴らしいこと。カンバーバッチさんの噂はかねがね耳にしていましたが、シャーロック・ホームズやスティーブン・ホーキング博士など、常軌を逸した才能にあふれる人物の演技で高い評価を得続けるカンバーバッチさんは、もはや「天才」を演じる「天才」なのではないでしょうか。

“enigma” の意味

ちなみに「エニグマ」について、ジェガーさんに “enigma” ってどういう意味なん?と聞いたところ、「謎っていう意味やで」という答えが返ってきました。

enigma: someone or something that is mysterious and difficult to understand

(謎めいていて理解しがたい人物または物事、という意味なんですね。)

enigma | Macmillan Dictionary

そこまでは良かったのですが、ジェガーさんはさらに続けます。

「バットマンに出てくるリドラー(The Riddler)っているやろ」
「うん」
「リドラーの本名って、エドワード・ニグマ(Edward Nigma)やから」
「エドワード・ニグマ・・・エニグマ!」

バットマン・・・勉強になります。