行列で目にした “on standby” の意味とは?
現在私のいるシアトルでは、毎年恒例のシアトル国際映画祭(Seattle International Film Festival)が開催中です。
毎年、上映作品が発表されるやいなやパンフレットを入手し、入念に観たい作品をチェックする私たち。今年はなんと、2人とも最も観たいと思った作品が同じでした。それは、リチャード・リンクレーター監督最新作『6才のボクが、大人になるまで。』。
リンクレーター監督が、2002年から12年間にわたって、ある一人の少年の成長を追った作品です。
普通、これだけ長い期間を描く映画の場合、数ヶ月の撮影期間内にティーンの俳優と子役を使うのが一般的。が、リンクレーターさんはなんと、同じ俳優で撮影しているのです。主人公の少年は撮影開始当初6歳だったのが、撮影終了時には18歳に成長。両親役のイーサン・ホークさんとパトリシア・アークエットさんももちろん、少年と同じように12年分年を重ねています。映画の撮影手法の限界に挑んだこの作品、映画好きなら観ないわけにはいきません。
でも、映画好きはみんなそう思ったらしく、アクシデントが発生しました。映画上映開始時間の午後8時の30分前に行ったところ、『This Film On Standby』と表記された看板が出ていたのです。
“on standby” は「待機中の」という意味です。
というわけで空席待ちの列に並んだところ、なんと空席待ち43番目でした。絶望的です。
近くにいた係員に「早い人って何時に来てはったんですか?」と聞くと、一番早い人で上映開始2時間前に来ていたとのこと。私たちもけっこう映画好きなつもりでいますが、その人たちに限っては「どんなけ映画好きやねん」と突っ込まずにはいられません。
というわけで、真の映画好きに駆逐されて映画館に入れず、ジェガーさんととぼとぼ帰ってきたのですが、帰った後に調べてみたら、この映画7月11日に一般公開予定だそうです。
もう、普通に映画館で観ようと思います。