映画『アナと雪の女王』の設定を覆した名曲『Let It Go』

先日、ついに観た映画『アナと雪の女王』。

日本でも大ブームになった作品なので、今更ストーリーを書くまでもありませんが、もともとはアンデルセン童話の『雪の女王』が元になっています。

しかし、『アナと雪の女王』のストーリーは、原作とは大きく異なっています。

ストーリーそのものを変えた曲

今回、ディズニー映画として製作される上でも、「雪の女王」は “悪役” となる予定だったみたいですが、その設定を大幅に変えるきっかけとなったのが、例の曲でした。

下の映像によると、『Let It Go』を作曲した2人は、当初はストーリーに従って悪役にふさわしい曲を作ろうと思っていたそうです。

でも、最初に生まれた曲の出だしのメロディを聴くうちに、”Let it go” というサビ(hook)を思いつき、エルサが自分自身の束縛から解放される歌が完成。それは、ストーリーを大幅に書き換えさせるほどのインパクトでした。

日本語訳に込められた思い

映画の中でもこの歌はかなりの存在感を発揮していて、映画だけでなく曲そのものも世界中で大ヒット。日本語訳のクオリティの高さも話題になりました。

劇中の全ての歌の翻訳を手掛けた高橋 知伽江(たかはし ちかえ)さんは、以下のように語っています。

この歌はエルサの心の変化がつづられ、全体がドラマになっています。それを的確に表現できるように気を付けました。何といっても、たびたび顔がアップになるので、口の動きに合わせねばならないところが多く、相当大変でした。

日本語で「ありのままの」と歌っている部分は、英語では「Let It Go, Let It Go」です。メロディを大事にすれば、日本語の音は6つしか入りません。しかも、口の形がアップになるので、3つ目と6つ目の音の母音は「お」に限定されます。この制約の中で原語が伝えたいメッセージをどう伝えるか、ディレクターと何度も何度もメールをやりとりして試行錯誤しました。その結果が「ありのままの」なのです。自分を押し殺して生きてきたエルサが、はじめて「ありのままの」自分を受け入れようと決意するフレーズ。美しくて力強いと思います。

本年度アカデミー賞W受賞映画『アナと雪の女王』の歌詞翻訳者、高橋 知伽江さんが語る見どころ | 語学力アップブログ | アルク

この『Let It Go』には25カ国の翻訳歌詞をつなげた多言語バージョンの映像もあるのですが、日本語はばっちりサビ部分で「ありの〜ままの〜」が使われていました。

ちなみに、歌とは関係ないですが、各国とも歌っている人が美人揃いでびっくりです。天はニ物を与えすぎです!