「悔しい」は英語で何と言う?
国際結婚で日本にお住まいの方から、こんなメールをいただきました。
先日、テレビで何かのレースの番組を見ていました。そのレース後、負けた人が「悔しい」と言ったんですね。
で主人が私に「あの人なんて言ったの?」と私に聞いたのですが、答えに詰まってしまいました。「悔しい」って他の形容詞同様によく使う言葉だと思うんですが、なんだかしっくりくる言葉がなくありませんか?
悲しいならsad、嬉しいならhappy、面白いならfunnyとかそれぞれピッタリな一語があるのに、ネイティブの人たちは何て言ってるの?と不思議に思いまして…。frustratedとかregretとかenvyとかその場面に応じて、悔しい気持ちの内容や理由を説明することはできるかと思うんですが、何だかまどろっこしい感じですっきりしません。
「悔しい」という日本語は実は複雑で、主に2通りの意味で使われています。
1 物事が思うとおりにならなかったり、はずかしめを受けたりして、あきらめがつかず、腹立たしい気持ちだ。残念でたまらない。
2. 後悔される。くやまれる。
そして英語には、残念ながらこの2つの意味を両方カバーする英単語はないようです。
先日のブラジル・ワールドカップでアメリカが対戦相手のポルトガルにロスタイムで1点を決められ、試合終了約30秒前に2−2の同点になるという “事件” が発生した時も、主に2種類の表現を耳にしました!
諦めがつかない時の「悔しい」
諦めがつかない場合は “frustrating” などの単語がよく使われるようです。
It was really frustrating.(1:09)
(本当に悔しかったですね。)
無念な場合の「悔しい」
一方、無念な場合は、”heartbreaking” などの表現を耳にします。
You know, it was such a heart-breaker.(0:12)
(悔やんでも悔やみきれませんよね。)
また、かつて日本の『SASUKE』という番組がアメリカで『American Ninja Warrior』というタイトルで放送されていた時は、ザブングルの加藤さんのギャグ「悔しいです!」の字幕が “I’m disappointed.” になっていました!この場合も、どちらかというと無念に近いです。
先日、テレビを見ていたジェガーさんが ”Baby, ninja, ninja!” と騒ぎ立て始めました。気になるのでテレビを見に行ってみると、なんと放送されていたのは日本でも人気がある TBS の『SASUKE』。ただし、タイトルが変わっていて、英語でのタイトルは『Ninja Warrior』になっています。
基本的に日本の番組をそのまま放送していて、英語で字幕が出るようになっているのですが、ちょうど登場した小島よしおさんがお決まりのギャグを始めると、「そんなの関係ねぇ、そんなの関係ねぇ」の下に “Who cares? Who cares?”、「はい、おっぱっぴー」の下に “I’m fine!” と字幕が出て、「そうか、あのギャグは英語やとこうなるのか・・・!」とちょっと感動。一方、ジェガーさんは目が点になっていました。
その後ザブングルの加藤さんも登場したのですが、「かっちかちやぞ!かっちかちやぞ!」が ”They are HARD!” となっていて、HARD が全部大文字になって強調されています。さらに失敗した後、こちらもお決まりの「悔しいです!」を披露すると、それは “I’m disappointed.” となっていました。ジェガーさんは「この人めっちゃすごい顔になってんで!」と本気で心配していました。
ちなみにジェガーさんと私もこの試合を観戦していたのですが、ジェガーさんはポルトガルの同点ゴールが決まった瞬間、衝撃的すぎて「悔しい」気持ちを超えたようで、ただただ硬直していました!