イディオムにもなっている!?アメリカの飲み物「Kool-Aid」とは?

Kool-Aid』という飲み物、ご存知でしょうか?

ザ・アメリカンな粉末ジュース

私は先日これをもらって初めて知ったのですが、アメリカに昔からある粉末ジュースだそうです。なんと創業1927年。粉末ジュースに砂糖と水を加えて飲むというスタイルは、日本だとカルピス的な存在に近そうです。

さっそくどっちも作ってみました。すごい色です。

味は・・・どちらも「おいしくなくはない」という感じ。「おいしいか」と聞かれたら「おいしくない」んですが、「おいしくないか」と聞かれたら「おいしくなくはない」です。ジュースとゼリーやったら、ゼリーの方が私は好きかもしれません。屋台のかき氷のシロップの味に近いかも?

アメリカ文化に溶け込む Koo-Aid

この Kool-Aid、”Kool-Aid Man” というキャラクターがいるんですが、このキャラがまた相当ポジティブで、口癖は “Oh yeah!”。CM でも “Oh yeah!” 全開です。

アニメ『ファミリー・ガイ』でもネタになっています。

歴史の深い “Kool-Aid”

しかもなんと、”drink the Kool-Aid” というイディオムもあるそう。

The term “drink the Kool-Aid” is used to describe blind acceptance of something, whether it be a high stress work environment, an order from a superior, or membership in a particular group. This term is commonly used in American politics and corporate culture, typically by outside commentators, who might say that someone is “drinking the Kool-Aid.” People will also tell each other not to drink the Kool-Aid, in the hopes of encouraging people to open their eyes to a situation before it is too late.

(”drink the Kool-Aid” は、高ストレスの職場環境や、特定のグループ内での上から及びメンバーからの指示を盲目的に受け入れる様子に対して使われる。一般的にアメリカの政治や社内文化に対して、外部から「(someone is)”drinking the Kool-Aid.”」と言う言い方をする。また、状況が手遅れにならないうちに目を覚ますよう、相手に対して “Don’t drink the Kool-Aid.” という言い方もする。)

What does It Mean to “Drink the Kool-Aid”? (with pictures)

なぜ “Kool-Aid” を飲むことがこんなイディオムになっているのかというと、その背後にはとある事件が隠れていました。

60年代、ジム・ジョーンズ(Jim Jones)というインディアナ州出身の男が、人民寺院(People’s Temple)という宗教団体をカリフォルニアに作りました。彼は巧みな説教者、予言者、そして心霊療法士でした。たちまち団体は大きく成長し、信者も千人を超え、膨大な献金を集めるようになり、その後、拠点を南米、ガーナに移し、ジョーンズタウンというコミューンを作りました。はじめ、人種差別のない農業中心の生活を目指していましたが、しかし、教祖ジムは、ドラッグに明け暮れるようになり、信者たちは灼熱のなか次々に病に倒れ、しだいにコミューンも腐敗していきました。次第にジムは、終末的妄想を抱くようになり、revolutionary suicideという考えをついに打ち出すようになりました。

revolutionary suicideとは、この世の命を絶つことで永遠の至福を得るという考えで、すでに洗脳された哀れな信者たちは、集団自殺を余儀なくされました。集団自殺で用いられたのがこのクールエイド(グレープ味)で、ドリンクのなかには青酸カリが盛られており、913人の信者たちはそれを同時に飲み干しました。

クールエイド、“Don’t drink the kool-aid”|ひろ・ドラージのアメリカ小噺

それでもめげない Kool-Aid。今もいろんな商品を打ち出してがんばっています。

歴史の深い Kool-Aid。「おいしくなくはない」ので、ぜひ試しに一度作ってみてください。あっちなみに、着色料で舌が真っ赤になるので、ご注意を!