ジェガーさんが BBC ラジオに出演しました

今年の5月に突然ひどい腹痛で ER へ運ばれ、そこでいきなり大腸ガン(colon cancer)と診断された夫ジェガーさん。診断が下された48時間後に緊急手術を受け、現在も回復中ですが、そんなジェガーさんがフリーライターとして自らの体験を書いた記事『My Game of Life』が反響を呼び、なんと英 BBC 局から取材依頼が舞い込んできました。

テクノロジーが人間の精神に与える影響を考察

今回ジェガーさんが取り上げられたのは、BBC ラジオの『Digital Human』という特集。現在8シリーズ放送されていて、ジェガーさんの回はタイトルが『Mind』となっていました。テクノロジーが人間の精神にどのような影響を与えているか、または与え得るかについて、さまざまな観点から考察するという内容です。

まず取り上げられていたのは、『Thync』というウェアラブル・デバイス。超音波や微量な電流によって装着者の気分や集中力を改善するというもので、携帯のアプリと連動して使う仕組みになっています。

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こういうデバイスが登場していること自体驚きですが、パーソナリティは「これは何も目新しい概念ではなく、私たちは日常的にこうした調整を自分で行っています」と続けます。

その例としてまず挙げられているのが、音楽。ノルウェー国立音楽大学の助教授は、「私たちは選択する音楽によって自らの気分を理解し、また選択する音楽によって自らの気分を変化させることができる」と語っています。

続いて紹介されたのは、ゲーム。ここでジェガーさんが登場し、癌と診断された後に「転移の可能性もある」と言われて診断結果を待っていた間、極度の心理状態においてゲームに集中することが救いになった経験について語りました。

多かれ少なかれ人はテクノロジーから精神的に影響を受けている

番組では他にも、直接対面せずにオンラインでセラピーを提供するセラピスト、若者が Spotify 上でプレイリストを共有することを通して打ち明けにくい恋愛の悩みなどについて語るオンラインサイト『Madly in Love』、Instagram で食べたものをアップしていくことで拒食症と向き合っている女の子などが紹介され、さまざまな側面からテクノロジーが人の精神に与える影響について語られていました。

一般的にはまだまだテクノロジーが懐疑的に捉えられる部分は多いかもしれませんし、ジェガーさんにとってのゲームも、人によっては理解できなかったりするかもしれません。Instagram の女の子も、医者には Instagram の利用を好ましく受け止めてもらえなかったそうです。

でも、言ってみれば、私にとってのブログもテクノロジーを通した自己学習であり、私もまたテクノロジーによって精神的に影響を受けている一人であるわけで、これらの例は私にはとてもすんなり納得できました。

BBC のこの『Digital Human』という特集、切り口がとても面白くて興味深いです。番組は以下のリンクから全編聴けて、MP3 もダウンロード可能です。

取材の裏側

ちなみに取材は Skype で行われたのですが、音質のクオリティを確保するため、自宅に音声さんが来て本格的に録音されました。

BBC Radio recording

取材に当たったプロデューサー自身、数年前に癌と診断されてジェガーさんと似たような精神状態に陥っていたそうで、ジェガーさんの話にとても共感していたのが印象深かったです。ジェガーさんは過去にもシアトルのラジオ番組に出演したことがありますが、BBC の遠隔取材もめちゃ貴重な経験になりました。

テクノロジーは人間だけでなく、メディアにも確実に影響を与えていると思います。