印象派画家たちの個人的な作品を集めた『Intimate Impressionism from the National Gallery of Art』

地元のシアトル美術館(Seattle Art Museum)で面白いコンセプトの印象派展『Intimate Impressionism from the National Gallery of Art(ナショナル・ギャラリー・オブ・アートの個人的な印象派展)』が開催されていたので、さっそく行ってきました。

「個人的な経験」の共有

“Intimate” という部分が特に興味をひきますが、公式サイトによると、実は今の時代を意識してキュレーションされたよう。

The insider nature of the exhibition makes it immediately relevant to audiences today: as the artists featured their firsthand experiences, so too do we—and often. Using social media, we share photos of our lunch on Instagram, Facebook check-ins of vacations, group selfies, and more.

(この展覧会に潜む本質は、今の時代の観覧者にすぐ馴染みやすいです。画家たちは直接経験したことを絵の題材にしていますが、私たちも同じことを、より頻繁になっているからです。ソーシャルメディアを駆使して、私たちはランチの写真などをインスタグラムでシェアしたり、休暇のチェックイン先やグループでの自撮り画像などいろいろ Facebook に投稿したりしています。)

Intimate Impressionism – SAM – Seattle Art Museum

昔も今も、媒体こそ異なるものの、自分の体験を残しておきたいという感性は変わらないのですね〜

有名印象派画家たちの個人的な作品

私が特に気になったのは、以下の絵。マネ(Manet)の作品なんですが、なんと『Tama, the Japanese Dog』。絵の左上にも思いっきり “TAMA” と書かれています。

Intimate Impressionism 1

特に絵画の説明はありませんでしたが、バックストーリーがめちゃ気になります。

また、もう一つ気になったのは、以下のルノワール(Renoir)の作品。タイトルは『Madame Monet and Her Son』、つまり、モネ(Monet)の奥さんと息子さんが描かれている作品です。ルノワールさんとモネさんの親交深さが伺えてとても興味深いです。

Intimate Impressionism 2

美術館で観賞すると、私は何とかしてその絵画の意味を少しでも理解しなければ、とつい観賞に力が入ってしまうのですが、私たちが「この瞬間を残したい」と思うように彼らもやはり「この瞬間を残したい」という気持ちでこの絵を描いたのかなと思うと、前よりも印象派の画家たちに親しみがわいてきました。

モネも、以下のように語っています。

ナショナル・ギャラリー・オブ・アート所蔵作品

ちなみに、これらの作品がもともと所蔵されているナショナル・ギャラリー・オブ・アート(National Gallery of Art)では、現在東館が改装工事中とのこと。

その機会に作品たちがこうして全米をツアーしているわけですが、ツアー最終地となるシアトルでも人気が高く、ホリデー期間は開館時間を延長するそうです。ホリデーシーズンに美術館を訪れるのも楽しそうです!