全世界でブーム!?「アイス・バケツ・チャレンジ」とは

今話題の「アイス・バケツ・チャレンジ(Ice Bucket Challenge)」。日本でも有名人を中心に勢いよく広がっているみたいですが、私が最初にこのチャレンジを知ったのは、ビル・ゲイツさんの以下のビデオでした。

アイス・バケツ・チャレンジとは?

ビル・ゲイツさんも説明している通り、このアイス・バケツ・チャレンジというのは、誰かから指名を受けたらそのチャレンジを受けるか、あるいは100ドルを『ALS 協会(The ALS Association)』に寄付するという仕組み(両方も可)。チャレンジしたら新たに3名選び、指名された人は24時間以内にアクションを起こします。

ビル・ゲイツさんの場合は、Facebook CEO のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)さんから指名を受けました。動画の冒頭でも、ビル・ゲイツさんがザッカーバーグさんの Facebook の投稿を見ているところが確認できます。

ALS はどんな病気?

ALS(Amyotrophic Lateral Screlosis)は、アメリカでは別名ルー・ゲーリック病(Lou Gehrig’s disease)とも呼ばれていて、日本語では筋萎縮性側索硬化症という病気に当たります。

筋萎縮性側索硬化症は、身体を動かすための神経系(運動ニューロン)が変性する病気です。変性というのは、神経細胞あるいは神経細胞から出て来る神経線維が徐々に壊れていってしまう状態をいい、そうすると神経の命令が伝わらなくなって筋肉がだんだん縮み、力がなくなります。しかもALSは進行性の病気で、今のところ原因が分かっていないため、有効な治療法がほとんどない予後不良の疾患と考えられています。

日本ALS協会 – ALSという病気の概略

ALS という病気の大変さについては、今年の第86回アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞の最終候補作リストに選出された『Jujitsu-ing Reality』という映画がとてもわかりやすいです。

アイス・バケツ・チャレンジの効果

ALS の問題は「今のところ原因が分かっていないため、有効な治療法がほとんどない」というところで、現在 ALS 協会を中心に研究が進められているのですが、研究を続けるためには莫大な費用がかかります。

でもアイス・バケツ・チャレンジのおかげで、今年はすでに2013年度の10倍以上の寄付金がすでに集まっているそうです。

この企画を始めたのは ALS 患者のピート・フレーツさんという人ですが、彼は現在29歳で、2年前の2012年に ALS と診断されました。現在は歩けないどころか、話すこともままなりません。ALS 患者に氷水は危険だということで、ピートさん自身は最初氷水をかぶっていませんでしたが、アイス・バケツ・チャレンジが大ブームになったことを受け、8月15日に自分も氷水をかぶりました。

病気の認知度はかなり上がったと思うので、ソーシャルな世界においてはこのような寄付活動もまた一つの “手” なのかもしれません。

が、これだけブームになると、ともすれば「アイス・バケツ・チャレンジ」という行為だけが独り歩きしてしまう危険性もあり、もちろんやりすぎは禁物です!