『エンジニアとして世界の最前線で働く選択肢』講演会から学ぶ、アメリカ企業に就職・転職するポイント

先月末、紀伊国屋シアトル店で行われた、『エンジニアとして世界の最前線で働く選択肢 ~渡米・面接・転職・キャリアアップ・レイオフ対策までの実践ガイド』出版記念ミニ講演会・サイン会に行ってきました!

アメリカ企業に就職・転職するために

まずは、著者・竜盛博(りゅう・もりひろ)さんによる自己紹介と、本の紹介です。章が色分けされていますが、青は日本にいる人にとって役に立つ内容、黄色はアメリカにいる人にとって役に立つ内容、そして赤はエンジニアにとって役に立つ内容だそうです。

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この中でも、特別に第3章についてご本人が解説してくださいました。第3章は「アメリカ企業に就職・転職する」という内容です。カバーされているトピックは、以下の通り。これはエンジニアに限らず、他の職種においても大方当てはまる流れだと思います。

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それでは、一つ一つ見ていきたいと思います。

1. ポジション探し

ポジションを探すにあたっては、「自分の知識や経験を生かせるか」よりも、「自分のしたいことに近づくか」を重視することを竜さんはおすすめされています。特に景気が良い時は、今の会社に不満がなくても転職するチャンスがあり、良い会社というのは知識や経験のマッチングにはそれほどこだわらないそうです。もちろん基本知識は問われますが、それ以上に新しいことを学ぶ能力を見られているので、「自分が何をしたいか」を考えることが大切とのこと。

学生など、具体的にしたいことが見えない場合は、まずは次の可能性が広いところを選ぶのがおすすめだそうです。たとえばエンジニアの場合、リサーチから開発、テスト・エンジニアに移っていくのは可能でも、テスト・エンジニアから開発、リサーチへと移っていくのは難易度が高いです。最初に可能性を広げ、その後狭めていくのが良さそうです。

2. レジュメ作成

アメリカのリクルーターは、『Monster.com』『Dice.com』『LinkedIn』 などのオンライン・サービスを利用して候補者を探す際、キーワード・マッチを多用します。したがって、レジュメを作成する時は検索に引っかかるように工夫することも重要です。

応募

応募をする時は、公式サイトから応募をしてもなかなかうまくいきません。最も確率が高いのは、その会社で働く人に推薦してもらうこと。その方が人事部に届きやすく、見落とされる可能性が減ります。また、会社も社内の人間から紹介される人材を好むそうです。

一方、リクルーターを通して応募すれば、大手企業の場合など、複数のポジションを掛け持ち受験することも可能とのこと。

リクルーター “chat”

最初の選考は、リクルーターとの “チャット” から始まります。ここでは「ポジションに合っているか」が見られるので、「やりたい仕事」をはっきり言います。希望の給料を聞かれることもありますが、はっきり言うのは避けた方が良いそうです。最初に言ってしまうと、そこから上がる可能性がなくなるからです。たとえ今の給料より高めに言ったとしても、景気が良い場合は相場がもっと上がっていることもありえます。

電話面接

エンジニアの場合、電話面接でもコードを書くため、ヘッドセットとコンピュータは必須です。音質など、直接関係のないところでマイナスにならないように準備は入念に行います。

最初に技術的な質問や志望動機などのよくある質問が行われた後、コード編集サイト『Collabedit.com』などを使ってコーディングを行いますが、もしも経歴について聞かれたところで落とされたらマッチングの問題、コードで落とされたら勉強不足あるいは実力不足が疑われます

オンサイト面接

こちらも、直接関係のないところでマイナスにならないよう、準備は入念に行います。たとえば会社の受付に前日までに行っておくこと。大手企業の場合など、雰囲気に圧倒されてしまうこともあるからです。

面接では、自分も相手を面接していることを忘れてはいけません。アメリカの場合、入社した時に一緒に働く人が面接官であることが多いので、「この人と働いたらどのような感じか」をチェックすることも大切です。これは、後に複数社からオファーが来た場合にも、人の印象をもとに会社を選ぶ目安にもなります。

結果通知・条件交渉・最終決断

結果は、遅くても2週間後には知らされます。その際にフィードバックがもらえたらもらえるようにします。ダメでも、後でもう一度チャレンジすることもできます。

”復活の呪文メール” こと「お礼メール」も重要で、特に小さい会社で有効的。落とし方にもいろいろあるので、きちんとお礼メールを送っておくことで後で声がかかることもあるそうです。

合格だった場合は、すぐに飛びつくのではなく、まず仕事内容や肩書き、チームメンバーなどを確認。決定前にチームメンバーと一緒にランチを食べさせてもらうのも良い手です。

また、金銭的条件もしっかりチェック。リクルーターの目標は「できるだけ安い給料で入社させること」なので、ここでも「今の給料は?」と聞かれても「このポジションでどれくらいの金額を出せますか?」などと切り返す方が賢明です。給与交渉をしてもオファーは簡単には取り消されませんが、長引くと相手の印象が悪くなるので要注意。断る場合は、復活の呪文を忘れないように。

辞職 if applicable

アメリカでは、円満退社は日本より重要です。どこでどう人がつながっているかわからないからです。元の会社には、いつでも戻れる状態にしておくのが良いそうです。

こうしてダイジェストで振り返っただけでもかなり内容が濃いですが、これでもほんの一部の内容なので、本がいかに実践的な内容で、隅々まで網羅しているかがわかります。

注目されるプログラミング

質問では「面接で変わってきたトレンド」や「上のポジションに上がるコツ」などが聞かれていましたが、個人的には「文系がこれからプログラミングを勉強していくにあたって」で紹介されていた「プログラミング・ブートキャンプ」がとても興味深かったです。

日本でも行われているようです。

現役エンジニア講師のもとでウェブデザイン、ウェブサービス開発、アプリ開発などを幅広く学習する『Code Camp』も良さそうです。

機械学習もオンラインで学べる時代になりました。

大学などでしっかり勉強する方が就職には有利かもしれませんが、こういう道もあるんですね。

サイン本プレゼントします

講演会の後にはサイン会もあったので、私も一冊購入して竜さんにサインしていただきました!

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私はすでに Kindle 版を読んでいるので、こちらの本は1名様にプレゼントしたいと思います!

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竜さんも講演会でおっしゃっていましたが、もしも「アメリカでのキャリアが選択肢の一つになるかも」と思われたら、ぜひこの本を手に取っていただきたいです。ご興味があったらメールTwitterFacebook でお知らせください。日本時間11月7日(土)午前0時を〆切にして、希望者が1名以上いたら抽選で決めさせていただきたいと思います。

最後に余談ですが、講演会では竜さんがツカウエイゴのことも紹介してくださって、会場で「ブログ読んでいます」と話しかけてもらえたりもしました。シアトルでもブログのことを知ってくださっている人が増えてきていて、とてもうれしいです。これからはシアトルでもブロガー名刺を持ち歩こうと思います。

 

追記

 

ビデオもアップされました!

また、本をプレゼントした後、感想をシェアしていただきました。ありがとうございます!

Kindle 版はこちら