政治家がよく使う “all options are on the table” の意味とは?

8月29日、突如日本列島を飛び越えた北朝鮮の弾道ミサイル。

トランプ大統領の反応を見ていると、”all options are on the table” と言っていました。

President Trump, again warning, “all options are on the table,” but offering no specifics on how the U.S. may respond. (0:48)

 

 

“on the table” は「検討中」という意味です。

on the table: able to be considered or discussed

(検討あるいは審議することが可能、という意味なんですね。)

Table – Definition for English-Language Learners from Merriam-Webster’s Learner’s Dictionary

つまり “All options are on the table.” だと、次のような意味になります。

All options are on the table.

(あらゆる選択肢を検討中です。)

この表現、特に政治家がよく使っている印象があります。かつてオバマ大統領も同じことを言っていました!

“When I say all options are on the table, I mean it. Having said that, I know that both the prime minister and I prefer to resolve this diplomatically. We understand the costs of any military action.”

「あらゆる選択肢が検討されていると私が言うとき、私は本気です。そのうえで言うのですが、ネタニヤフ首相も私も、この件を外交的に解決することが望ましいと考えているのは確かです。私たちはどんな軍事行動であれ、その代価がどのようなものになるかを理解しています」

会談冒頭での、オバマ大統領のコメントです。
(be) on the tableは「(議論や交渉の)テーブルの上に(選択肢が)置いてある」、つまり「(案などが)検討中である」ということです。ここでは軍事攻撃を含む all options(すべての選択肢)を議論している、排除はしない、という意味になります。

eラーニング – ニュースで英会話 – NHK

上記の説明でも補足されている通り、アメリカで政治家が “all options are on the table.” と言う時は、特に「軍事攻撃も含めた全ての選択肢」と言う意味合いが強いです。

というわけで、冒頭のニュースではこのように話されていたのでした。

President Trump, again warning, “all options are on the table,” but offering no specifics on how the U.S. may respond.

(トランプ大統領は、「(軍事攻撃を含む)あらゆる選択肢を検討中」と改めて警告したものの、米国の対応に関する具体的な明言は避けました。)

 

日本のメディアはどう訳していた?

 

日本のニュースをチェックしてみると、”all options are on the table” は以下のように訳されていました。

トランプ米大統領は29日、北朝鮮が弾道ミサイル1発を発射したことへの対応について、すべての選択肢が検討対象となるとの見解を示した。

北朝鮮への対応、「すべての選択肢」検討=トランプ米大統領

でも、意外にそのまま「テーブルの上」と訳しているニュースもけっこう見かけました!

アメリカのトランプ大統領は北朝鮮が日本時間の29日、日本の上空を通過する弾道ミサイルを発射したことについて、強く非難したうえで、「すべての選択肢はテーブルの上にある」とする声明を出し、軍事的な選択肢も排除しない姿勢を強調し、北朝鮮を強くけん制しました。

トランプ大統領「すべての選択肢はテーブルに」と北朝鮮非難 | NHKニュース

「選択肢はテーブルの上」って、あまり日本語っぽくない気がするのは、私だけでしょうか。