レビューなどでよく見聞きする「highly acclaimed 」の意味とは?

今年のアカデミー賞で、男性俳優として初めて3度目のアカデミー主演男優賞を果たしたダニエル・デイ・ルイス(Daniel Day-Lewis)。


Daniel Day-Lewis won Best Actor at the 85th Academy Awards

(By Disney ABC Television Group [CC BY-ND 2.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-nd/2.0/)], via Flickr

ジェガーさんも私も、今回の『リンカーンLincoln)』(2012)と前回の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(There Will Be Blood)』(2007)は観ましたが、彼が初めて主演男優賞に輝いた作品については、映画のタイトルすらわかりません。

調べてみると、彼が初めてアカデミー賞主演男優賞を受賞した作品は『マイ・レフトフット(My Left Foot)』(1989)だと判明。さっそく映画を観る前に、まず予告編を観てみたところ、’Daniel Day-Lewis. My Left Foot. The highly acclaimed film by Jim Sheridan.”(1:05)と紹介されていました。

ポイント

“highly acclaimed” は、レビューなどでよく見聞きする表現です。

acclaim | Macmillan Dictionary

acclaim: public praise for someone or something

(”acclaim” は公に称えるという意味ですね!「高く評価される」という場合は、”highly acclaimed” という表現がほぼ定型的に使われています。)

予告編では「ダニエル・デイ・ルイス。マイ・レフト・フット。ジム・シェリダンによる高評価の作品」と紹介されていたんですね〜

補足

『マイ・レフト・フット』は、脳性麻痺(cerebral palsy)で生まれつき左足しか動かすことのできないクリスティ・ブラウン(Christy Brown)の、同名の自伝を映画化した作品です。
クリスティは1932年、アイルランドの労働者階級の家に生まれるのですが、なんと22人兄弟の10番目やったそう。映画を観ながら「なんか、めっちゃ子供多ない!?」と思っていたのですが、22人もいたんですね〜!クリスティは最初、病院に預けるよう勧められますが、両親はクリスティを家に連れて帰り、他の子供と同じように育てることを決意。クリスティは読み書きを覚え、話すことを覚え、絵を描くことを覚え、ついに『My Left Foot』を書き上げるまでになります。

この映画を観て、クリスティの意志の強さはもちろん、母親や兄弟の愛にも私は心を打たれました。子供が多いため、4人で1つのベッドで寝たりしているんですが、誰もクリスティを特別扱いせず、みんなで助け合っています。クリスティが自己を育み、才能をどんどん磨いていく様子も一緒に応援していて、クリスティ自身も家族を笑わせ、勇気づけ、心の支えになっている様子が伺えました。

このクリスティを演じているのが、ダニエル・デイ・ルイス。彼は、役柄の感情を追体験することで自然な演技を行う「メソッド演技法(Method Acting)」を実践していることで有名ですが、New York Times の記事『The Intensely Imagined Life of Daniel Day-Lewis』(1992)によると、『マイ・レフトフット』の撮影中も車いす(wheelchair )に乗ってレストランに行っていたとか。
今年のアカデミー賞でも、司会のセス・マクファーレン(Seth MacFarlane)が

Daniel, your process fascinates me. Now you were totally, 100 percent in character as Lincoln 24/7 during the movie. That’s what I read. Like you stayed in character all day, every day. So like if you saw a cellphone, would you have to be like, “Oh my God, what’s that?” Like if you bumped into Don Cheadle on the studio lot, did you like try and free him? Like how deep does your method go?”

(ダニエル、あなたの演技過程に興味があります。リンカーンの撮影中、あなたは四六時中、完璧にリンカーンになりきっていたと読みました。毎日、一日中、役柄になりきっていたと。ということは携帯電話を見ても、「えっ、何あれ?」と言わなあかんかったんでしょうか。ダン・チードルと映画スタジオで鉢合わせても、彼を解放したのでしょうか。一体どれほど深くメソッド演技法は作用するんです?)

と言って笑いを誘っていましたが、ダニエル・デイ・ルイスの迫真の演技は撮影現場だけで生み出されるものではなく、日頃のトレーニングの結晶となっているんですね〜

ちなみに、いろいろ調べている最中、ダニエル・デイ・ルイスが『マイ・レフトフット』でアカデミー賞主演男優賞を受賞した時の映像が見つかりました。プレゼンターを務めるのは、前年『告発の行方(The Accused)』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたジョディ・フォスター(Jodie Foster)。華やかなドレス姿ではない彼女の服装にも目が行きますが、なにより目を引くのは ダニエル・デイ・ルイスの髪型!

顔立ちが良いだけに、なんかもう、漫画『ベルサイユのばら』とかに出てきはりそうです。