カーン・アカデミーの創始者サルマン・カーン氏の TED Talk で耳にした「stumble on」の意味とは?

昨日ふと発見した The Next Web の『Khan Academy founder to host live Google Hangout to discuss the disruption of education』という記事。カーン・アカデミー(Khan Academy)のカーンさんがグーグル・ハングアウト(Google Hangout)を実施するそうです。


Salman Khan

(By Elvin (Own work) [CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

内容は著書『The One World Schoolhouse: Education Reimagined』や教育のこれからなどについて。

10/17(水)午後1時(PDT / 太平洋夏時間)からなので、私はおもいっきり仕事中ですが、これは面白そうです。

サルマン・カーン(Salman Khan)さんについては以前も紹介しましたが、その時紹介した TED Talk のビデオを改めて見てみたところ、”stumble” という言葉が2回出てきました。

The other thing that happened is — you know, I put ’em on YouTube, just, just, you know for, for the — I saw no reasons to make it private, so I let other people watch it, and then people started stumbling on it. (3:28)

We stumbled on your video on decimals and got though. (4:56)

ポイント

“stumble on” も “stumble across” も “stumble upon” も同じで、「〜を偶然見つける」という意味です。

stumble on/across/upon something | Longman

stumble on/across/upon something: to find or discover something by chance and unexpectedly

(”come across” と同じ意味になるんですね〜。『StumbleUpon』というソーシャルブックマークサービス〔SBM〕の名前でご存知の方も多いかもしれません!)

もともと離れて住むいとこ(cousin)の学習を手助けするためにビデオを作っていたカーンさん。それを YouTube で公開したところ、いろんな人が発見するようになったんですね〜!

2箇所目のところは、自閉症(autism)を抱える12歳の息子が算数が苦手で、さまざまな教材を試したけれどどれもうまくいかなかった、という文脈で、カーンさんの分数(decimal)のビデオを偶然見つけてからうまくいったという話を紹介してはります。

補足

下のビデオでは、上のビデオで紹介されているカーンさんのいとこや、カーン・アカデミーの活動を支援しているビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏、カーンさんのビデオを実際に授業に取り入れているカリフォルニア州の教育現場などが登場していました↓

これらの2つのビデオで説明されているように、一部の教育現場では家でカーンさんのビデオを見て “予習” し、授業中に “復習” してわかりにくいところを先生に確認するという、これまでの授業のあり方を反転させる事態(flipping the classroom)が起こりつつあります。

こうすることで、生徒も授業中にきっちりと学習内容を身に付けることができるうえ、先生も一人一人の理解速度に合った指導をすることが可能になっているそう。2つ目のビデオでは、実際にこのような授業を行っているサンフランシスコ郊外のロスアルトス(Los Altos)学区(school district)にあるイーガン中学校(Egan Junior High School)の様子が紹介されていました(5:57)。

といっても、カーンさんのビデオはインターネットが必要です。生徒の中には家でインターネットが使えない子もいるはずです。そんな生徒のために、学校側も夜10時頃までコンピュータ・ルームを開放するなどの配慮をしていて、万全の態勢(7:20)。そう考えると、市の図書館などでもインターネットが無料で使えたりしますし、「インターネットが使えない」というのはあまり問題にはならないのかもしれません。

以前も、無料オンライン・コースが増えていると紹介しましたが、グーグル(Google)によると、講義や全過程に YouTube を使っている大学は400校以上にのぼるほか、アイビー・リーグ(Ivy League / 米東部の名門私立8校)や米国のトップ大学100校のほとんどで Google Apps(独自ドメインで Gmail や Google Calendar などのグーグルが提供するウェブアプリケーションが使えるグーグルのサービス)を使用しており、この秋クロームブック(Chromebooks / グーグルが開発した「Chrome OS」を搭載するノート型PC)を使用する学校及び学区は500以上になるそう。

先日はグーグルとカーン・アカデミーが “the Next EDU Gurus(次世代の教育指導者)” なるものを募集したばかり(10/1に募集終了)。

家族みんなで楽しめるような教育に関するビデオを作るクリエーターを募集し、選考で選ばれた10人に対しグーグルとカーン・アカデミーがトレーニングやプロモーションを行うなどして支援するというもので、カーン・アカデミーだけでなくグーグルも教育にかなり関心を持っていることが、この企画から十分に伝わってきます。

この募集は10/1で終わってしまいましたが、カーンさんのグーグル・ハングアウトの方は現在カーンさんへの質問を募集中。カーンさんへの質問を30秒間にまとめて、#khanhangout というハッシュタグを付けて YouTube にアップして、フォームに入力すれば、最高9名まで採用されるそう。興味があったらぜひ参加してみてください 🙂