政治家のスピーチなどでよく耳にする「God bless America.」の意味とは?

大統領選挙を前にたくさんの政治家のスピーチを聞いていると、最後に “God bless America.” と言っている人が多いことに気がつきました。

ポイント

“God bless America.” は、直訳すると「米国に神の祝福を。」となりますが、どうもそういう意味を込めて言っているというよりは、締めの挨拶のような感じで使われている印象があります。

調べてみると、TIME の記事に詳しく書かれていました。

この記事によると、どうやら最初に “God bless America.” と言ったのは第37代のニクソン(Nixon)大統領だったよう。1973年4月のウォーターゲート事件(Watergate scandal)に関するスピーチの最後に “God bless America and God bless each and every one of you.” と言ったそうですが、下のビデオ(英語字幕付き)を見てみると、確かにそう言ってはります(24:08)。

次に “God bless America.” と言ったのは、第40代のレーガン(Reagan)大統領。彼が最初に “God bless America.” と言ったのは、共和党の大統領候補に指名された時のスピーチでした(45:29)。

この後、レーガンさんは実に全スピーチの90%以上において、同様の言い方で締めくくったそう。その結果、それ以降の大統領の演説にも自然に引き継がれていくこととなりました。

最初のニクソンさんとレーガンさんの “God bless America.” は発言する前に間を置いていて、すごく意味深い印象を与えてはりますが、すっかり慣習化された今は “God bless America.” の言い方もかなりさらっとしている気がします。

補足

そういえば、先週の民主党大会(Democratic National Convention)で大絶賛されたミシェル・オバマ(Michelle Obama)夫人のスピーチの最後の締めも、”God bless America.” でした。

先週はちらっと紹介しただけでしたが、彼女のスピーチのうまさは、共和党の大統領候補ミット・ロムニー(Mitt Romney)氏の妻アン・ロムニー(Ann Romney)のスピーチと比べればよくわかるかと思います。

アン・ロムニーさん、すごく美しい方ですが、息子が5人 & 孫が18人いるとスピーチで語っているのを聞いてびっくり。ミットさんとお互い高校生の時にダンス・パーティで知り合って結婚し、22歳で第一子が生まれたといういきさつを、この大きな大会で赤裸々に語ってはります。

実は、アン・ロムニーさんとミシェル・オバマ夫人のスピーチの内容は結構似ています。2人ともスピーチの中心となっているのは「夫大好き」& 「若い頃私たちカップルは貧しかった」&「私たちカップルの親も決して裕福ではなかった」&「今のアメリカを支えられるのは夫しかいない」という主張。

ほななんでミシェル・オバマさんの演説の方が心を揺さぶられたのか、しばらく考えていたのですが、彼女の方が親密さが感じられたというのは大きい気がします。ミシェル・オバマさんのスピーチは、あれだけ大勢の前で語っているにも関わらず、まるで自分に語りかけてくれているような印象を抱くのです。

アン・ロムニーさんはどちらかというと、何人かのグループで集まっていて、その中心で話してはる感じです。ノリもちょっと軽めで、皆に「聞いて〜」と言っている雰囲気があります。しかし蓋を開けてみると、「せめて目の前にいるこの一人だけでもわかってほしい」という雰囲気で話し続けたミシェル・オバマさんの演説の方が多くの人の心に届く結果に。

Obamas watch Michelle Obama speech.jpg

(ミシェルさんを見守るオバマ・ファミリー)

「一人の人に話すようにスピーチした方が良い」というのはやっぱり本当なのかもしれません。

関連

▼大統領選挙に関する記事一覧:大統領選挙2012 | ツカウエイゴ