ずっと前から気になっていて、なかなか観る機会がなかった映画『潜水服は蝶の夢を見る』をついに観ました。
映画の好みがぴったり合う私の親友の一番好きな映画の一つがこの作品で、いつか観てみたいとずっと思っていたのです。
ロックト・インシンドローム(閉じ込め症候群)の実話
この映画は、ファッション雑誌『ELLE』の編集長だったジャン=ドミニク・ボビーさんの身に実際に起こった「ロックト・インシンドローム(閉じ込め症候群)」の経験が元になっています。
ジャン=ドーさんの場合、唯一動いたのが、左目のみ。その状態から、「瞬きを2回すると Yes、瞬きを1回だけすると No」というルールをもとに人々と会話する術を身につけ、ついには自伝まで執筆します。そのタイトルが、『潜水服は蝶の夢を見る(The Diving Bell and the Butterfly: A Memoir of Life in Death)』となっているのです。
瞬きだけで言葉を操るだけでも相当大変なのに、ましてや本まで執筆するなんて、普通では考えられないことです。でもジャン=ドーさんは、たとえ身体の自由が奪われても思考の自由は奪えないことを、瞬きで世間に証明されました。
ジュリアン・シュナーベル監督の思い入れ
映画は主にジャン=ドーさんの左目の視点から描かれていて、芸術的な世界観が感じられますが、ジュリアン・シュナーベル監督はもともと新表現主義の画家でもあります。
『潜水服は蝶の夢を見る』制作にあたっても、彼のアーティストとしての人々との関わりがやはり大きなきっかけになっていたようです。
この公式サイトのインタビューでは、以下のくだりもとても印象に残りました。
私は『潜水服は蝶の夢を見る』をずっと観たいと思っていて、今までなかなか観る機会を持てなかったのですが、現在夫ジェガーさんが手術・入院中で、今ちょうどジェガーさんや私の人生との向き合い方も変わりつつあるところなので、このタイミングでこの作品を観られてとても良かったです。
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