リメイク版『ロボコップ』の予告編で耳にした「tactical」の意味とは?

手紙の封筒の表に「○○へ」と書く時に意識したいささいな注意点とは?』という記事で書いた通り、先日映画『ロボコップRoboCop)』を観に行ったのですが、その予告編を観ていると、”Make him more tactical. Let’s go with… black.”(1:11)というセリフがありました。

Robocop

ポイント

“tactical” は「巧妙な、戦術的な」という意味です。

tactical | Macmillan Dictionary

  1. a tactical action is one that you do as part of a plan for achieving what you want
  2. involving military tactics
  3. tactical aircraft, missiles, and other weapons are designed to be used over short distances

(行動に使われると、「(目標達成に向けた)戦術的な」という意味になり、軍事に使われると「軍事政策をともなった」という意味になり、航空機やミサイルや武器に使われると「短距離用の」という意味になるんですね〜)

つまり、彼は「彼をもっと出来栄えよく。よし・・・黒くしよう」と言っていたのでした。このセリフは、日本語版の予告編では、「黒くスタイリッシュに」(0:07)となっていました!

補足

というわけで、新作『ロボコップ』を観たのですが、帰り際にはジェガーさんと「よし・・・『ロボコップ』オリジナル版(1987)ももう一度観よう」という見解で一致しました。
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2人とも『ロボコップ』オリジナル版を観たのはめっちゃ前です。久しぶりに観ると、同じロボコップでもオリジナル版とリメイク版は全然違うことに気づきました。

  1. オリジナル版の方が、グロテスクな描写が多い
  2. まず驚いたのは、オリジナル版の描写のグロテスクぶり。主人公のマーフィーが身体機能を失う過程がオリジナル版とリメイク版で異なるのですが、リメイク版の方が描写がずっとマイルドです。オリジナル版は、思わず目を背けてしまいました。

    でもグロテスクな描写はそれにとどまりません。最後のクライマックスもえらいこっちゃでした。ジェガーさんが私の目を手で覆ってきたので、「ちょっとちょっと、見えへんやん」と言っていたのですが、見なくて良かったです。『ロボコップ』ってこんな残酷な映画やったっけ?と思うほど、オリジナル版は容赦ありませんでした。

  3. オリジナル版の方が、ストーリーが深い
  4. 根本的なプロットは同じなのですが、オリジナル版の方がストーリーもどろどろしていて、権力闘争にまみれた巨大企業内部のもつれた人間関係やら、彼らの醜い執着心やら欲求やらが、むき出しに描かれています。その犠牲となりながらも、生まれもった正義感で新たな存在意義を見出そうとするマーフィーが、しょうもない連中のおかげで最後は救世主のようにすら見えました。

    一方新作は、『ロボコップ』が生まれた理由を時代背景に照らし合わせていて、より『ロボコップ』という存在にリアリティを感じさせる映画になっています。オリジナル版では描かれていなかった、残された家族との交流も描写。ただ、幅広い世代に受け入れられやすい作品を目指したばかりに、ターゲットを広げすぎて作品の印象がぼやけてしまった感じも否めませんでした。

  5. オリジナル版の方が、撮り方がユニーク
  6. オリジナル版は、冒頭がテレビのニュースなのですが、その間にコマーシャルも挟まっているのがめちゃ斬新。ロボコップの起動準備段階でも、ロボコップの視点で時間の流れが表現されていて、今観ても新鮮な撮り方だと思う部分がたくさんあります。

    一方、ED-209 動きはちゃっちくてめちゃ笑えました。ジェガーさんはオリジナル版を初めて観た時は子どもだったため、この ED-209 の動きが逆にめっちゃ怖かったそうです・・・

    その点、リメイク版は映像がめちゃめちゃスタイリッシュでしたが、撮り方はスタンダードでした。

というわけで、総じて言えばジェガーさんも私も断然オリジナル派なのですが、内容ががらっと変わったリメイク版でもロボコップの名ゼリフ “Thank you for your cooperation.(協力ありがとう)” と “Dead or alive, you’re coming with me!(殺してでも連行する)” が残っていたのは、やはり観ていて嬉しかったです。