物だけでなく人にも使われる「stick together」の意味とは?
ジェガーさんと人通りの多い場所に行った時のこと。ジェガーさんが手を握りながら “We should stick together.” と言ってきました。
ポイント
“stick together” は、物に使われると「くっつき合う」という意味になりますが、人に使われると「離れずに一緒にいる」という意味になります。
stick together: if people stick together, they remain close together and support one another
(離れずに一緒にいてお互いに支え合う、という意味になるんですね!)
つまりジェガーさんは「離れんようにしよ」と言っていたのでした。
補足
先日観た映画『キャプテン・フィリップス(Captain Phillips)』でも、トム・ハンクス演じるキャプテン・フィリップスが、クルーが人質に取られないように “Stick together and we’ll be all right.” と言っていました。
そのセリフは、日本語の予告編(字幕翻訳は戸田奈津子さん)では「一緒にいれば なんとかなる」となっていました!
この映画は、2009年のソマリア海域人質事件がベースになっています。私はこんな事件があったことすら全く記憶にないのですが、ソマリア海で海賊に襲われたアメリカのコンテナ船 “アラバマ号” と、5日間海賊に人質に取られた船長リチャード・フィリップスの救出劇が緊迫感あふれる演出で描かれています。
原作は、リチャード・フィリップス本人の回顧録『キャプテンの責務(A Captain’s Duty: Somali Pirates, Navy SEALs, and Dangerous Days at Sea)』(2011)。
ただし、映画で描かれるストーリーは、原作で描かれている内容や、フィリップス船長の記憶とは異なる部分もけっこうあるみたいです。以下の CNN の映像を始め、多くの記事で、フィリップス船長が実際には船に発せられた警告を無視し、”コスト削減” のためにできるだけ近い進路を取ろうとしてソマリアに近づき過ぎたことが指摘されています。
映画では、フィリップス船長はめちゃめちゃ英雄的に描かれていて、かなり「ハリウッド仕立て」になっていることは否めません。
でも、トム・ハンクスさんはとても良かったです。アメリカに来てから、私はどちらかと言うとトム・ハンクスさんは映画よりテレビで観ることが多くて、アカデミー俳優というより、すっかりテレビでおちゃらけているイメージが定着していたのですが(via Hallywood Reporter, etc.)、彼はやはり素晴らしい俳優でした。来月発表のゴールデン・グローブ賞(Golden Globe Awards)にも、もれなく主演男優賞にノミネートされてはります。
Best Actor in a Motion Picture, Drama | Golden Globes Awards
もう一人、海賊のリーダーを演じたソマリア生まれのバーカッド・アブディ(Barkhad Abdi)さんも、本作で俳優デビューしていきなり助演男優賞にノミネート。
Best Supporting Actor in a Motion Picture | Golden Globes Awards
Vanity Fair 誌の記事『Barkhad Abdi, Golden Globe Nominee: Meet The First-Time Actor Who Stole Scenes From Tom Hanks | Vanity Fair』(12.12.2013)によると、バーカッド・アブディさんは14歳でアメリカに渡ってミネソタ州立大学(Minnesota State University)に通い、映画業界に入る前はミネアポリスでリムジンの運転手をしていたそう。DJ をしたり、ミュージックビデオを撮影したりもしていたそうですが、俳優経験は全くない中『キャプテン・フィリップス』のオーディションに申し込み、一気にここまで駆け上がってきたすごい人です。
私からすると、俳優経験が全くなくてもいきなりトム・ハンクスさんと共演できるところが、何よりすごいです。