美術館の Facebook の投稿に書かれていた “on view” の意味とは?
私のいるところは、毎月第一木曜と言えばアートウォークの日。美術館や博物館などの入場料が無料あるいは割引となります。
ジェガーさんと私は毎月この日を楽しみにしていて、1月は『ペルー展(Peru: Kingdoms of the Sun and the Moon)』を見に行きましたが、今月は『ミロ展(Miró: The Experience of Seeing)』を見に行ってきました。
その前に Facebook で情報をチェックしていると、美術館の以下の投稿が目につきました。
ポイント
“on view” は「公開されて」という意味です。
on view: in a public place for people to see
(人々が見るために公の場に置かれる、という意味なんですね。)
つまり、投稿には「『ミロ展』をちょっぴりご覧ください。このビデオでは、シアトル美術館で5月26日まで公開される絵画や彫刻作品を取り上げています」と書かれていたのでした。
美術館のホームページに行くと、”now on view(公開中)” “upcoming(公開予定)” という項目もよく目にします!
補足
ジョアン・ミロ(Joan Miró)は、スペインのバルセロナ生まれで、19世紀から20世紀にかけて活躍した画家。『ミロ展』では、マドリードにあるソフィア王妃芸術センター(Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía)から持ち込まれた、ミロの晩年の作品(1963年〜1981年)がずらりと展示されています。
ミロの晩年の作品で最も有名なものの一つと言えば、以下のペインティング。
これは『Woman, Bird and Star (Homage to Picasso)』というタイトルで、ミロと交流のあったパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)に捧げられたオマージュとなっています。何年もかけて制作され、ピカソさんが亡くなった日に完成したのだそう。
絵画だけでなく、彫刻作品もたくさん手がけています。
いろいろと作品を見まわっていて、特に印象的だったのが、彼の作品に「詩」が大きな影響を与えていたことでした。彼のインタビュー映像や言葉も展示されていたのですが、”poem” “poetic” という言葉が何度も登場。彼自身、詩も書いていたそうです。
詩人・滝口修造とも交流があり、瀧口修造がミロの作品に寄せた詩にミロが絵を寄せた詩画集『ミロの星とともに』も1978年に出版されています。
詩画集 ミロの星とともに 特装版/瀧口修造詩 ジョアン・ミロ画‹‹古書 古本 買取 神田神保町・池袋 | 夏目書房
そういえば、以前『アーネスト・ヘミングウェイ著『移動祝祭日』で目にした「articulate」の意味とは?』という記事で書いたように、作家アーネスト・ヘミングウェイ(Ernest Hemingway)も、画家ポール・セザンヌ(Paul Cézanne)の影響を強く受けていました。
“セザンヌを始め、シカゴ美術館で知ったマネ、モネ、その他の印象派の画家の絵を見に、私はほぼ毎日通った。セザンヌの絵を見て、簡潔で正しい文章を書くだけでは、物語を生き生きと伝えることからはほど遠いということを学んだものだ。”
ヘミングウェイさんもミロさんも、同じジャンルだけでなく他ジャンルの優れた人たちからも学ぶことで、オリジナリティをさらに磨き上げていったのかもしれません。
ちなみにミロさんもヘミングウェイさんと交流を持っていたそうです。