街の落とし物にセリフを与えるユニークで愛らしいプロジェクト『Little Lost Project』

ちょっと前に、いつも楽しいネタを教えてくださる @yuu_pon さんから、こんなメッセージをいただきました。

ユニークなプロジェクトです。
是非是非。

http://littlelostproject.tumblr.com/

興味を持ってさっそくリンク先を見て、ときめきました。こういうプロジェクト、個人的にめっちゃツボです。
Little Lost Project
これは、ニューヨークにある School of Visual Arts でグラフィック・デザインを専攻中の Yoonjin Lee さんこと Zoonzin さんのプロジェクト。街で見かけた落とし物に心情を付け加えるというシンプルなアイデアなんですが、普段気にもされないような “落とし物” たちの見方ががらりと変わってびっくりです。

その落とし物たちの心情がまたちょっぴりシニカルで切ないのがたまりません。捨てられたけど強がっているような、いたいけな雰囲気を醸し出しています。

私は最初このプロジェクトを見た時、てっきり Zoonzin さんは落とし物を見つけたその場でプラカードを用意して作品を撮影しているのだと思っていましたが、下のビデオを見てびっくり。なんと Zoonzin さん、一度 “落とし物” を家に持ち帰り、作品に仕立て上げてから、再び拾った場所に持って行って撮影していました。すごい労力かかってます。

Meet New York City’s Unofficial Curator of Lost Stuff – John Metcalfe – The Atlantic Cities』(2.20.2014)という記事によると、Zoonzin さんは「お気に入りのリップクリームをなくすと気持ちが落ち着かなくなりますが、それで人生が台無しになることはありません。でも、ちょっと視点を変えてみると、誰かのポケットから落ちて道端で役立たずになったまま放置されるというのは、人生を変えるような出来事です」と思ったそう。私は今まで落とし物の気持ちになったことがありませんでしたが、言われてみれば確かにそうかもしれません。

最近は何でも手に入りやすくなっているので、私自身、落とし物をしても気持ちを切り替えるのがどんどん早くなってきているような気がします。特にこのプロジェクトで取り上げられているようなライターやリップスティックなんて、すぐに “替え” が手に入るものばかり。簡単に手に入るものが増えて、便利になればなるほど、物に対する私のありがたみの心も薄れていっているかもしれない、とふと思いました。

一見かわいいプロジェクトなのに、なんだかとても深く考えさせられます。こんな素敵なプロジェクトを教えていただけて、感謝です。この場をお借りして改めてお礼申し上げます!

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