映画評論家ロジャー・エバートのドキュメンタリー映画『Life Itself』
映画批評家ロジャー・エバートさんが2011年に出版した回想録が原作の映画『Life Itself』を観ました。
映画制作中にロジャー・エバートさんは他界されており、ロジャー・エバートさんの最期の数ヶ月を記録した資料としても本作は大変貴重な作品になっています。
新聞記者から映画評論家へ
ロジャー・エバートさんはもともとは普通の新聞記者でした。ある時会社所属の映画評論家が辞め、そのポジションにエバートさんが移動したことで、エバートさんは大映画評論家への道を歩んでいきます。
映画が大好きで映画評論家を志したというよりは、成り行きで映画評論家になり、その道を究めて行ったというのが印象的でした。
ロジャー・エバートさんは、映画評論家で初めてピュリツァー賞を受賞されたことでも有名です。ハリウッドの『ウォーク・オブ・フェーム』にもロジャー・エバートさんの星形プレートがあります。
ロジャー・エバートさんと病
2002年に甲状腺ガンと診断され、2006年にガン切除手術で下あごの一部を失って話すことができなくなってからも、ロジャー・エバートさんは精力的に活動を続けていらっしゃいました。2010年には、Esquire 誌に掲載された顔写真も大きく話題になりました。
Something else to read at lunch today: @MySecondEmpire‘s award-winning profile of Roger Ebert http://t.co/El0ywZGm4Q #longreads
— Esquire Magazine (@esquire) April 4, 2014
ロジャー・エバートさんがこれだけ自身の病状についてオープンなスタンスを貫いた背後には、長年の同士である映画評論家、故ジーン・シスケルさんが病のことを周囲に隠し通していたという事情があります。ロジャー・エバートさんにも伝えられていなかったそうで、エバートさんは大変ショックを受けられたそうです。その反動でエバートさんは、自身の病について公にする決意を固めたとのこと。
映画に映るエバートさんの闘病シーンは、ジェガーさんは観るに耐えない様子でした。ロジャー・エバートさんの妻・チャズさんによると、もしも撮影中にエバートさんが他界すると知っていたら、撮影を許可していなかったかもしれないそうです。でも、結果的に、エバートさんの最期まで前向きな生き方が多くの人々をインスパイアしたのではないかと思います。
チャズさんは、ロジャー・エバートさんが50歳の時に結婚。エバートさんはチャズさんと出会って本当に人が変わったそうです。チャズさんが側にいたからこそ、エバートさんは最期まで人生を前向きに全うすることができたのかもしれません。
原作『Life Itself: A Memoir』は私の Kindle にも入っているのですが、実はまだ手をつけていませんので、引き続いて本も読んでみようと思います。