アメリカの映画館で、最新映画を英語字幕付きで観る方法

ちょっと前、ジェガーさんが大きな映画館で使える無料チケットをもらってきて、「何か最近の映画で観たい作品ある?」と聞いてきました。

closed captioning devices

「『レ・ミゼラブルLes Miserables)』!」
「えっ、また観んの?」

おっしゃる通り『レ・ミゼラブル』は一回観てるんですが、大きい映画館で観られるメジャーな作品の中で観たいものといえば、今はそれしか思い浮かびません。

ジェガーさんはあまり乗り気じゃなさそうでしたが、まぁ無料チケットやし、他に観たい映画もこれといって思い浮かばなかったようなので、「とりあえず上映開始時間(showtime)観てみようや。時間が合ったらもう1回観てもいいよ」と言ってくれました。

ちょうど手に iPhone を持っていたので、さっそく Fandango のアプリを立ち上げて、上映時間をチェック。

すると、今まで気がつかなかったところに、ふと目がいきました。

accessibility devices available

“Accessibility devices available” って何!?

クリックしてみると、以下のような説明書きが。どうやら “closed caption” と “DV” の2種類があるようです。

accessibility devices available 2

“dv” は “descriptive video” の略で、目の不自由な人のために音声で状況を説明するもののよう。一方、”closed caption” はいわゆる字幕のこと。したがってこちらは、耳の不自由な人のために文字で状況を説明してくれるみたいです。

私はいつも家でテレビを観る時は、”closed caption” をオンにしています。そうすると話している内容に全て英語字幕が付くので、英語の勉強にも役立つからです。

しかし “closed caption” が映画館にもあるのは知りませんでした!ジェガーさんも初めて知ったらしく、隣でびっくりしています。

「これめっちゃええやん!」
「でも、一体どんな感じになんねんやろ?」
「もしかして・・・うちだけ別室に連れて行かれるとか?」
「”device(装置)” って書いてあるから、それはないやろ。」
「じゃあ・・・うち一人のために全員が字幕読むことになるとか!?」
「”captions are not shown on the main screen” って書いてあるから、それもないと思うねんけどな〜」

話せば話すほど、どんな仕掛けなのかめちゃくちゃ気になってきます。私は『レ・ミゼラブル』を前観た時、めちゃ感動したのですが、正直歌詞にはわからないところもありました。私がジェガーさんに『レ・ミゼラブル』をもう1回観たいと言ったのも、もう1度観てもっと細かいところまでよく理解したいという思いもあったからです。もし『レ・ミゼラブル』を大画面で、しかも英語字幕付きで観られたら、スケールの大きさを感じつつ細かい英語も理解できるので、言うことありません。

結局その晩は、『レ・ミゼラブル』を再び観に行くことになりました。

ジェガーさんとどきどきしながら映画館へ行き、カウンターでチケットを購入した時に “We would like to use a closed captioning device.” と係員に言ったところ、「はーい」という感じで渡されたのがこちらです。

closed captioning devices

ちょっとでかめのメガネ風。もう一つの黒い装置とつながっています。

closed captioning devices 2

どうやらこの装置が字幕を生み出して、それがメガネに表示されるようです。やはりジェガーさんの言った通り、私一人別室に連れて行かれることも、また私一人のせいで全員が字幕付きで映画を観ることもなさそう。

貸し出しファイルに名前を書いて借り、さっそくかけてみたところ、3D 映画を観る時のメガネのように黒くないので視界は良好です。ちょっと重いかな、というくらい。見た目がちょっと SF っぽくなるので、他の人の視線は若干気になります。ジェガーさんにもめっちゃ笑われました。

メガネを装着して映画が始まるのを待ちながら、「どんな風に字幕現れんねんやろう〜」と言っていると、まもなく上映開始。オープニングでさっそく歌のシーンが始まりました。

しかし、字幕が出ません。「ちょっと、字幕出ーへんねんけど!」と隣にいるジェガーさんに囁くと、ジェガーさんがすぐにメガネを私の頭から外して外へ。

「すでに1回観てる映画で良かった〜」と思いながらそのまま一人で観続けていると、しばらくしてジェガーさんが戻ってきました。「装置とメガネがちゃんと接続されてなかったらしい」とのこと。なんと線が奥まで差し込まれていなかったようです。「なんや」と小声でお礼を言い、気を取り直して頭に装着してみると、見えます見えます!

メガネのちょうど真ん中あたりに、緑色の文字で字幕が映っています!

時々字幕が出ない時もありましたが(『レ・ミゼラブル』ではちっちゃい男の子が歌っている時に2度ほど字幕が出なくなりました)、字幕が出るタイミングはほぼ完璧で遅れることもなく、思いのほか快適。前回聞き取れなかった部分もちゃんと意味がわかって、前よりさらに感情移入できました。

一方、少し気になったのは、メガネの重みで最後の方ちょっと頭が痛くなったこと。それと、字幕がメガネに表示されるので、頭を動かすと字幕も動くこと。それでも、字幕があった方が、私はより映画が楽しめました。

アクセントのある英語(ブリティッシュ・アクセントや南部のアクセントなど)や歌、専門用語などが多い作品などは今でも苦手なので、今後はこの字幕メガネを活用して、アメリカの映画館での映画鑑賞を最大限に楽しみたいと思います。

補足

私が調べた限り、全ての映画館でこれらの補助装置が利用できるわけではないようです。一番可能性が高いのは、Regal Cinemas。私が行ったのも、Regal Cinemas の映画館でした。ただし、Regal Cinemas でも必ずしも補助装置があるわけではないようなので、事前に Fandango のアプリで確認するか、電話で直接確かめるのが良いと思います!

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前回『レ・ミゼラブル』を観に行った時の様子はこちらで書いています→ 便利だけど口癖にならないように要注意!「literally」の意味とは?