現実的楽観主義者に関する文章で目にした「glass-half-full」の意味とは?
今週 “Is the glass half empty or half full?” というフレーズを紹介しましたが、ちょうどタイミングよく英デイリー・メール紙に先月末、『The glass really IS half full: Realistic optimists are happier and more successful than other personality types(グラスは本当に半分も入っている:現実的楽観主義者は他の性格よりも幸せで、成功している人が多い)』(8.27.2013)という記事が出ていたので、読んでみました。
すると、
A scientist has discovered it is beneficial to be a glass-half-full person.
と書かれていました。
ポイント
“glass-half-full” は「楽観的な」という意味です。
glass-half-full: from the expression Is the glass half empty or half full?, the answer to which is said to determine whether a person is optimistic or pessimistic.
(まさに先日紹介した “Is the glass half empty or half full?” という表現から来ています!口語で使われることもあります。)
つまり、「楽観的な人は得をしているということが、科学者によって明らかにされている」と書かれていたのでした。
補足
というわけで、まず「現実的楽観主義者」の定義についてなのですが、以下のように説明されています。
A realistic optimist is defined as someone who looks on the bright side of life but has a realistic grasp on the present and what to expect in life.
(現実的楽観主義者は、人生の明るい面に目を向けつつ、現状および人生で起こり得ることを現実的に捉えている人と定義づけられる。)
現実的楽観主義者は、その現実的視点でもって仕事や試験などにうまく対処するとともに、楽観的な見方でもって気分の落ち込みを避け、新たな機会を見つけるそうです。
国立台湾大学(National Taiwan University)の心理学研究者であるソフィー・チョウ(Sophie Chou)さんによると、楽観主義者は大きく “理想主義者” と “現実主義者” に分かれます。
She said: ‘Realistic optimists tend to choose accuracy over self-enhancement; the unrealistic optimists tend to choose self-enhancement.’
(「理想的楽観主義者が自分を高めることを求める傾向にある一方、現実的楽観主義者は自分を高めるうえでの確実さを求める傾向にあります」と彼女は言う。)
つまり、理想的楽観主義者は現実的な視点が欠けている分、努力しなくても自分はできると思い込みがちなところがあるというのです。
チョウさんの研究は、現実的視点が気分の落ち込みの深さに密接に関係しているという従来の考え方を疑い、現実的楽観主義者は幸せな人々だということを示しています。
Ms Chou thinks this might be the case as realistic optimists believe they have more control over themselves and their destinies, including in relationships and at work.
(それは、現実的楽観主義者が他者との関係や仕事において、自分や自分の運命をよりコントロールできると信じていることに起因しているからかもしれない、とチョウさんは考えている。)
何か問題や難関にぶつかった時に、「他に選択肢はない。私ができることはこれしかない」と思わず、創造性豊かに構えてさまざまな方法を試すのが現実的楽観主義者だそうです。
現実的楽観主義者はバランスの取れた視点を持ち、将来に対して前向きでいながら、現状乗り越えるべきことを認識し克服しようとしています。
ただ、その点理想的楽観主義者よりも、不安になりがちなところはあるようです。
振り返ってみると、私はもともと楽観主義ではあるのですが、以前はもっと理想的楽観主義者で、少しずつ現実的楽観主義に近づきつつあるように思います。特にアメリカに来る前は落ち込むことが多かったので、嫌でも現実を意識せずにはいられませんでした。
アメリカに来て、なんとか自分の力で自分を立て直して、今はまた楽観的に物事を捉えられるようになりましたが、以前よりも地に足がついているのは確かです。
なので、楽観主義か悲観主義かといったことは、その人のもともとの性格ももちろん関係あると思いますが、環境や経験によって変わる部分もあるのだろうと思います。
ちなみに、この記事のタイトルは “The glass really IS half full” ということで、”is” の部分が大文字になっていますが、これはまさに “現実的” ということを意識したタイトルになっています。
コップに半分水が入っているのは事実であり、現実です。それを半分「も」入っていると思い込むのは楽観的思考であり、半分「しか」入っていないと思い込むのは悲観的思考になりますが、現実的楽観主義思考でとらえると、水の量が半分であるという事実を踏まえつつ、半分「も」入っていると思い込ませることで自分にとってプラスに働くように考えるというわけですね〜