映画監督のテリー・ギリアムも参加!新感覚の絵本のようなゲーム『The Unfinished Swan』
以前『幼少時代に虐待を受けた経験からインスパイアされたゲーム『Papo & Yo』』という記事を書いたことがありましたが、ジェガーさんはゲームが好きで、私が興味を持ちそうなゲームを探してきては、よくプレゼンをしてきます。
昨年の誕生日には、私の大好きなブゥ(Boo @BoothecutestDog)という犬のぬいぐるみとスーパーマンの T シャツ、スーパーマンのパジャマ、そしてゲームを一つくれました。
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それが『The Unfinished Swan』というゲームです。
日本語版はこちら→ The Unfinished Swan ストーリー紹介ビデオ | YouTube
何もない真っ白な世界に絵の具を投げつけ、物体を浮き彫りにしながら進むべき道を模索していくという、なんとも面白いコンセプトになっています。
・・・が、私は最初うまく進めなくて、出だしの方であっさりと飽きてしまいました。
それをジェガーさんは寂しそうに見ていたのですが、半年ほど経って、ふとブログを書きながらゲームをしているジェガーさんの方を見てみると、なんと『The Unfinished Swan』の続きをやっています。
「えっ、ちょっとそれ、うちのゲームやねんけど」
「でもゲーム全然やってへんやん」
「・・・」
画面を覗いてみると、なんか次のステージに行っていて、ちょっと楽しそうです。始めは白黒だけでわけがわからなかったのですが、ジェガーさんが冒頭の映像にも出てくるお城っぽい建物に入ったあたりで、私もまたやりたくなってきました。
にやにやしているジェガーさんからコントローラーを受け取り、半年ぶりにゲームを再開。基本的にインストラクションがないので、想像しながら進むしかないのですが、物語が進めば進むほど面白くなってきて、最後はもう無我夢中です。
そしてついに、出だしでは全く想像していなかった壮大なエンディングにたどり着きました。ぽかーんとしていると、衝撃のテロップ。
King : Terry Gilliam
!?
テリー・ギリアムって、あのテリー・ギリアム!?
隣を見ると、ジェガーさんも「えっ、あのテリー・ギリアム!?」という顔になっています。
なんと、冒頭の映像にも登場する王様の声は、映画監督のテリー・ギリアムが担当していました!
Venture Beat のインタビュー記事『The story behind the emotional center of The Unfinished Swan (in-depth interview)』(10.20.2013)によると、クリエイティブ・ディレクターのイアン・ダラス(Ian Dallas)さんは、『おおきな木』で知られるシェル・シルヴァスタイン(Shel Silverstein)や、クロケット・ジョンソン(Crockett Johnson)の『はろるどとむらさきのくれよん』などを制作の参考にしたそうです。
One of the things that we liked about storybooks is that they had this hand-drawn feel to them that is very personal but also a kind of abstract quality that invites you to use your imagination to fill in a lot of the gaps. Shel Silverstein does a fantastic job of using a few lines to suggest a much bigger world. The cinematics that we have in the game, with this animated style and the lines moving around, was a way for us to give the game more of a handmade feel, in part.
(子ども向けの物語本で私たちが好きだと思ったものの一つが、手描きの雰囲気があったところです。それは私的であると同時に、抽象的で、私たちの想像力を使ってギャップを埋めさせてくれます。シェル・シルヴァスタインは、数本の線でものすごく大きな世界を創り上げていますから、素晴らしいです。私たちは、このアニメのスタイルと動き回る線で、ゲームにある程度手作り感を与えています。)
via The story behind the emotional center of The Unfinished Swan (in-depth interview) | GamesBeat
そして、やはり映画の影響も受けているそう。
The other big inspirations were a number of filmmakers: Jim Henson — Labyrinth and The Dark Crystal have some concrete reference in Unfinished Swan — as well as Terry Gilliam. Time Bandits was something we looked at pretty closely. Luis Bunuel, also, and a number of surrealists. People who create these spaces that are unlike anything you would encounter in the real world but have this kernel that makes them feel surprisingly real and familiar.
(もう一つ大きなインスピレーションになっているのは、映画監督たちです。ジム・ヘンソン –『ラビリンス/魔王の迷宮』〔1986〕と『ダーククリスタル』(1982)は、ゲームの具体的な部分において参照しています — そしてテリー・ギリアム。『バンデットQ』〔1981〕はかなり細かいところまで見ました。ルイス・ブニュエルや、シュールレアリズム系の監督も何人も。現実世界では出くわさないような、それでいて驚くほどリアルで親しみを持たせる空間を創り上げる人たちを参考にしました。)
via The story behind the emotional center of The Unfinished Swan (in-depth interview) | GamesBeat
どうしてテリー・ギリアムが参加することになったのか、詳細は書かれていませんでしたが、本当に絵本のように親密で、わくわくする展開で、シンプルだけど奥深い不思議なゲームです。長さも絵本のように短くて、のめり込んだらあっという間に終わりますが、とても満足しました。
ジェガーさんのおかげでちゃんとゲームのエンディングまで観られて良かったです。