北米でも公開決定!細田守監督最新作『おおかみこどもの雨と雪』
先月から地元で開催されていた、年に一度の映画祭『Seattle International Film Festival』。カンヌ国際映画祭のようなコンペティションがメインの映画祭ではなく、一般人も気軽にチケットを買って参加できる大衆向けの映画祭で、毎年一般公開前の新作や国内外のマイナーな映画がてんこ盛りとなっています。
先日もアイスランド映画『ザ・ディープ(The Deep)』(2012)をこの映画祭で観ましたが、私が毎年最も注目するのは邦画。なぜなら、北米で公開される邦画はめちゃ少ないからです(涙)例年3〜5作が多いのですが、今年は最新邦画を中心に6作もラインアップしてました!
- チチを撮りに(Capturing Dad)
- 舟を編む(The Great Passage)
- 鍵泥棒のメソッド(Key of Life)
- 人間蒸発(A Man Vanishes)
- 希望の国(The Land of Hope)
- おおかみこどもの雨と雪(Wolf Children)
この中で私が知っていたのは、園子温監督の『希望の国』と細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』だけやったんですが、予告編を観ていると、三浦しをんさん原作の『舟を編む』も面白そう!
ほんまは例年通り邦画を全作制覇したかったものの、今年は引っ越しやら何やらでめちゃ忙しかったため、ジェガーさんと相談し、今年はこの中から1作だけ観ることにしました。
私たちが選んだのは、『おおかみこどもの雨と雪』。
細田守監督の作品は2人とも『時をかける少女』(2006)しか観たことがないのですが、この『時をかける少女』が相当良くて期待が高まっていたのと、『おおかみこどもの雨と雪』は日本公開時の反響も良かった記憶があったので、これにしました。
普通の女の子が “おおかみおとこ” と恋をして、「雪」と「雨」という2人の子どもをもうける物語です。公式サイトの細田守監督のインタビューを読むと、細田監督は母親である花に対する思い入れが深いように感じましたが、私は2人の子どもの方が興味深かったです。
姉の雪は、おてんばの女の子。大自然を飛び回って、何にでも興味を示します。それに対し、弟の雨は引っ込み思案。2人は大きくなるにつれて大きな出来事に直面し、少しずつ自分の道を定めていきますが、それぞれの選択が少し意外で、いろいろ考えさせられました。
そんな二人に比べると、母親の花はなんだかちょっと理想的すぎる気もします。私は正直あまり人間味を感じませんでした。でも、「人間とおおかみ、どちらの生き方も選べるようにしてあげたい」という子育ての方針には共感です。”おおかみ” というとちょっと非現実的ですが、私のまわりにはハーフの人がけっこういるので、アイデンティティについては日頃からよく考えさせられているからです。
会場には日本人もけっこういましたが、私たちが座った席のまわりはほぼアメリカ人で、花が焼き鳥をタレにつけて食べているシーンでは、「何食べてんの!?」というざわめきも起きていました。
コップに入れたタレに焼き鳥をつける食べ方は私もびっくりしましたが、長野ウラドオリさんの『焼き鳥を信州上田風に食べてみたっ!『おおかみこどもの雨と雪』に出てきたアレ』という記事によると、細田監督の奥さんの出身地である長野県上田市に古くから伝わる食べ方なんだそう。
私はまだ家で焼き鳥を作ったことがありませんでしたが、焼き鳥めっちゃ食べたくなってきました。
ちなみに、映画を観終わってから知りましたが、この作品『Wolf Children』という英題で北米でも劇場公開が決定していました!(公開日は未定)