ツイッターなどでよく書かれる「ppl」の意味とは?

ボストン・マラソンで爆発事件が起きた日に、ジャーナリストが非常事態で犯す間違いについて書かれた記事を目にしました。

Ari Fleischer at the White House

一刻を争う状況では、報道する人たちも相当神経を尖らせています。有力な情報を他メディアよりも先に出そうと急ぐあまり、誤報が出ることもしばしば。個人的には、SNS の登場によってその傾向は強くなっているように感じています(米メディアの場合)。

ボストン・マラソンでの爆破事件が報道された時も、当初は「少なくとも12人死亡」という情報が流れていました。


Slate の記事は記者自身が自戒を込めて書いていて、報道人以外にとっても役立つ内容だと思ったので読んでみたところ、ジョージ・W・ブッシュ元大統領の報道官(press secretary)を務めていたアリ・フライシャー(Ari Fleischer)さんの引用ツイートに “ppl” という表現が2度出ていたのが気になりました。

ポイント

“ppl” は “people” のことです。ツイッターは文字数が限られているので、できるだけ文字数を節約するために “ppl” などの縮めた表現はよく使われています。

上の二つのツイートでも、

  • b = be
  • spokesppl = spokespeople
  • 2 much = too much

などの短縮表現が使われていますね!

補足

というわけで、アリ・フライシャーさんの書いていたことを改めてまとめると、

  1. Don’t make assumptions.(思い込みをしない)
  2. Reporting will skyrocket. Items that ppl ignored will now b called in.(報告は飛躍的に増える。それまで気にされなかったような話の種も必要になる)
  3. 1st reports will change.(第一報は変化する)
  4. Don’t RT sensational/extreme tweets. Rumors don’t help.(極端なツイートを RT しない。噂は役に立たない)
  5. For spokesppl, don’t rule 2 much in/out. Wait till you know.(情報を決めつけすぎないこと。わかるまで待つこと。)

ということで、これは私も十分注意したいところ。さらに筆者が、自身の経験から4つ注意事項を追加してはります。

  1. Media outlets need to turn off their automated Twitter feeds to ensure that frivolous and/or off-topic items don’t get sent out by mistake.(関係ない事柄が間違って投稿されないよう、自動投稿機能を停止すること)
  2. Use first-person eyewitness accounts and official sources like the Boston Police department’s Twitter account or official press conferences.(目撃者本人のアカウント、及び当局筋のアカウントや正式な記者会見などの公的な情報源を利用すること)
  3. Look to local sources.(地元メディアをチェックすること)
  4. Keep your tone as serious as the occasion merits, even if you are in the business of opinion journalism or cracking snarky jokes.(普段とは違っても、真剣なトーンを保つこと)

また、自身の経験から「すべきでないこと」についても触れています。

  1. Do not pass on speculation.(推測を広めない)
  2. Don’t shame people on Twitter for passing on speculation.(推測を広めた人に対して Twitter で面目をつぶさない)
  3. Don’t use a tragedy to make a political point before the facts are even known.(悲劇を利用して、事実も明らかにならないうちから政治的見解を述べない)
  4. Don’t retweet trolls.(釣りネタをリツイートしない)

元記事には実際の失敗談もいろいろ書かれていて、筆者自身の失敗談も書かれていました。昨年起きたコネチカット州ニュータウン(Newtown)での銃乱射事件で、当初容疑者と報道されたライアン・ランザ(アダム・ランザ容疑者の兄)の Facebook を発見したとツイートしてしまったというのがその内容で、最初に情報を流そうとしたあまり、痛い目を見たと正直な思いを吐露しています。


今回のボストン・マラソンでの爆発事件においても、事件から2日経った17日に、犯人逮捕の誤報が流れました。最初に流したのは CNN。


それに地元ボストン・グローブ(The Boston Globe)紙や AP 通信が続き、各社が AP 通信から配信されたニュースをそのまま報道して大きな誤解を生むことに。それを受けてボストン警察や FBI が否定情報を流し、FBI がメディアを “叱る” 場面もありました。

CNN は過去にも誤報を出したことが何度かあったので、私も今は大手メディアで何か有力な情報を見つけた場合でも、簡単にうのみにしないよう気をつけています。大手メディアは信頼が高いので信じやすいですが、非常事態は特に、受け手側も落ち着かなければなりません。

ちなみに、誤報でお騒がせした CNN は、がっつり政治コメディ番組のネタにされていました。

こういう点でアメリカのコメディ番組はうまく機能しているなといつも感心させられます。