4月にひょう(雹)!アメリカで停電初体験
今日、ジェガーさんと買い物に行こうとしていた時のこと。ジェガーさんが「スーパーの方角、雲やばくない?」と言ってきました。見ると、どす黒い雲がスーパーのある辺りにただよっています。
「ほんまや!雲めっちゃ黒い!」
「傘持って行っとこか」
というわけで、念のため傘を持って外出。数ブロック先のスーパーに行き、いろいろ買ってレジで会計をしていると、ピカッと外が光りました。直後に、どどーんと雷。外に出ると雨が降ってきました。
「うわ、雨降ってきたし」
「傘持ってきといて正解やったなー」
さっそく傘をさして歩き始めましたが、雨の勢いは増す一方。傘さしてんのに体がびちょびちょです。
「なんか、雨降りすぎじゃない?」
「ちょっと視界悪くなってきたな」
「どしゃぶりすぎて、もはや雨が痛いねんけど」
「っていうかこれ、雨ちゃうやん!ひょう(hail)やん!」
よく見ると、いつのまにか雨がひょうに変わっています。そりゃ痛いはずです。家まではあと1ブロックでしたが、途中で何回も「雨宿りしよ!」と言ってしまうくらい、つらい道のりでした。でも、ずぶ濡れでなんとか帰宅。
一息ついて窓から外を眺めると、あっという間にひょうが積もって道路が真っ白になっています。もはや4月半ばの景色とは思えません。圧倒されてそのままぼーっと佇んでいると、ジェガーさんが隣にやってきて言いました。
「あっこ見て、屋上の鳥、めっちゃ首うなだれてるで。かわいそうに」
「そりゃ鳥も、こんなけひょう降ってたら痛いやろうな〜・・・人間でもあんな痛かったのに」
「みんなめっちゃ首丸めてるやん・・・」
鳥を心配するジェガーさん優しいな、と思いながら、私はブログにひょうのことを書くため、カメラを持ってきて写真を撮り始めました。するとジェガーさん、「鳥の写真も撮って。」
鳥はめっちゃちっちゃいので、写真に撮っても黒い丸にしか見えません。普段あまり使わない望遠レンズを取り出してきてセットし、鳥の写真を改めて撮影し直すことにしました。すると・・・
「ちょっとあれ、鳥ちゃうやん!」
「えっ?」
「ビール瓶やん!!」
ジェガーさんが鳥鳥言うので私もすっかり鳥やと信じ込んでいましたが、完全にビール瓶です。いったんビール瓶に見えると、今までなんで鳥に見えていたのか不思議で仕方ありません。
ジェガーさんは恥ずかしがってお風呂へ。私は撮影したばかりのビール瓶の写真を取込んでいると、風呂場から「わー!」と聞こえてきました。
「どないしたん!?」
「電気消えたー!」
幸い外はまだ明るいので、窓際にいた私は気がつきませんでしたが、確かに家中の電気が消えています。外を見ると、まわりの建物も全部電気が消えている様子。
「停電やー!」
私、何気にアメリカで停電を経験するのは初めてです。どれくらい停電が続きそうなのか、全く検討がつきません。パソコンで停電のニュースを調べようとすると、インターネットもつながらなくなっていました。
「今日土曜日やし、もしかしたら復旧に時間がかかるかもしれへんから、ノートパソコンも蓋閉めときや。念のため電源も外しといた方がええで」とジェガーさん。さっきまであんなに恥ずかしそうやったのに、いつの間にか風呂から出てきて家中をきびきびチェックしてはります。
いきなりすることがなくなったので再び窓から外を眺めると、家の前の交差点は信号が消えていて、あちこちからサイレンの音が。時刻は午後6時過ぎ。今は完全に暗くなるのが7時半過ぎなので、まだしばらくは大丈夫そうですが、このまま夜になってしまったら本当に真っ暗になってしまいます。
「今の間に懐中電灯ちゃんと手元に置いときや。暗くなったら見つからんくなるで」とジェガーさん。ろうそくは家になかったので、ジェガーさんが外に買いに行くことになりました。
家で本を読みながらじっと待っていると、20分後くらいにジェガーさんが帰宅。
「ドラッグストア行ってんけどな、めっちゃすごかったわ!一緒に来た方が良かったで!」
「何がすごかったん?」
なんでも、ジェガーさんが行くと店は真っ暗で、入口のドアも閉まっていたそう。でもふっと向こう側に人影が見えたのでドアをノックしたところ、店員さんが出てきて「1組まで入れます」と言ってきたそうです。
「僕1人です」とジェガーさんが答えると中に入れてもらえて、店員さんが懐中電灯で足元を照らしながら「何をお買い求めですか?」
「ろうそくです」
「わかりました。私の後についてきてください」
懐中電灯の明かりを頼りに店員さんとろうそくコーナーまで行き、ジェガーさんが適当に数箱選ぶと、店員さんはその場で紙に品物と値段をチェック。その間ジェガーさんは懐中電灯で店員さんの手元を照らしてサポート。そこからまた懐中電灯の明かりを頼りにレジまで行くと、レジには3人の店員が並んでいたそう。
そのうちの一人に店員さんが先ほどのメモを渡すと、その人がジェガーさんに支払い額を伝え、ジェガーさんが現金を渡すとノートにメモ。その間に隣の店員さんが品物を袋に入れ、もう一人の店員さんはずっと2人の手元を懐中電灯で照らしていたそうです。
「あんなん初めてやったわ」
「うちも行けば良かった・・・」
「道路沿いも、店全部休業してたで。中華料理屋以外」
「中華料理屋は開いてたんや」
「ランタン持ってはったわ」
ジェガーさんが買ってきたろうそくは、甘い香りがするやつでしたが、まああることに越したことはありません。安心して2人で本を読みながら、「だんだん暗なってきたなー」と言っていると、7時半頃になっていきなり外から歓声が聞こえました。窓の外を見ると、店に電気がついています!それからまもなくして、我が家も電気が復旧しました。
思ったよりはやく電気が復旧して本当に良かったです。ちなみに、ネットがつながった後 YouTube を見てみたら、ひょうの様子がいくつかアップされていました。
いやほんま、すごかったです。