大麻(マリファナ)観光ビジネスブーム到来!?の記事で目にした「fraction」の意味とは?

先日、見過ごせない記事がありました。私のいるところで大麻(マリファナ)観光ビジネスが盛り上がりつつあるという記事です。

さっそく読んでみると、冒頭でマリファナを楽しむ街の人々の様子が描かれ、そのあとに

This “Member’s Frolic,” hosted by the organizers of a huge “protestival” called Hempfest, is but a fraction of the size of the annual pro-pot rally that drew an estimated 250,000 people to the Seattle waterfront last August.

と書かれていました。その “fraction” という表現が気になりました。

ポイント

“fraction” は「ごく一部」「ごく少量」という意味です。

fraction | Macmillan Dictionary

  1. a small part or amount of something
  2. [MATHS] a division or part of a whole number, for example ½ or ¾

上の文章では、「大規模 “プロテスティバル”『Hempfest』の主催者たちが開いているこの『Member’s Frolic』は、昨年8月に推定2,5000人を集めた毎年恒例マリファナ支持集会(Hempfest のこと)と比べると、ごく小規模のもの」と書かれていたんですね!

補足

というわけで、私のいるところでは、全米一の規模と言われているマリファナ・フェスティバル『ヘンプフェスト(Hempfest)』が毎年8月に行われています。

Seattle Hempfest 2010

(2010年の時の様子 by Joe Mabel [CC BY-SA 2.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/)], via Flickr

私は『ヘンプフェスト』は行ったことがありませんが、年々規模は拡大している模様。こちらに来るまではスターバックスとかマイクロソフトとか、美しい自然とか、そういったイメージが強かったので、初めてマリファナ・フェスティバルのことを知った時は驚きました。

その後、昨年12月に嗜好品としてのマリファナ所持が合法化。以前『嗜好品としての大麻(マリファナ)合法化のニュースで目にした「pot」の意味とは?』という記事にも書いたことがありましたが、アメリカでは現在、ワシントン州とコロラド州の2州で嗜好品としてのマリファナ所持が合法となっています。

ワシントン州の場合は、21歳以上であれば最大1オンス(約28グラム)までマリファナを所持することが可能です。固形マリファナ添加製品(マリファナ入りピーナッツ・バター・ファッジ・ブラウニーなど)の場合は1パウンド(約450グラム)まで、マリファナ添加飲料(マリファナ入り緑茶スムージーなど)の場合は72オンス(約2キロ)まで可。ただし、アルコールと同様、公共の場でのマリファナ使用は違法とされています。

マリファナ売買も、州の酒類規制委員会が免許制度などを確立後、今年12月から解禁される予定。強い幻覚作用を起こすマリファナの成分テトラヒドロカンナビノール(THC)の血中濃度が一定量(5ナノグラム)を超えた運転者は、逮捕の対象にもなります。(現在は DUI〔driving under the influence / 飲酒および麻薬の影響下での運転〕に対するチケット発行にとどまっています。)

また、連邦法のもとでは以前としてマリファナの所持、栽培、販売は違法とされているので、連邦機関の施設にはマリファナを持ち込まないよう気をつける必要があるそう。

私はワシントン州にいるので、嗜好品としてのマリファナ所持合法化後、日本にいる人から「マリファナ大丈夫?」と聞かれるようになりました。正直に言うと、昨年合法化されてから、街中を歩いていてマリファナのにおいを感じる機会は増えています。初めてマリファナのにおいをかいだ時はうぇっとなりました。

私はもともとタバコも吸わないので、タバコの煙もむせるのですが、マリファナのにおいはもっと鼻につーんとくる感じです。きついにおいで、道路を歩いていても脇にあるアパートからぷーんと漂ってくると、どの部屋の人が吸っているのかけっこうわかります。

とはいえ、もちろんみんながみんな吸っているわけではないので、マリファナ天国という感じにはなっていません。今のところマリファナ関連の大きな事件も起きていないようです。

でも、この CNN によると、どうも今州内でマリファナ観光ビジネスが盛り上がっている様子。

ワシントン州が契約したコンサルタントによると、なんとマリファナの販売で年間1億8000万ドル(約177億円)の税収が見込めるそうです。それに、さらに関連ビジネスの収入が加わります。

Recent calculations by a state-hired consultant projected that Washington State might earn up to $180 million in yearly tax revenue from marijuana sales (yes, retail pot shops), not to mention the revenue from a quickly growing list of related cottage industries.

CNN の記事には、すでに登場しているマリファナ関連ビジネスがいくつか紹介されていたので、拾い上げてみました。

  1. マリファナ持ち込み可のバー
  2. すでに BYOP(bring your own pot / マリファナ持ち込み)を許可しているバーが州内に2軒あるそうです。ただし酒類監理委員会は、アルコールを提供するバーでのマリファナ使用を禁止するルール作りを始めています。

  3. マリファナ・ベーカリー
  4. マリファナの入りのクッキーなどを売るマリファナ・ベーカリー『Zzyzyx』というのがあります。

  5. マリファナ・ガイドブック
  6. マリファナ版 ZagatYelp のような評価サイト『Leafly』というのがオープンしています。

この他にも企業家たちがさまざまなビジネスモデルを考えていて、ワイナリーツアーならぬマリファナ農場ツアーや、マリファナのファーマーズ・マーケット、マリファナ・カフェなどの企画がいろいろ持ち上がっているそう。

“I’ve heard everything pitched to me from gaming lounges, where there would be a series of recliners and you can get stoned and play Xbox all day, to cannabis cafes where there’s a full menu that really adheres to the cannabinoids (the chemicals in cannabis) and how they affect your taste buds and your interaction with food,” Bricken says. Some entrepreneurs have talked up the idea of “evaluation bars,” where people could bring their own marijuana and experts would educate them on each strain’s composition and its potential effects, and Bricken says the sophistication level could eventually rival that of high-end wine purveyors.

Washington’s wine industry, in fact, is often cited among cannabis enthusiasts who envision similar tours through bucolic, organic pot farms. Bricken says she has already spoken with winemakers and commercial farmers in eastern Washington who are considering whether a certain new crop might help them tap into a big curiosity factor and generate new revenue. Cannabis farmers markets — currently limited to medical marijuana patients — also are popping up around the region and poised to expand their customer base.

私のいるところはガラス産業も有名なのですが、マリファナ用水ギセル(bong)の手作りグラス教室開催を考えているガラス工房もあるとか。

どうやら、直接マリファナを提供するのはリスクが高いため、関連ビジネスに参入する動きが活発化しているようです。

Instead of directly providing marijuana — a model that may prove too risky for many — businesses are positioning themselves as experts in enhancing the experience.

水面下でそんな動きが活発化しているなんて、全然知りませんでした。今年の『ヘンプフェスト』はさらに人が増えそうな予感がします・・・

ちなみに、日本の大麻取締法には日本国民の国外犯処罰規定があるため、日本人がこちらでマリファナを所持するのは同法違反となります!

関連

▼その後、ヘンプフェストに行ってみました!→ 世界最大のマリファナ・フェスティバル『ヘンプフェスト』潜入レポート