銃乱射事件に対処する訓練ビデオで耳にした「authorities」の意味とは?

先週参加した研修で、今アメリカで深刻視されている銃問題についての話があり、その時にこんなビデオを見せられました。



米国国土安全保障省(U.S. Department of Homeland Security)が制作した『RUN. HIDE. FIGHT.』というビデオで、自分が銃乱射事件に実際に巻き込まれたら、生き延びるためにどうすれば良いかというのを説明する内容です。

この中で、

The authorities are working hard to protect you and to protect our public spaces.(0:22)

というナレーションが気になりました。

ポイント

“authorities” は「当局」という意味で、ニュースなどでもよく耳にします。

authorities [PLURAL]| Macmillan Dictionary

the authorities [PLURAL]: the police or people in other official organizations with legal power to make people obey laws or rules

(警察や、人々を法や規則に従わせる法的権限を持つ公的機関のことを言うんですね!ちなみに、”authority” と単数形になると、「権力」「権限」などの意味になります。)

ビデオのナレーションは「当局は、皆さんや公共の場を守ることに懸命に取り組んでいます」と言っていたのでした。それでも最悪の事態は起こるので、自分で自分の身を守る術を知っていないといけない、という主張へつながっています。

補足

ということで、このビデオの中では、3つのキーワードが挙げられていました。

  1. RUN
  2. まず1つ目は、逃げること。どうしても逃げられない時は他の方法を考えますが、逃げられる余地がある時は、隠れるよりも逃げるようにします。逃げられる状況で隠れている人がいたら、積極的に連れ出して一緒にその場から逃げます。ただし、そのような場合、怖がったりしてなかなか動かない人もいるので、かまっていて逃げ遅れたりしないよう毅然と振る舞うことが大事です。所持品のことは忘れ、まずは自分の身の安全を考えること。安全なところまでたどり着いたら、他の人が危険に近づかないようにして、911 に連絡します。

  3. HIDE
  4. どうしても逃げられない状況にいる時は、隠れる方法を探します。素早く、そして静かに行動することが大事です。隠れる時は電気を消して、可能であればドアをロックします。電話が鳴ったりしないように、音量やバイブレーションを無音にすることも忘れずに。安全な部屋やクローゼットなどが見つからない時は、大きな物の後ろに回るなどして身を隠します。できるだけ気持ちを落ち着かせ、気配を悟られないようにします。

  5. FIGHT
  6. 最後に、もしもの場合は戦う身構えも必要です。一人の場合も複数の場合も同じ。武器をその場で調達し、犯人の武装解除に全力を尽くします。

私はアメリカに来てから一度、銃を目の当たりにしたことがあります。日曜日のお昼、ジェガーさんと「タイ料理テイクアウトするか」という話になってジェガーさんが店に電話し、それを取りに行こうと家を出た時のことでした。

ちょっと遅れてしまったので、早く店に着くために、何回か通ったことのある路地を横切ることにしたんです。50〜100mくらいで、両側は人通りもある路地なんですが、日曜のお昼やから気を抜いていました。

路地の真ん中くらいまで進んだところで、いきなり並んで歩いていたジェガーさんの様子に異変が。反射的に前を見ると、路地から大通りに出る手前にストリート風の兄ちゃんがいて、なんと銃を持っています。

状況は全くよくわかりませんでしたが、変なことに巻き込まれたくありません。幸い兄ちゃんは私たちの様子に気付かず、違う方向を見ているので、私たちはそっと回れ右をし、来た方向に歩き始めました。そしてダッシュ。

私は自分がもしこのような身の危険を感じる場面に遭遇したら、きっと足がすくんで動けなくなるに違いないと思ってましたが、ジェガーさんも一緒にいたからか、意外と冷静でした。それでも、銃を見た瞬間、兄ちゃんのいる方向へは全く足が出なくなりました。

一応銃社会と言われていても、日常生活で銃を見る機会は滅多にありません。なのでジェガーさんも驚いていましたが、ほんま日曜の昼間とか関係なく、常に人通りのある道を選ばなあかんと再確認した次第です。

私たちの住むアパートでは女性が進入してきた暴漢に襲われたこともあったので、私は夜仕事などで一人で出かける時は、防犯ベルと催涙スプレー(mace)を持ち歩いて気をつけています。

1週間ほど前、私たちの住んでいるアパート内で、女性が暴漢に襲われるという事件がありました。

アパートの入口はオートロックになっているのですが、管理人のおばちゃんによると、女性を襲った人は
アパートの住人が中に入る際に背後にくっついて一緒にドアを通り抜けた模様。心配性のジェガーさんはこれを聞くと縮み上がり、悲壮な顔で「mace 買わな!」と言いました。

これを mice と聞き間違えた私が「何でネズミやねん!」とつっこむと、

「催涙スプレーやっちゅーねん!」
「え・・・催涙スプレーって、そんなん普通に売ってんの?」
「知らん」

その後しばらく何か考え込んでいるジェガーさんでしたが、やがて近所の工具屋さんに電話し始めました。

「あっすみません、催涙スプレー売ってますか?」とジェガーさんが聞くと、「催眠スプレー?あるでー」と工具屋のおっちゃん即答。「ほんまですか?ほな今から買いに行きますー」と言って、ジェガーさんさっそく催涙スプレーを買ってきはりました。
mace
私は催涙スプレーというものを見るのはこれが初めてなのですが、皮のケースに包まれていて、パッと見ただけではまるでおしゃれなライターのよう。ジェガーさんを暴漢に見立てて催涙スプレーでやっつける練習を何回かした後、正式に私の防犯グッズになりました。

via You are a cold-blooded peson.: Are You A Normal Japanese Girl?(2011年3月)

やはりいつどこで何があるかわからないので、普段から最悪の事態を想定して、逃げ道や自分の身を守る手段を考えておくようにしておきたいものです。

復習1

Q.『RUN. HIDE. FIGHT.』のビデオで、”The warning signs may vary, but the devastating effects are the same.”(0:51)というナレーションがありますが、この “devastating” の意味は何だったでしょう?

A. 山梨県の笹子トンネルの事故を伝える記事で目にした「devastating」の意味とは?

復習2

Q. 同じく『RUN. HIDE. FIGHT.』のビデオで、”The first responders on the scene are not there to evacuate or tend to the injured.”(4:40)というナレーションがありますが、この “evacuate” の意味は何だったでしょう?

A. リビアのアメリカ大使館襲撃事件のニュースで耳にした「evacuate」の意味とは?