アメリカの交通渋滞に関する記事で目にした「when it comes to」の意味とは?

今週チェックしていて興味深いと思ったのが、ワシントン・ポスト紙の『Washington rated the worst for traffic congestion — again』(2013年2月)という記事。



さっそく読んでみると、冒頭に

When it comes to traffic congestion around Washington, even the good news is bad, and it goes downhill from there.

と書かれていました。

ポイント

“when it comes to” は、昔受験勉強をしていた頃に参考書に出てきて覚えた記憶があるのですが、日常生活ではよく使われています。

when it comes to something | The Free Dictionary

when it comes to something: as for something; speaking about something.

(スピーチなどでもよく耳にするイディオムです!)

「ワシントン D.C. 周辺の交通渋滞となると、良いニュースでさえも悪いもの。しかも、さらに悪くなる一方です。」と記事には書かれていたのでした。この出だしの一文だけ読むとちょっと意味がわかりづらいですが、そのあとに “The No. 1 ranking is the good news. The bad news is that it’s going to get worse.(一位なのは良いですが、良くないのは今の状況がさらに悪化することです。)” と続いているので、「せっかく1位の座を獲得したけど、全然喜ばしくない」というニュアンスが感じられます。

補足

というわけで具体的に読み進めていくと、ワシントン D.C. というのはほんまに道路状況がひどそうです。車を運転する人が渋滞に費やす時間は年間平均67時間。渋滞に使うガソリンの量は年間平均32ガロン(約121リットル)に及びます。

何か対策が施されない限り交通渋滞はさらにひどくなる見通しやそうで、2020年までに国内の車利用者が渋滞に費やす時間は年間7時間増、渋滞に使うガソリンの量は6ガロン(約23リットル)増となる可能性も。

ワシントン D.C. の次に道路状況がひどいのは予想通りロサンゼルスで、以下サンフランシスコ、ニューヨーク、ボストンと続きます。主要都市の中では、ノースカロライナ州にあるローリー・ダーラムが最も渋滞が少ないそう。

興味深いのは、今年初めて「Planning Time Index」という指標が導入されたこと。これによって、よくラジオの交通情報で言われるような “allow a little extra time(少しお時間に余裕を持って)” というアドバイスに対して具体的にどれだけ余裕を持てば良いのかがわかるようになったそうです。

For the first time this year, the Institute came up with a new metric to salt the wound that is traffic congestion around Washington. It calculates the true meaning of an expression often used on traffic radio reports — “allow a little extra time” — a polite way of telling drivers that their traffic nightmare meter has hit the red zone.

The Institute calls it the Planning Time Index, and this is how Tim Lomax, one of the study’s authors, explains it: “It’s predicated on the notion that your boss will let you be late to work one time a month and you’d better be on time the other 19 days.”

たとえば、ワシントン D.C. の指標は5.72ポイント。大都市の中では、ソルトレイクシティが最も低く、2.02ポイントとなります。

つまり、ワシントン D.C. では目的地まで通常20分かかるような場合、ラッシュアワーのまっただ中に重要な用事があって絶対に遅刻したくないと思ったら、20×5.7=114分の余裕を持って家を出るのが望ましいのやそう。約2時間です。ワシントン D.C の道路状況がどんなもんかいまいちピンと来ない私でも、これはよっぽどやとわかります。ただし、この指標は悪天候や事故、特別なイベントや工事、大統領専用車列の行進などを全てひっくるめた結果やそうなので、114分というのは、「どんなに最悪な状況でも114分あれば絶対に間に合う時間」と考えれば良いようです。

この指標を発表している Texas A&M Transportation Institute によると、交通問題をすぐに対処すること、交通容量を増やすこと、他の交通手段の利用や柔軟な勤務スケジュールの採用を促すことなどを解決策として挙げていますが、どれも前から言われていることではあります。

The Institute provided a plan for addressing congestion that applies to the Washington region and the rest of the nation. It was a collection of ideas, many of which are already in use.

It included addressing immediate traffic problems — such as having tow trucks poised to sweep away wrecks and stalled vehicles, and using metered freeway on ramps to modulate traffic flow — and obvious goals of increasing capacity, encouraging transit use and embracing flexible work schedules.

“You should be able to call the boss and say ‘Traffic’s bad today, how about if I telecommute for now and come in two hours later?’ ” Lomax said. “And you need to take advantage of those options when they make sense for you. Don’t just get stuck in the rut of ‘I drive my car to work every day because that’s just what I do.’ ”

道路状況の悪い都市トップ10も紹介されていましたが、私の住んでいるところもフィラデルフィアと並んで9位にランクイン。
traffic in Seattle
やっぱりあんまり嬉しくないです。でも、全米9位のここですら普段生活していて渋滞に文句を言っている人は多いので、トップ3の都市はどんなけ渋滞ひどいんやろと思わずにはいられません。

ちなみにわが家は、1年くらい前までジェガーさんの年代物のジープでいろいろ出かけていたのですが、駐車料金やガソリン代の値上げにジェガーさんが我慢できなくなり始めたうえ、車のあちこちが故障し始めて修理代もかかるようになったため、今は車を手放して2人ともバスで移動しています。

「車がない」と言うと結構驚かれて「不便ちゃいます?」と言われることが多いのですが、ジェガーさんはバスを使うようになってから「ストレスが減ったー!」と喜んではります。こちらのバスは時間通りに来ないことが珍しくないので、「バスを待つ」ということに対するストレスは日本よりも大きいですが、いったんバスに乗ってしまえば本を読んだり音楽を聴いたりして自由に過ごせるので、楽といえば楽。ジェガーさんにとっては、駐車する場所を探すのに同じところをぐるぐる何周も回ったりする必要がないのが何より嬉しいそうです。

そう考えると、一見車の方が便利そうな気もしますが、実際はバスも車も不便さは似たり寄ったりなんかもしれません。

ただ最近一つ気になるのが、大手自動車メーカーのダイムラー(Daimler)が展開する『Car2Go』というカーシェアリング・サービス。

ヨーロッパや北米の主要都市で展開していて、私のいるところでも『Car2Go』仕様のマイクロコンパクトカー “スマートSmart)” を目にする機会が増えてきました。このカーシェアリング・サービスの最も良いところは、指定区域内であれば、どこでも駐車料金を気にせず自由に停められるところ。事前登録さえしておけばいつでも利用できて、どこでも乗り捨て可能なので、家の前が指定区域内に含まれていれば家の前に停めても問題ありません。それをまた他の利用者が見つけて乗って行きはるので、自分は近くにある Car2Go を探せば良いだけという、実に合理的なシステムになっています(Car2Go がどこにあるかは専用アプリでも調べられます)。電気自動車で環境にもやさしく、ガソリン代を支払う必要も一切なし。

私たちはかつて『Zip Car』というカーシェアリング・サービスを利用していたことがありますが、こちらは2人以上乗れて車種が選べる一方、Zip Car 専用の駐車場を利用する必要があるので、どこにでも好きな場所に停められるというのはやはり魅力的。

近々機会があればジェガーさんと Car2Go デビューしてみたいと思います。

復習1

Q.『Car2Go』のプロモーション・ビデオでナレーションが “Because Car2Go are available everywhere, with no fixed rentals.”(0:36)と言っていますが、この “available” の意味は何だったでしょう?

A. 人にも物にも使われる「available」の意味とは?

復習2

Q.『Car2Go』のプロモーション・ビデオでナレーションが “Car2Go: wherever, whenever — just get in and drive.”(1:05)と言っていますが、この “get in” の意味は何だったでしょう?

A. 車を運転している人などがよく使う「Get in.」の意味とは?