米大統領選テレビ討論会第1ラウンドでのミット・ロムニー氏の優勢を伝えるニュースで耳にした「capitalize on」の意味とは?

先週行われたオバマ(Obama)、ロムニー(Romney)両候補によるテレビ討論会の第1ラウンド。昨日もちょっとだけ紹介しましたが・・・



メディアの反応を見ていると、どうやら第1ラウンドはロムニー氏の方に軍杯が上がっている様子。
Romney and Obama
下のビデオでも、ロムニー氏の優勢を伝えた上で、キャスターがリポーターに “How do they capitalize on it going forward?”(3:28)と聞いていました。

ポイント

capitalize on は「〜をうまく利用する」という意味です。

capitalize on | Macmillan Dictionary

capitalize on something to use an event or a situation to help you to achieve something or to get an advantage

(もともと “capital〔資本〕” という単語から派生して “capitalize〔資本化する〕” となっているわけですが、そこから「利益を生み出す」→「チャンスをものにする」という意味になっているんですね〜。『How to capitalize on flight delays』という記事の見出しにも使われていました。)

キャスターは「ロムニー陣営はこの状況をどうやってうまく利用して前へ進んでいくのでしょうか?」と言っていたんですね。

それに答えるリポーターの回答でも “The governor travels to Virginia right away, to Florida tomorrow, those key swing states where hopefully he can capitalize.(州知事はすぐにヴァージニア州へ向かい、明日にはフロリダへ到着予定。これら2つのスイング・ステートでうまくチャンスをつかみたいところです。”(4:11)というところに “capitalize” という言葉が含まれていました。

※補足:本来はここでも “capitalize on” となるところですが、その前に関係副詞の “where” が使われているので、”on” が省略されています。(関係副詞と聞くと、高校の文法の授業を思い出します。)

補足

というわけで、今回ロムニー氏が優勢と伝えられた理由の多くは、彼の方がパフォーマンスにキレがあったからというもの。一方のオバマさんは、「疲れているみたいやった」「元気なかった」「ちょっと準備不足やったんちゃうか」「討論久しぶりやったしな」など、全体的に「覇気のなさ」が指摘され、討論の内容以上に両者の討論に向けた態度が重要視されている印象でした。

そもそもこのテレビ討論会というのは、投票する国民に向けて行われるもので、有権者はこれを見て「どちらが大統領によりふさわしいか」とイメージするそう。だから内容だけでなく、態度や見た目の印象なども重視されるんですね。なんだか企業の面接みたいです。

CBS News なんて 元 FBI のボディランゲージのエキスパートで『FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学(What Every BODY is Saying: An Ex-FBI Agent’s Guide to Speed-Reading People)』の著者ジョー・ナヴァロ(Joe Navarro)氏を招いて、オバマさんのボディランゲージを分析してはりました:

ちなみに、第2ラウンドは10/16(火)〔米時間〕です。第1ラウンドは内政(domestic policy)がテーマでしたが、第2ラウンドは外政・内政(foreign and domestic policy)がテーマ。オバマさんのボディランゲージの向上具合にもぜひ注目してみたいと思います。

参照

大統領選のディベートの特徴がよくわかります:

第1ラウンドの重要論点がとてもわかりやすくまとめられています:

関連

第1ラウンドのビデオ(完全版)は昨日の記事にアップしています→ 恋人や家族はもちろん、優しくしてくれた人などにも使われる「sweetheart」の意味とは?