『ザ・マスター』も『ノルウェイの森』も!サウンドトラックで新たな才能を発揮するレディオヘッドのジョニー・グリーンウッド
先週の日曜日に観に行って以来、ずっと考えています、ポール・トーマス・アンダーソン(Paul Thomas Anderson)監督の最新作『ザ・マスター(The Master)』(日本は来年3月22日公開)のこと。
内容についての感想は先日述べましたが、あの映画で最も心に残ったものの一つに音楽があります。
(BY Zach Klein [CC-BY-2.5], via Wikimedia Commons)
サウンドトラックを手がけているのは、レディオヘッド(Radiohead)のギタリスト、ジョニー・グリーンウッド(Jonny Greenwood)。予告編を観た時から「音楽ええなー!」と思っていたのですが、本編を観たらますます惚れてしまいました。
日本語字幕付きはこちら→ 映画『ザ・マスター(原題) / The Master』予告編 | YouTube
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ジョニー・グリーンウッドがポール・トーマス・アンダーソンと組むのはこれが2回目です。初めて2人が組んだのは、ポール・トーマス・アンダーソンの前作『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(There will be blood)』(2007)でした。
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カテゴリ:Soundtrack(全11曲)
リリース:2007-12-17
レーベル:℗ 2007 Nonesuch Records, Inc.
価格1,500円
EW のインタビュー記事『There Will Be Music』(2007)によると、ポール・トーマス・アンダーソンがオランダのロッテルダム(ロッテルダム)の映画祭でドキュメンタリー映画『Bodysong』(2003)を観て、その音楽に惚れ込んだのがそもそものきっかけだったようです。『Bodysong』は、ジョニー・グリーンウッドが初めてサウンドトラックを手がけた作品。
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カテゴリ:Soundtrack(全13曲)
リリース:2003-10-27
レーベル:℗ 2003 The copyright in this sound recording is owned by EMI Records Ltd
価格1,500円
か、かっこいい・・・
そのあとポール・トーマス・アンダーソンは、ジョニー・グリーンウッドが作曲した『Popcorn Superhet Receiver』を耳にして虜に。この音楽の一部は『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』にも使われています。
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カテゴリ:Classical(全15曲)
リリース:2012-03-09
レーベル:℗ 2012 Nonesuch Records Inc., a Warner Music Group Company.
価格1,700円
この曲を聴いたポール・トーマス・アンダーソンの感想:この曲もう何度も何度も聴いてるんですけど、そうすると聴いていない時ですら、まるでステレオを他の部屋でつけっぱなしにしといたような、そんな気分になるんですよ。
それを聞いたジョニー・グリーンウッド:えっ、それこそまさに自分がこの曲を書いた理由なんです!この曲のコンセプトは、音楽が流れていると思う時に実は音楽はない、というもの。たとえば掃除機を使ったりしている時に、ラジオも流れていると思って掃除機を止めるでしょう。でもそこに音楽はない。それがこの曲の書き始めになっているんです。
こういうのを聞くと、音楽の表現性ってほんま深いな〜と思わされます。私にはどことなくスタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)作品で流れてそうな音楽にも聞こえてきて、ジョニー・グリーンウッドの音楽性はほんまに映画向きなんちゃうかとすら思えてきました。
ちなみにジョニー・グリーンウッドは他にも、『ノルウェイの森(Norwegian Wood)』(2010)や、『少年は残酷な弓を射る(We Need to Talk About Kevin)』(2011)などのサウンドトラックも手がけています。
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カテゴリ:Soundtrack(全14曲)
リリース:2010-11-24
レーベル:℗ 2010 (1,2,4-6,8-11,13,14) Unreliable Ltd., 2010 (3,7,12) Spoon Records Ltd.
価格1,500円
『少年は残酷な弓を射る』は前から観たいと思っていてまだ観ていなかったので、観なきゃです。
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