仕事場などでよく使われる「I gotta get to work.」の意味とは?

今日はこちらは Labor Day です。7/4の独立記念日(Independence Day)以来の3連休で、私は朝からのんびりしているのですが、ジェガーさんは少しだけ仕事があったらしく、朝思い出したように “I gotta get to work.” と言いました。

ポイント

“get to work” は「仕事にとりかかる」という意味です。「仕事にとりかからな〜」とジェガーさんは言っていたのでした。日常生活ではよく使われています。

get/set to work | Cambridge Dictionaries Online

get/set to work: to start doing a job or a piece of work

(”set to work” も同じ意味なんですね〜)

ケヴィン・スミス(Kevin Smith)監督のデビュー作『クラークス(Clerks.)』(1994)でも、ダンテ(Dante / ブライアン・オハローラン)がランデル(Randal / ジェフ・アンダーソン)に “What time did you get to work today?(おまえ今日何時から仕事始めてん?)” と言っていました(0:17)。

補足

また、先週ジェガーさんと観に行った映画『Compliance』(日本公開未定 ※追記参照)でも、”Let’s get to work.”(0:15)が使われていました。

とあるファスト・フード店にある日 “警察” から電話が入り、「客の金を盗んだ」という容疑でアルバイトの女の子が事務室で丸裸にされ、”身体検査” という名目の性的暴行が行われるという衝撃的な事件を描くこの映画。

実はこれ、2004年にケンタッキー(Kentucky)州のマクドナルドで実際に起こった事件がもとになっています。
McDonalds

(イメージ図 by M.F. Naaldenberg [Attribution], via Wikimedia Commons

映画の始めに “Based On〜” ではなく “Inspired By True Events” と表示されたので、ジェガーさんと「どっからどこまでが事実に基づいてるんやろ」と言い合っていたのですが、なんと映画のほぼすべてが事実に基づいていると知ってびっくり。

普通は警察が “身体検査” を警察以外の人にやらせるなんてことは絶対にありえないはずです。被害者のアルバイトの女の子も「おかしい」と思っていたみたいですが、相手が「警察」で、「逮捕されたらどっちみち身体検査は行われる。今その場で身体検査するのとどっちがええねん」と言われて身動きがとれなくなった模様。

一方マネジャーの方は、とても忙しくて業務管理以外のことに時間を割いている余裕がないという様子がうかがえます。マネジャーとして問題を大きくしたくないという心理もあったと思います。ストレスがたまっている状況下で、「ちゃっちゃと終わらせたい」という気持ちが先行するあまり、”警察” の言うことを深く考えないで鵜呑みにしてしまい、取り返しのつかない事態を引き起こしてしまったのかもしれません。実際、被害者の女の子はマネジャーに途中何度も訴えるのですが、マネジャーは相手にするどころか、いくつもの異変にさえも気がつきません。
途中まで私はこの作品は被害者の女の子が主人公だと思っていたのですが、最後まで見ると、実はこの映画の真の主人公はマネジャーなのかもしれないと思わされました。

ちなみにタイトルの “compliance” は「(法や規則などの)順守」という意味です。

compliance | Dictionary.com

  1. the act of conforming, acquiescing, or yielding
  2. a tendency to yield readily to others, especially in a weak and subservient way.
  3. conformity; accordance.
  4. cooperation or obedience.
  5. [Physics] (a) the strain of an elastic body expressed as a function of the force producing the strain. (b) a coefficient expressing the responsiveness of a mechanical system to a periodic force.

(5. は物理用語です!)

今年のサンダンス映画祭(Sundance Film Festival)では「不快な(disturbing)映画」として話題になったそうで、私も途中観続けるのがちょっと嫌になりましたが、「権威の持つ暴力性」については非常に考えさせられました。

追記

(6.12.2013)
なんと、『コンプライアンス 服従の心理』という邦題で、日本公開が決定していました! といってもまだ3劇場しか決まっていない(6/12現在)みたいですけど、新宿シネマカリテ@cinema_qualite)での公開は6月29日(土)です!