債務上限引き上げに関するニュースで何度も耳にした「loom」の意味とは?
先週、『米政府機関が閉鎖!のニュースで何度も耳にした「resolution」の意味とは?』という記事で米政府機関閉鎖(government shutdown)について取り上げましたが、実は同時進行で、もう一つやっかいな問題が起こりつつあります。それは、債務上限(debt ceiling)の問題。
米議会(Congress)が10月17日までに債務上限を引き上げなければ、債務不履行(default)に直面すると言われています。
そこでニュースをいろいろ見ていると、”loom” という単語を何度か耳にしました。下の映像でも、
…the real solution is getting the debt cieling solved so there’s enough money to pay for everything fully, but that’s a whole different fight and until it’s solved, that red letter day just keeps looming.(1:13)
と言ってはります。
ポイント
“loom” はこの場合、「迫る」という意味で使われています。
- if something unpleasant or difficult looms, it seems likely to happen soon
- to appear as a large shape that is not clear, usually in a threatening way
(よくないことや困難などに使われると、「迫る」という訳になるんですね!)
つまり、”債務上限問題が解決できれば、全部払えるだけのお金が用意できるのですが、それはまた全く別の争いであり、解決するまで運命の日は迫り続けます” と言っていたのでした。
補足
そもそも、こういう問題にあまり詳しくない私としては、「債務上限って何?」という感じだったのですが、冒頭のビデオでも説明されている通り、現在アメリカは借金を600億ドル抱えています。が、手持ちのお金はその半分の300億ドルくらいしかありません。
一番手っ取り早い方法は、足りない分をまた借金することですが、アメリカでは議会によって借金できる上限額が決まっています。これが、債務上限(debt ceiling)と呼ばれるものです。
そこで、今その上限額を引き上げようとごたごた揉めているんですね〜
もし債務上限が引き上げられなければ、今度は支出をカットせざるをえません。米政府機関が閉鎖した時は、社会保障費や年金は通常通り支払われていましたが、債務不履行になってしまうと、今度はそれらの支払いも難しくなってきます。そうすると、消費が落ち込み、景気が落ち込み、えらいことになってしまいます。
そんな事態が引き起こる可能性まで、あと約1週間。ちなみに、2011年にも似たようなことがあり、その時は前日に債務上限引き上げ法(Budget Control Act of 2011)が成立しました。
【8月3日 AFP】米上院は2日、デフォルト(債務不履行)を回避するために債務上限を引き上げる一方で、大幅な歳費削減を盛り込んだ法案を74対26の賛成多数で可決した。バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が署名し、法律として成立した。
同法は、債務の上限を2兆1000億ドル(約162兆円)引き上げる代わりに、今後10年間で歳出を約2兆4000億ドル(約185兆円)削減するという内容。
下院は前日夜、269対161の圧倒的な賛成多数で可決していた。債務上限が3日午前0時(日本時間同午後1時)までに引き上げられない場合、米国初の債務不履行に陥る危険性があった。
via 債務上限引き上げ法が成立、米国 国際ニュース | AFPBB News(8.2.2011)
オバマさんがもう最近ますますやつれて見えて心配ですが、この土壇場をなんとか乗り越えてもらいたいものです。