祝!アメリカで運転免許を取得しました!
今年7月に運転免許を取得することを決め、7月末に筆記試験に合格し、教習所で練習したりしながらちまちま実技試験の準備を進めてきたのですが、今週ついに実技試験を受ける日がやってきました。
予約は9月後半にしていたのですが、10月第2週目まで予約いっぱいという混みっぷり。実技試験は教習所で行われるので、予約をした教習所に向かうと、車が1台停まっていました。私が教習所で練習をした時の車と大きさはよく似ています。
私の他にもう一人男の人が待っていたので、二人で待っていると、雨が降ってきました。ワイパーを使うのは避けたいのに、雨はどんどん強くなっていきます。
やがて約束の11時になり、駐車場に教習所の車が新たに2台入ってきました。片方からは、サンタクロースのような朗らかな表情のおっちゃんが、もう片方からは渋い表情のおっちゃんが降りてきます。隣で待っていた男の人がすかさずサンタクロースのおっちゃんの方に駆け寄っていくので、私も慌てて後を追いましたが、まんまと男の人にサンタクロースさんを取られてしまいました。車からはそれぞれ生徒も降りてきたのですが、サンタクロースさんの車から降りてきた女の子はめっちゃるんるんしているのに、渋い顔のおっちゃんの車から降りてきた女の子は顔がひきつっています。
「うわー最悪やー」と思っていると、サンタクロースのおっちゃんが私の名前を呼びました。
「次担当する人は・・・これは Riho って読んだらええんかな?」
「!」
担当者、始めから決まってたんやー!
男の人の顔を見ると、めっちゃ顔がひきつっています。私は高鳴る胸を押さえながら、サンタクロースさんの車に乗り込みました。
私が申し込んだのは、実技試験+30分間の事前練習付きプランです。「何練習したい?」と聞かれたので、すかさず「バックで角を曲がる練習がしたいです」と言いました。
「ついでに縦列駐車(parallel parking)もやっとこか」
「はい!」
住宅街まで行く間、おっちゃんはずっとご機嫌。今にも鼻歌を歌いだしそうなくらいです。住宅街に着いた途端、「じゃあそこ、2台停まってるところでまず縦列駐車してみよか」と言いました。
私は縦列駐車はあんまり練習していなかったので、がちがちになりながら縦列駐車開始。タイヤが縁石に当たってしまいました。
「こういう時、一回外に出てもう一回入れ直したら減点になるから、こうやってうまく調整してみて」と言いながら、おっちゃんはギアをニュートラルに入れ、巧みに角度を調整していきます。
「今のところはスペースがちょっと狭かったな」とおっちゃん。「あっちにもうちょっとスペース広いところあるから、今の要領でもっかい縦列駐車してみよか。」
ところが2回目はタイヤが縁石に当たらないよう注意しすぎて、今度は縁石よりもかなり離れて駐車してしまいました。本当は12インチ以内に停めていなければいけません。
「バックして、右にハンドル切って、45度くらいまで曲がったら左にハンドル切るんやで。今はちょっとハンドル切るのが早かったんちゃう。」
おっちゃんの言うことをひとつひとつ胸に刻みながら、今度はバックで角を曲がる練習です。すでに練習時間の30分を超えていますが、おっちゃんは黙認してくれています。
バックで角を曲がる時も、縁石からかなり離れてしまったので、「縁石まで見えるように、右のサイドミラーをもうちょっと下向きに調節してみ」とおっちゃん。それだけで、一気に感覚がつかみやすくなりました。感激する私の横で、にこにこするおっちゃん。
「ほな、このまま試験いこか」
「お願いします」
「じゃあまず、まっすぐ行って〜」
まずは、住宅街を右に曲がったり、左に曲がったり、あちこち運転します。この辺で練習したことがない私は、道がわからずてんてこまい。しょっぱなから STOP サインで停まるのを忘れてしまいました。
さーっと顔から血の気が引く私の横で、「最終的に80点取れれば良いんやから」とぼそっとつぶやくおっちゃん。
せやせや、80点取ればええねん!、と気を取り直し、運転に再度集中します。
その後、バックで角を曲がったり、縦列駐車をしたり、坂道駐車をしたり、レーン替えをしたりして、なんとか駐車場に帰還。
もう心臓がえらいこっちゃです。おっちゃんがスコア表に最終チェックをして点数を数えている横で、私も猛烈に頭の中で計算しました。
「・・・84点やな」
「ってことは・・・!」
「合格やな」
「ありがとうございます!!!」
その後おっちゃんと一緒に、減点されたところをレビュー。バックで角を曲がる時にまた縁石から離れてしまったこと(-2点)、縦列駐車でも縁石から離れてしまったこと(-2点)、レーン替えの時にきちんと黙視していなかったこと(-4点)、左折する時の角度が急だったこと(-6点)、通行権を守れていなかったこと(-2点)などが主な減点ポイントでした。
「免許は一応取れたけど、もっと練習した方がええで」
「めっちゃ練習します!!」
おっちゃんは練習中も試験中もずっとご機嫌で、私も緊張はしましたが嫌な気分には全くならなかったので、車から降りて握手を求められた時はもう両手で握手しまくってました。
というわけでなんとか一回で実技試験をパスすることができましたが、今回強く思ったのは、教習所で実技試験を受ける場合は、できればその教習所で何度か練習をしておくと良いということ。慣れた道で運転するだけでストレスが減るのと、慣れ親しんだ教官の存在もすごく大きいと思ったからです。私は30分の事前練習オプションを追加するかどうかめっちゃ悩んだのですが、結果的にサンタクロースさんとの信頼関係が試験前にわずかながらも築けたので、奮発して良かったです。
引き続き、早く一人前に運転できるようになるためにがんばります!