お金を忘れた(と思っていた)知人のテキストに書かれていた「scratch that」の意味とは?
先週末、ジェガーさんの幼なじみが近くに来たついでに家に泊まっていきました。翌日、3人とも用があったので一緒にでかけたところ、バス乗り場で幼なじみが「あっしまった!ジェガーん家に12ドル忘れてきてもーた!」
「えらい額細かいな〜」とジェガーさんが言うと、「せやから忘れへんように、寝る時にビーンバッグ(beanbag)の横にあったテーブルに目立つように置いといてん」と幼なじみ。「せやのに忘れてもーた。」
たまたま財布を見ると12ドルあったので、「あっ私12ドルありますよ」と言うと、「ほんま?助かるわー!家帰ったらテーブルの上に12ドル置いてあるはずやから!」
ということでその後バイバイしたのですが、家に帰ると、彼が言っていたはずの12ドルがどこにも見当たりません。一緒に探していたジェガーさんも
「ビーンバッグの横のテーブルって言ってたよな〜?」
「もしかしたら違うテーブルかもやで」
「もっかい聞いてみるわ〜」
と言ってジェガーさんがこんなテキスト(text / 携帯のメール)を送信しはりました。
Where’d you say that cash was again?(お金どこに置いたって言ってたんやっけ?)
するとすぐに返信が。
On the little table adjacent to the beanbag?(ビーンバッグの横のちっこいテーブルの上にない?)
「やっぱりビーンバッグの横のちっこいテーブルって言ってるわ。」
「でもないで?」
言い合っていると、すぐにまたテキストが届きました。
Aw, fuck 😛 Scratch that, I put it in my wallet. Shit, sorry dude. Hey, you have paypal, right?
ポイント
“scratch that” は、「取り消しにする」という意味です。
scratch that: (idiomatic, usually as imperative) To disregard, omit, or ignore the previous statement.
(”scratch” には「引っかく」の他に「線を引いて消す」という意味があるんですが、そこから来ています。テキストはほぼ会話体なので、日常会話でももちろんこの表現は使われています!)
幼なじみは「あっうそ、財布の中にあったわ。まじごめん。PayPal 使ってたよな?(← PayPal で送金するつもり)」と言っていたんですね!って、財布の中にあったんかい!
補足
この私の叫びの声が届いたのか、続けてまたテキストが来ました。
Shit, really sorry about that, man. I’ll get you back somehow here.(まじほんまごめん。なんとかして返すから〜)
これに対し、「どうすんの?」とジェガーさんが聞いてきたので、「12ドルやし別にいいよ。それに今日ほかのことでお世話になったし」と言うと、「せやな。ほなあいつにもそう言っとくわ。」
と言ってジェガーさんが送った返信がこちら。
Riho say, “Don’t sweat the cheddar, bronie.”
「なんなん、”Don’t sweat the cheddar” って?」
「お金のことは気にせんでいいよ、てことやで」
“Don’t sweat it” は「気にするな」という意味ですが、”cheddar(チェダーチーズ)” が「お金(特に現金)」という意味になるのは知りませんでした!ラップの歌詞などではよく登場するそうです。
Cheese as Cash: The Cheddar-Chedda Connection | CHOW
「で、最後の “bronie” はなんなん?」
「これは『My Little Pony Friendship is Magic』の男のファンっていう意味やで」
『My Little Pony』というのは、女の子向けのかわいいアニメなんですが、『My Little Pony Friendship is Magic』が2010年に放映開始されるやいないや、なぜか男のファンが急増したそう。そして彼らは “bro(ther)” + “pony” → “brony”(複数形は bronies)と呼ばれるように。(注:ジェガーさんの “bronie” はスペルミスです。)
こちらが『My Little Pony Friendship is Magic』の一番最初のエピソード↓
“brony” について解説しているビデオもありました↓
日本語での解説も発見しました→ 友情は魔法だ – 全米を虜にしているテレビ番組 | Kokusai_i
「えっ、ってことはあの人 brony なん?」
「ちゃうよ。」
「・・・」
後でよく聞くと、以前この brony について2人で話して盛り上がったことがあったらしく、その流れの冗談だったそうです。しかもそれを私が言っているようにすることで、さらなる面白さを狙ったそう・・・
今度ジェガーさんになんかお金に関して恩を着せるようなことがあった時は、私も “Don’t sweet the cheddar, bronie.” と言ってみようと思います。
※アイキャッチ画像:By Melina Manfrinatti [CC BY-SA 2.0], via Flickr