英語の「a.k.a.」や「AKA」は何の略語?
先週、ひょんなことから中東料理のディナー・パーティーに誘われたジェガーさんと私。その招待状に “Muneera & Mohammed AKA #401” と書いてありました。
ポイント
“AKA” は “as known as” または “also known as” の略で、文章を読んでいると意外に結構登場します。本来は “a.k.a.” と書くみたいですが、”AKA” や “aka” もよく使われています。
パーティに誘ってくれた人は、水漏れ事件がきっかけで知り合った上の階の人。しかもたった数日前のことだったので、名前よりも部屋番号を言ってくれた方がピンと来やすいことは確かです。相手もそれを理解して、「401号室の住人こと、ムネーラ & モハメッド(前は「ムハンマド」と書いていましたが、名前の表記からするとモハメッドの方が正しそうです)」と書いてくれていたのでした。
そういえば公開中の『ダークナイト ライジング(The Dark Knight Rises)』の映画のレビューを読んでいる時も、登場人物の本名を知らない人が多いことを考慮して、”Bruce Wayne, aka Batman(バットマンこと、ブルース・ウェイン)(via Guardian)” や “Selina Kyle (aka Catwoman)(キャットウーマンこと、セリーナ・カイル)(via IB Times)” などと書かれているのをたくさん見ました。
補足
というわけで招待を受けてディナー・パーティーに行くことにしたのですが、「さあ家出よか」という時にジェガーさんが驚きの発言をしました。
「向こうに行ったら、ムネーラさん見分けられる自信ないかも。」
「えっ」
「いや、頭に布巻いてはって顔の中心部しか見えへんかったから。」
「そうやったん!?」
ムネーラさん姉弟が家に来た時、私は2人の顔を見ていなかったので、ムネーラさんが頭に布を巻いていたという情報をそこで初めて知りました。招待状には確かに「コミュニティの集まり」と書いてあったので、向こうに行ったら頭に布を巻いた女性がたくさんいる可能性は十分あります。
「ってことは私も頭になんか巻いた方がいいんかな?」
「僕らみたいな外部の人間を招待するってことは、普通の格好した人もいっぱいいるんちゃうん。大丈夫ちゃう?」
あいにくその日は例のめちゃめちゃ暑い土曜日だったので、ジェガーさんの言葉を信じてノースリーブのワンピースに肩だけちょっと羽織ってパーティに行ったところ、入口のところでいきなりおっちゃんに「ちょっとちょっと君〜!」と呼び止められました。
「肌をもうちょっと隠せへんのか!」
「す・・・すいません!」
たまたま入口にいたスタッフらしき女の人が「布貸してあげるから私についてきて」とささやいてくれたので、そろそろとその人の後についてその場を立ち去り、「今日は一般の人もいるから、ほんまはそんなに厳しくなくていいんですけど、あの人うるさいから〜」と慰めてもらいながらワンピースの下にシルクのパンツをはいて肩に布をかけていると、心配したジェガーさんがやってきました。
「おっ、馴染んでる馴染んでる」
「あの格好、やっぱりアウトやったやん!」
と言っていると、ジェガーさんがあることに気づきました。
「この空間、男の人おらんくない?」
まわりを見渡してみると、確かに女の人しかいません。男の人はカーテンで仕切られた向こう側に集まっていました。
「僕、ここにいて大丈夫ですか?」とジェガーさんがおそるおそる優しそうなおばあちゃんに話しかけると、またしても「今日は一般の人もいるからそんなに厳しくせんでええよ」という返答。よく見ると、部屋の隅にはもう一つ入口があって、女の人はみんなそっちから入室しています。
「そういえばうち、別の入口から入室してきたけど、女の人はほんまはこっちから入らなあかんかったんかな〜」
「僕、やっぱりカーテンのあっち側行くわ!」
もう、何から何までわからないことだらけです。「今日は一般の人もいるからそんなに厳しくしなくていい」と言ってもらえるのがまだ救いですが、もう一刻も早くムネーラさん姉弟に合流したくて仕方ありません。
ジェガーさんもいなくなってちょっぴり心細くなりつつ、よく見るとまわりにも「一般の人」が何人かいたので(服装を見るとだいたい見当がつきます)、その人たちと話しているとムスリムのお祈りが始まりました。
これでも大学時代はちょっとしたバックパッカーだった私。約20カ国いろんな国を旅してさまざまな文化に触れてきましたが(参考:私が海外で生活するようになるまで | About)、イスラム教文化にはちゃんと触れたことがありませんでした。イスラム教のお祈りを生で見るのもこれが初めてです。
カーテンが開けられると、そこはお祈り部屋のようになっていて、絨毯がメッカのある方角に合わせるように少し斜めに敷かれていました。
そこに男性がまずぞろぞろと並び、後ろの方に数人女性も並んでお祈りが始まりました。(多くの女性は女性部屋でお祈りしていました。)私やジェガーさんのような「一般の人」は、彼らのもっと後ろに並んでじっとそれを見守ります。
お祈りは3回繰り返されて、終わった人から少しずつ解散していきました。女の人たちがテーブルに用意された料理にかけられていたアルミホイルをはがし、子供たちが待ちきれない感じで集まっています。「レディー・ファーストで女性から」という案内にしたがい、お祈りが始まる前にちょっと話して仲良くなった女の人とお皿に料理を取り分けていると、丸いシートがいくつも絨毯の上に敷かれていきました。そこで輪になって座ってご飯を食べるようです。シートに座るとジェガーさんがやってきました。
「ムネーラさん姉弟見つかった?」と聞くと、「全然わからん」とジェガーさん。もうこのまま会えへんのかな〜。そう思いながらご飯を食べていると、突然隣に誰かが座る気配が。
「この間はすみませんでした。」
「あっ・・・上の階のムネーラさん!?」
「はい!今日は来てくださって本当にありがとうございます!」
あ、会えた〜!しかもめっちゃ美人〜!
ちょうどその時、今度はご飯に並ぶのが男性の番になったので、ジェガーさんが立ち上がって向こうへ行き、私たちはガールズトークに突入。
「こないだの件は、私もう本当に恥ずかしくて・・・」
「全然気にしないでください!私も違う国から来た身ですし、そういう経験はよくわかります!」
「どこから来はったんですか?」
「日本ですよ。ムネーラさんたちはどちらから?」
「サウジアラビアです。でも私も弟もアメリカで生まれたので、アメリカ国籍もあるんですよ。父が昔アメリカに留学してたんです。」
「なるほど〜」
「どうして日本から来たんですか?」
「ちょっとアメリカで勉強してみたいなと思って・・・というのもありますが、正直なところ、日本で仕事が見つからなかったことも大きな一因で・・・」
「えっ!私もなんですよ!2年半探したけど見つからなくて、それでアメリカに来てみたんです!」
そこできゃーっと盛り上がっていると、ジェガーさんがご飯片手に戻ってきて、「女の人ってほんま打ち解けんの早いな〜」と言ってきました。私もムネーラさんと全然初めて会った気がしません。それをムネーラさんに言うと、突然「何座ですか?(What’s your sign?)」と聞かれました。アメリカに来てから血液型(blood type)や星座(star sign)を聞かれた経験がほとんどなかったので、一瞬ぽかんとしつつ「射手座(sagittary)です」と答えると、「私双子座(gemini)なんですけど、射手座とは相性が良いんですよ〜!」
星座を気にするのは日本の女の子だけじゃなかったみたいです。
さらに「ああ、やっとご飯や〜」と言いながらムネーラさんがご飯を食べているので、「ご飯食べてなかったんですか?」と聞くと、「今ラマダン(断食)中なんですよ。」
ラマダン!!
「ラマダンって確か1ヶ月続くんでしたっけ?」
「そうです。今ちょうど2週間なので、折り返し地点です。」
ラマダンと聞いてジェガーさんも再び会話に入ってきました。
「ラマダン中って本当に何も食べないんですか?」
「水を飲んだりデーツ(date / ナツメヤシの実)を食べたりするのは大丈夫ですよ。」
そういえば、私とジェガーさんが最初に入室した時も、女の人がデーツを配っていました。
「基本的に日が昇っている間は食べませんが、こうやって日が沈んだ後はみんなで集まって食べることが多いです。サウジアラビアでは毎晩こんな風にみんなでパーティーをしていました。最後の日は本当にお祭り騒ぎになるんです!」とムネーラさん。
「日が昇る前にちょっと食べることもあるって聞きましたけど」というジェガーさんの質問には、
「私は時々食べます。」
「それからまた寝るんですか?」
「寝る時もありますし、起きてる時もあります。」
「そりゃ大変ですね!」
「そんなこともないですよ。基本的に朝は夜明けのお祈りがあるので、結局毎日その時間には起きるんですよ。」
そこまで聞いて、ふと先週の水漏れ事件のことを思い出しました。私にとってすごく謎だったのが、水漏れの原因が掃除だったのに、なんでそれが夜寝ている間に起こったのかということで、「なんでそんな夜遅くに掃除してたんやろ」とずっと思っていたんです。その謎がやっと解けました。早朝の夜明けの祈りの後に掃除をしていたんですね〜!
「弟は料理も掃除も家事も全部やってくれるんです!」とムネーラさんが言ったので、「あれっ、そういえばモハメッドさんは?」と聞くと、「あっそういえば、ご飯に並んでいる時にモハメッドに会ったよ」とジェガーさん。しばらくしてムネーラさんがモハメッドさんを連れてきてくれました。
「はじめまして〜!」
「は・・・はじめまして。」
オープンなお姉さんとは反対に、めちゃめちゃシャイなモハメッドさん。うちも姉弟ですが、姉弟のところは姉の方がどちらかというと野性的なイメージがあるのはどこも同じなんでしょうか。なんか2人を見ているともっと仲良くなりたくなってきました。
ありがたいことに、ムネーラさんもそう思ってくれていたみたいなので、今度はぜひ我が家に招待して、日本食をごちそうしようと思います。
復習
Q. 2人からもらった招待状の結びには “Sincerely, ” と書いてありますが、これはどういう意味だったでしょう?
A. 英文メールの結びに書かれていた「Cheers」の意味とは?
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