アメリカで大行列!草間彌生の巡回展『Yayoi Kusama: Infinity Mirrors』

日本を代表する現代アーティスト、草間彌生さんのキャリアを網羅する展示『Yayoi Kusama: Infinity Mirrors』をシアトル美術館で観てきました!

 

北米5美術館を大巡回

 

この展示はワシントン DC のハーシュホン美術館と彫刻庭園(Hirshhorn Museum and Sculpture Garden)を皮切りに、シアトル美術館(Seattle Art Museum)、ロサンゼルスのブロード美術館(The Broad)、カナダのオンタリオ美術館(Art Gallery of Ontario)、そしてオハイオ州のクリーブランド美術館(Cleveland Museum of Art)を巡る予定です。

2017年2月23日〜5月14日 ハーシュホン美術館と彫刻庭園(Hirshhorn Museum and Sculpture Garden
2017年6月30日〜9月10日 シアトル美術館(Seattle Art Museum
2017年10月〜2018年1月 ブロード美術館(The Broad
2018年3月〜5月 オンタリオ美術館(Art Gallery of Ontario
2018年7月〜10月 クリーブランド美術館(Cleveland Museum of Art

草間彌生さんはアメリカでもよく知られている日本人アーティストの一人で、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションも話題になりました。

前の記事で紹介したニュース映像によると、ハーシュホン美術館では過去最大の来館者数を記録する人気ぶり。

シアトル美術館でもチケットは飛ぶように売れていて、もはや当日チケットしか購入することはできません。入館料が無料になる月の第一木曜 “First Thursday” に行ってみたところ、チケット売り場はもう大行列でした。

 

展示室の中も大行列

 

『Yayoi Kusama: Infinity Mirrors』の見所は、5つあるインスタレーション。

どれも20〜30秒間のみの閲覧となっているのですが、一度に体験できるのが最大3名のため、展示室の中も大行列でした。まるでテーマパークのアトラクションみたいです。

行列に並んでいる間、ジェガー Jr. が落ち着かなくて大変でしたが、参加型のインスタレーション『The Obliteration Room』(消滅の部屋)では大はしゃぎ。

私は、草間彌生さんといえば水玉模様のイメージしかありませんでしたが、展示を見ていると水玉模様が宇宙に思えたり、細胞に思えたり、火の玉に思えたりして何とも不思議です。

一つのモチーフを途方もなく繰り返す彼女のスタイルは、まさに “永遠” を感じさせます。

Yayoi Kusama Infinity Room.jpg
By Helsinki Art Museum, The Broad – http://www.thebroad.org/art/exhibitions/yayoi-kusama-infinity-mirrored-room https://www.hamhelsinki.fi/en/exhibition/yayoi-kusama-in-infinity/, CC BY-SA 4.0, Link

草間さんといえばかぼちゃのモチーフも有名ですが、そのルーツが種苗業を営んでいた実家にあったことも、今回の展示で初めて知りました。

Coming from a family that cultivated and sold plant seeds for a living, Kusama saw a pumpkin for the first time during a childhood visit to a seed-harvesting farm with her grandfather, spotting the odd-shaped gourd the size of a man’s head nestled in the landscape between fields of zinnia, periwinkle, and nasturtium flowers. The artist was attracted to the pumpkin for its “charming and winsome form,” celebrating its lumpy, unpretentious organic shape.

(種苗業を営んでいた家庭で育った草間が、初めてかぼちゃを目にしたのは、幼少期に祖父と実家の採種場を訪れた時だった。そこで草間が見たものは、百日草や金蓮花などの花畑の合間に埋もれた、人間の頭ほどの奇妙な形のひょうたんだった。草間はゴツゴツとして飾り気のないのかぼちゃの「何とも愛嬌のある形」に惹かれたという。)

 

海外初拠点はシアトル

 

まだ女性の渡米が珍しかった1957年に、28歳でアメリカに渡った草間さん。最初に個展を開いたのは、実はシアトルだったりもします。

その後ニューヨークに拠点を置き、日本人かつ女性というマイノリティの立場で、自分の作品を確立していった草間さん。

さまざまな苦境を経ながら、88歳となる現在も、草間さんは現役で活躍中です。彼女の海外進出の原点となったシアトルでこうして草間さんの作品を見ることができて、本当にラッキーです。

私が初めて見た草間さんの作品は直島にあるかぼちゃですが、ジェガーさんも草間さんの作品を気に入ったみたいなので、いつか連れていってあげたいです。

Pumpkin