映画『ワンダーウーマン』が成功した3つの理由
全米で大ヒット上映中で、女性監督による映画で最も成功した作品と言われている『ワンダーウーマン(Wonder Woman)』を観てきました!日本では8月25日に公開予定です。
#WonderWoman breaks records: Biggest live-action box office hit by a female director for @PattyJenks! https://t.co/MEbj8gDCHc pic.twitter.com/d2ZL7lYB4l
— Variety (@Variety) June 26, 2017
予告を観た時は正直それほど期待していなかったのですが、本編を観たら思いの外良くて大満足。特に女性の間で大絶賛されているので、その理由を考えてみました。
女性監督による初のスーパーヒーロー映画
『ワンダーウーマン』が多くの女性の支持を集めている理由の一つは、女性のスーパーヒーローの描かれ方ではないでしょうか。
これまで女性のスーパーヒーローと言えば、どちらかというと脇役がメインでした。しかも男性目線で描かれているので、セクシーさやかわいさが強調されたり、男性のサポート役に留まっていたり、女性からすると物足りなく感じられる部分がどうしてもありました。
でも『ワンダーウーマン』は、あくまでワンダーウーマンが主役。男性キャラクターはワンダーウーマンを支えるサイドキックとして描かれていて、完全に立場が逆転しています。
監督は、2003年に映画『モンスター(Monster)』で成功を収めたパティ・ジェンキンス(Patty Jenkins)さん。これまでスーパーヒーロー映画はたくさん作られてきましたが、実は女性が監督したのは今回が初めてです。
Go behind-the-scenes of @WonderWomanFilm with director @PattyJenks and star @GalGadot! Now playing! Get tickets: https://t.co/2ipWJK4dAZ pic.twitter.com/alehckOkHp
— #WonderWoman (@WonderWomanFilm) June 9, 2017
そんなパティーさんによる女性目線で描かれたワンダーウーマンは、「セクシー」「かわいい」というよりも、普通に「かっこいい」印象。女性キャラクターの形成に安易に取り入れられがちなロマンス要素も、『ワンダーウーマン』の場合はそれがメインではなく、あくまで彼女の強さを構成する一つの側面として描かれているので、かなり共感できました。
ガル・ガドットは兵役経験あり
主役を務めたガル・ガドット(Gal Gadot)さんは、オリエンタルな雰囲気の見た目がワンダーウーマンにぴったりですが、なんと彼女、兵役経験もあり!
出身国のイスラエルでは男性だけでなく、18歳以上の未婚の女性にも兵役義務があり、ガル・ガドットさんは2年間イスラエル国防軍で戦闘トレーナーの職務に就いていたそうです。
“She is what #WonderWoman stands for.” Watch @GalGadot bring power, grace, wisdom and wonder to the big screen. Now playing! pic.twitter.com/Kgj8AQDPNW
— #WonderWoman (@WonderWomanFilm) June 6, 2017
女性によるアクションと言ってもかなり本格的で、アメリカではワンダーウーマンの戦闘シーンで涙した女性が多数現れました。
女性がヒーローに求めるもの
『ワンダーウーマン』は、もしかしたら男性には少し物足りなく感じる部分もあるかもしれません。
というのも、一応悪役が出てくるものの、明確に正義と悪が対立しているわけではないからです。どちらかというと、悪と戦うというよりは、自分の信じる愛のために戦っているという印象。男性ヒーローと女性ヒーローの違いについて、パティ・ジェンキンス監督も以下のように語っていました。
もしも『ワンダーウーマン』を男性が監督していたら、単にスーパーヒーローを女性化しただけに過ぎなかったかもしれません。実際、ワンダーウーマンのスクリーンデビューとなった昨年の映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(Batman v Superman: Dawn of Justice)』でも、ワンダーウーマンの魅力はそれほど伝わってきませんでした。
それがパティ・ジェンキンス監督によって女性目線が加わったことで、全く新しいヒーロー像が生まれ、新しいファン層を生み出す結果に繋がったように思います。
11月には『ジャスティス・リーグ(Justice League)』が公開予定。果たしてこの『ワンダーウーマン』の成功で DC コミックスは勢いを取り戻すでしょうか。
『ジャスティス・リーグ』を観る前におさらい