アメフトのデリック・コールマン選手が難聴の女の子とやりとりした手紙に書いた「root for」の意味とは?

先週末にナショナル・カンファレンス(NFC)の決勝試合を制し、スーパーボウル進出を果たした地元シーホークス(Seahawks @Seahawks)。

Derrick Coleman letter

実はそのチームメイトに一人、耳の聴こえないフルバックの選手がいます。

上の映像は Duracell という乾電池のコマーシャルなのですが、このコマーシャルに出ているのが、3歳の時から難聴のデリック・コールマン(@DC2forlife)選手。NFL で難聴の選手というのは、デリックさんが初めてだそうです。

They didn’t call my name…(俺は呼ばれなかった…)

… told me it was over.(…もう終わりだと告げられた)

But I’ve been deaf since I was three…(でも俺は3歳の頃から耳が聴こえない…)

… so I didn’t listen.(…だから俺は聞かなかった)

というセリフがめちゃくちゃかっこいいです。

この CM を観て心を動かされたのはもちろん私だけではありません。コールマン選手のもとに、Twitter 経由で一通の手紙が届きました。

Dear, my insperation Derrick Coleman
I know how you feel. I also have hearing aids. Just try your best. I have faif in you Derrick good Job on January 20th game. Go seattle seahawks! here are things we have in comen.
I where two hearing aids. I love sports.
Other things are I’m a identical twin and my twin where’s one hearing aid too!

この手紙を書いたのは、難聴の双子の女の子。そのまま書き起こしてみましたが、とても素敵な手紙です。

それに対し、コールマンさんもすぐにお返事を書きはりました。

Dear Miss kovalcik,

Thanks for the letter. Really was great hearing from a friend who I have so much in common with. I appreciate your rooting for the Seahawks and me and hope you continue to do so when we play in the Superbowl!!!

I want you to know that I always try my best in everything I do and have faith in you & your twin sister too. Even though we wear hearing aids, we can still accomplish our goals & dreams! If you or your family ever in Seattle, I hope we can all get together & play some sports or games!

Take care,

Derrick L. Coleman Jr

その中で、”root for” というフレーズが気になりました。

ポイント

“root for” は「応援する」という意味です。

root for | Macmillan Dictionary

root for someone: to support someone in a game, competition, etc.

(試合やコンテストなどで誰かを応援する、という意味なんですね!)

つまりコールマンさんは、「シーホークスと僕を応援してくれることに感謝するとともに、スーパーボウルで試合をする時も応援し続けてくれることを祈っています」と書いていたのでした。

補足

私はこのニュースを知るまでデリック・コールマンさんのことをよく知らなかったのですが、彼は補聴器(hearing aids)を付けても完全には聞き取れないそうで、試合では唇の動きを読んで把握しているそう。下の映像の 0:50 で観られますが、チームメイトもコールマンさんのために、唇の動きが見えるよう配慮してはります。

でも地元紙の記事『Seahawks’ Derrick Coleman makes his mark despite hearing disability | Seahawks | The Seattle Times』(8.14.2013)によると、コールマンさんに対してみんな特別な配慮をしているわけではなく、才能あるプレイヤーとして絶大な信頼を寄せている様子。

記事の中で、特にはっとしたのは以下の部分でした。

“I don’t ever use it as an excuse,’’ he said.

Coleman even says he thinks it gives him an edge when stadiums get especially raucous and players have to rely on hand signals and other non-verbal methods of communication.

“When it gets loud I feel like I have the advantage,” he said. “I can tune that out.”

(「耳が聴こえないということは絶対に言い訳にしません」と彼は言った。

コールマンは、スタジアムが特に騒々しく、選手たちがハンドシグナルや他の非言語コミュニケーション手段に頼らなければならないような時は、むしろ彼が優位だと思っていると言う。

「うるさくなると、自分に有利になっていると感じます」とコールマン。「雑音を聞かずにすむので。」)

via Seahawks’ Derrick Coleman makes his mark despite hearing disability | Seahawks | The Seattle Times

こうしてコールマンさんがチームメイトにいることで、他の選手も絶対に言い訳をしない環境ができているそうです。

コールマンさんは2月2日のスーパーボウルにも出場予定。コールマンさん、私も応援しています!