独創的すぎる怪奇ファンタジー!?大林宣彦監督の長編デビュー作『ハウス』
先日、ジェガーさんの幼なじみとその友人が家に泊まりにきて男子会をしていた時に、ジェガーさんが「そういえば、時間あったら君らに観て欲しい映画があんねん」と言い出しました。
「何それ」
「僕の最も好きな映画の一つ」
まさか・・・と私は思いました。この流れから行くと、きっとあの映画に違いありません。
「何それ」
「『ハウス(HOUSE)』っていう映画」
やっぱり!
ジェガーさんはこの映画がなぜかめっちゃ好きで、誰かが家に泊まりに来ると、いつも観せたがります。
「へえ〜どんな映画?」
「ジャンルはホラーなんかファンタジーなんか、一言でうまく言えへんねんけどな、とにかくめっちゃ変わった映画やねん」
「何やそれ」と言いながら、幼なじみが興味を示し始めました。「観る?観る?」とジェガーさん。むろん、みんなで観る流れになりました。
『ハウス(HOUSE)』(1977)は大林宣彦監督の長編デビュー作。下の予告編によると、一応ジャンルは「怪奇ファンタジー」らしいです。
かなりぶっとんだ映画で、ジェガーさんと私がこの映画を観るのは4度目くらいだったのですが、何度観ても難易度の高さは変わりません。
ジェガーさんの幼なじみも、その友人も、空いた口がふさがっていませんでした。
そもそもジェガーさんとこの映画との出会いは2009年にまで遡るのですが、当時家の近くのマニアックな映画ばかり上映しているコアな映画館で期間限定で上映されていて、そのポスターがレンタルビデオ屋の窓ガラスに貼られていたのでした。冒頭の DVD の表紙みたいなオレンジ色のネコのポスターで、やたらインパクトがあったため、ジェガーさんが釘付けになったのです。
「何この映画・・・ってこれ、日本の映画やん!」
「えっこれ日本の映画なんや」
私はたまたまその期間予定が合わず、結局ジェガーさんが一人で映画館に観に行ったのですが、えらい興奮して帰宅。
「なんかすごい映画観てしまったー!」
「ホラーやっけ?」
「ジャンルはホラーなんかファンタジーなんか、一言でうまく言えへんねんけどな、とにかくめっちゃ変わった映画やねん!」
ニューヨーク・タイムズ紙(The New York Times @nytimes)の記事『7 Frightened Teenagers in Nobuhiko Obayashi’s First Feature』(1.14.2010)によると、アメリカで2009年にリバイバル上映され、そのタイミングでジェガーさんの目にも触れた様子。
ジェガーさんの幼なじみは「なんか日本版『ロッキー・ホラー・ショー(The Rocky Horror Picture Show)』(1975)みたいやな」と言っていて、ジェガーさんは「全然ちゃう」と言っていましたが、私はなんとなく幼なじみの言わんとすることもわかりました。どちらの映画もかなりぶっとんでいて、ホラーなのかファンタジーなのか、よくわかりません。
「この監督有名な人?」とジェガーさんの幼なじみが言ったので、ジェガーさんが「大林宣彦っていう・・・」と言うやいなや、「それって、もしかしてマンダム(Mandom)の人!?」
「マンダムの人!?」
「マンダムのコマーシャル撮った人やんな!?」
すると、ジェガーさんの幼なじみの友人も「えっ、あのチャールズ・ブロンソン(Charles Bronson)の出てるやつ!?」と興奮。
「えっ、何それ!?」
「えっ、知らんの!?マンダムの CM 知らんの!?」
YouTube にあるんちゃうん、ということで、みんなで興奮しながら YouTube で調べたところ・・・発見しました。
「これやこれやー!」
「何この CM!」
「途中で投げたシャツどこいってん!」
「香水ふりすぎやろー!」
もうつっこみどころが満載すぎて、何回も観てしまいます。わずか2分間の中で、大林節、炸裂。大林監督がもともと CM 業界にいらっしゃったこと、知りませんでした。
よく観ると日本の CM っぽいのに、どうしてみんなが知っていたのか謎です。