第86回アカデミー賞授賞式で耳にした「hog」の意味とは?
私が一時帰国中、唯一気がかりだったこと、それは一時帰国とアカデミー賞授賞式がかぶったことでした。
私はもう出発前から幾度となくジェガーさんに「アカデミー賞録画しといてな!」とお願い。ところが実際に一時帰国してみると、楽しすぎてアカデミー賞のことをすっかり忘れてしまいました。
すると帰り際、ふとジェガーさんから届いたメールを見てびっくり。”Oscars-Don’t look at the winners, Riho(オスカーについて – 受賞者を見ないように)” と書かれています。
I won’t watch and we can watch them together when you get back. It will be better if we don’t know the winners 😀
(僕は観ないから、帰って来たら一緒に観られると思う。受賞者知らん方がええやろ。)
幸い、その時点で私はまだ受賞者について何も知りませんでした。すぐさまジェガーさんに「優しすぎるやろー!」と返信し、何がなんでもアカデミー賞に関するニュースには絶対近づかないようにして、なんとかアメリカに帰国。
「アカデミー賞観るでー!」
「受賞者チェックしてへん?」
「何も知らん!」
「すごいな。僕普通に Yahoo!ニュースか何かのヘッドラインで最優秀作品賞知ってしまったわ。でもアカデミー賞当日はせっせと掃除して、気を紛らわしたで!」
「だから家綺麗なんや!わーい!」
というわけで、2人揃ったので、さっそくアカデミー賞の観賞開始。特に面白かったのは、司会のエレン・デジェネレス(Ellen DeGeneres)さんが超豪華 selfie(自分撮り)を撮るシーンでした。
この上の映像で、エレンさんは写真を撮り終わった後、キウェテル・イジョフォー(Chiwetel Ejiofor)さんが selfie に入っていなかったことに気づき、キウェテルさんとも撮影。すると後ろからブラッド・ピット(Brad Pitt)さんがひょっこり顔を出して写真に映り込み、エレンさんが “Did you get in on that? Oh god… you’re a photo hog.” と言っていました。
ポイント
“hog” はこの場合、「利己的な人」という意味で使われています。
- a pig
- [INFORMAL] someone who eats rudely or takes too much of something that other people might want
(もともと “hog” は「豚」という意味で、そこから「(豚のように)荒々しく食べる人、人が欲しいものを取りすぎる人」という意味に派生しているんですね〜)
つまりエレンさんは、「あなたも入ったの?もう・・・写真を良いとこ撮りしちゃうんだから」と言っていたのでした。
補足
結局ブラッド・ピットさん入りの写真はうまく見つからなかったのですが、豪華俳優陣大集合の写真はエレンさんの Twitter にアップされていました。
If only Bradley’s arm was longer. Best photo ever. #oscars pic.twitter.com/C9U5NOtGap
— Ellen DeGeneres (@TheEllenShow) March 3, 2014
エレンさんは「あともうちょっとブラッドリー・クーパーの腕が長かったら」と書いてはりますが、あの状況でこれだけうまく撮れているのは、ブラッドリー・クーパー(Bradley Cooper)さんさすがです。しかもみんなめちゃくちゃ楽しそう。
この写真ツイートはなんと300万回以上リツイートされ、エレンさんが目指していた「リツイート記録」を見事に塗り替えました。
これまでの記録保持者はオバマ大統領でした→ Ellen’s Oscar selfie tweet breaks Obama’s retweet record – Yahoo News
写真はその後、シンプソンズ化も実現。みんなシンプソンズ化されても本人にそっくりです。何気なくホーマーさんもいます。
.@TheEllenShow Oscar® Selfie: A wider view. #thesimpsons pic.twitter.com/4rOSejhycW
— The Simpsons (@TheSimpsons) March 5, 2014
ピーナッツも対抗。こちらもぎゅーぎゅーです。
Can the Peanuts gang break Twitter too, @TheEllenShow? #Oscars pic.twitter.com/bvaqbtvz69
— PEANUTS (@Snoopy) March 3, 2014
こうやってすぐ乗っかるところが面白すぎます。
私は授賞式での受賞スピーチ(acceptance speech)を聴くのもいつも楽しみにしているのですが、今回一番良かったのは、映画『それでも夜は明ける(12 Years a Slave)』で助演女優賞を受賞したルピタ・ニョンゴ(Lupita Nyong)さん。
日本語字幕付きはこちら→ 『それでも夜は明ける』予告編 | YouTube
受賞した時の反応からもう心打たれまくりでした。
スピーチの最後のくだりも本当に良かったです。
When I look down at this statue, may it remind me and every little child that no matter where you are from, your dreams are valid.
(この像を見れば、どこの出身であっても夢が叶うことを、私に、そして全ての子どもたちに思い起こさせてくれますように。)
ルピタさんはケニア出身。ケニア人でアカデミー賞を受賞したのは、彼女が初めてだそうです。
外国で自分の夢を叶える女性を、私は心から尊敬します。私もいつかはこのアメリカで自分の夢を叶えたいという思いがあるので、彼女のスピーチには心から感服し、希望をもらいました。
ルピタさん、本当におめでとうございます。
参考
受賞者一覧→ Oscars Winners & Results | Academy Awards | Oscars 2014
レッド・カーペットのドレス写真ギャラリー→ Women’s Oscar Fashion | Academy Awards | Oscars 2014
アカデミー賞全編:
エレンさんの番組『The Ellen DeGeneres Show』で公開されたバックステージ映像: